平成24年の初めに 「被災地のガレキ処理」の問題

 皆さま、明けましておめでとう御座います。
 
 日本は1月15日に成人の日を迎え、新しい出発をお祝いしてきました。このブログでも、1月15日に新年に向けてエッセイを書いていきます。

 昨年は東日本大震災と福島原発事故による災害が日本に降りかかりました。現在も継続中です。

 このブログでは公平を期すために両側から考えてもらいたい、という願いからなるべく反対の事実、解釈を提示していきたいです。また、将来の希望につながる内容に絞っていきます。

 そこで浮かび上がってくる2つのこと、①「被災地のガレキ処理」の問題、②「日本全体の組織体質」があります。②は次のエッセイに書きます。

①「被災地のガレキ処理」の問題

 最初に注目すべきは「被災地は広大である」点です。放射性物質を含むガレキと、放射性物質が殆ど降り注いでいないガレキ、そして東京と同じくらい降り注いでいるのガレキの3つがあります。現在、「被災地のガレキ処理」を考える時、この区別をせずに、放射性物質を基準にして全てを一括して考えています。
 さらに、放射性物質の基準が、科学的根拠の乏しいもの、あるいは科学的根拠に基づかない基準である、という問題があります。これはこのブログで「静岡県の荒茶問題」や「食品の暫定基準問題」で取り上げた問題と似ています。

 関西広域連合(自治会などと中心とした組織)が、「 東日本大震災で発生した災害廃棄物の受入について 」を日本国政府等に申し入れしました。
HPリンク先:http://www.kouiki-kansai.jp/contents.php?id=549
原文(PDF):http://www.kouiki-kansai.jp/data_upload/1323673125.pdf

A)基準が法律(原子炉等規制法)では100ベクレル(Bq/㎏)だが、環境省のガイドラインでは80倍の8000ベクレルである

B)放射性セシウムは水に溶けやすいので、海面処分場の技術的指針を明らかにして欲しい

C)具体的な処理する量、処理方法を明らかにして欲しい

 論点は以上の3点です。
国民に説明する責任がある「原子力安全委員会」や原子力担当の各大臣にはっきりとした説明をする必要があると考えます。「原子力安全委員会」の委員長は交代しましたが、各大臣は菅内閣と現在の野田内閣では全く変っておらず、荒茶問題や食品の問題と酷似する理由が推測されます。また、次に述べるように原子力村の体質=日本の組織体質の問題との関係も推測されます。あるいは、児玉龍彦先生は政府を含めた国会の対策不足を指摘しています。


 では、ガレキ処理を受け入れ、空中や海中に放射性物質が流れ出た場合どのようになるのでしょうか?

 私個人の考えでは、「幼児以外の低線量による内部被爆の危険性は、実証データが無くよく分からないのが実情である」と捉えています。
  
 対して、『低線量・内部被爆の危険性 -その医学的根拠-』 医療問題研究会 耕文社 1000円+税別 という本があります。
 書名の通り低線量の内部被爆の危険性を訴える本ですが、内部被爆と外部被爆の違い、ベクレル、シーベルト、グレイの関係や物理学的半減期と生物学的半減期の違いなど基礎もしっかり書かれた良い本です。

 また、日本には「放射線影響研究所」という広島・長崎の原爆の影響を調べる日米協同の研究所がありますが、GHQの占領期にアメリカが現地の医師の書いたカルテや観察記録などを全て持っていき、現在でも公開していません(『この国の権力中枢を握るものは誰か』 菅沼光弘 徳間書店 200頁)。ですから、もしかしたら長期的な影響があるのかもしれません。
 また、「放射線影響研究所」は、8万人を追跡調査し、1シーベルト当りガンが47%増加、ガン以外が14%増加としています。
 寿命調査 第13報:http://www.rerf.or.jp/library/scidata/lssrepor/rr24-02.htm
  
 以上のことから、「①「被災地のガレキ処理」の問題」は、複雑に要素の絡み合った問題です。。
 ですから、多くの方々に「危険だよ」と「危険は少ないよ(工学的安全だよ)」から考えて頂きたいです。

 また、同時に正確な情報が系統だって、あるいはまとまった形で日本国民に公開されていません。現在のマスコミの偏向報道ぶりも福島原発事故で明らかになりましたが、この点も、より複雑にし、理解するのを妨げているように思われてなりません。そのため、情報リテラシーが求められます。
 
 これらの点に注目しながら、本年は、是非とも日本再生の年にしていきたいです。

 宜しくお願い致します。

                                    高木 健治郎


 
 
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