講義録14 「属人的組織風土 企業の社会的責任 倫理を成し遂げる2つの手段 倫理を行うために」

(文意不明、文末の言い回しミス、誤字脱字は沢山あると思います。ご了承下さいませ。また、講義内容に大分加筆しています。)

 福島原発事故が終わりました。
 事例を取り上げながら、「科学技術者倫理」の基本的な言葉や考え方を述べてきていました。
 福島原発事故に入り、後2回は、基本的な言葉や考え方を広げて行きながらまとめたいと思います。

 台風6号が接近してきており、講義日翌日の水曜日は全学休校でした。1年間を72に分けた「72候」では、「鷹乃学習 たかすなわちがくしゅうす:鷹の幼鳥が飛ぶことを覚える」が2日前の17日でした。幼い鷹は飛び方を習えなかったかもしれませんが、この大雨で穢(けが)れを払い、再生日本が飛翔するようになることを願いながら講義を行いました。

 さて、それではチャートに行きましょう。

 「属人的組織風土」
   ↓
 「企業の社会的責任」
   ↓
 「倫理を成し遂げる2つの手段」
   ↓
 「倫理を行うために」
 
 です。
配ったプリント:なし

回した本:『原発と日本の未来――原子力は温暖化対策の切り札か』  吉岡斉著  岩波ブックレット 講義の参考図書(525円税込)
    :NEWSWEEK 2011.7.20「日本政治メルトダウン」
 図書館がシラバスに挙げられている参考図書が講義名ごとにまとめられています。笑顔で丁寧な対応もしてくださる司書さんがいる図書館でいつも助けられております。

 挨拶から入りました。
 次に回した本、2冊を紹介しました。
 先週で福島原発そのものは終わりました。皆さんの感想を見て一緒に講義を作ってきたことを実感したこと、それと皆さんの成長が見れたこと、最後に、未来へ向けての言葉が多く見られたことが希望でした、と述べました。ただ、講義に対する反対意見が少なかったので、自分で反省するために、『原発と日本の未来――原子力は温暖化対策の切り札か』を2回読みました。講義で足りなかったことが沢山書いてあり、色々と反省しました。また、読みながら「ああ、これが出来なかった」、「これを伝えたかった」と思いました。本を読んでもらいたいですが、主に3点あります。

①原発ルネッサンス「A)原発は未来のエネルギーである。化石燃料は枯渇するから B)中国、インドなどで原発が加速していくのが世界の潮流である C)…(後で加筆します)…」というのは、原発の現実を無視している。この原発ルネッサンスが言われだして10年以上過ぎたが稼働原発の数は横ばいである。

②原発は「経済的でもなく、リスクも高く、安心もできない」けれど推進してきた理由は、「原発が何時でも核兵器作成出来る」からである。出来る可能性を持つと日本の安全保障上の有利になる、という考え方にある、と指摘している。
 講義では「政治的な理由で」とまとめて述べてきたので補足。また、これを導入したのは1954年、中曽根康弘改進党議員(後の日本国総理大臣)らであった。ただ、当時のトレードオフを考えるとこの考え方に一定の説得力があったが、強大なソ連が倒れ、中国も日本製品にも依存する形で経済発展する現在は、この考え方に説得力がなくなっている。そもそも世界最大の核兵器保有国であるアメリカが、イラクやパキスタンなどで軍事的な失敗を繰り返している。それがドル安などに結び付いているのだけれども、60年前と現在では要素が変わっている。それでも日本は、核兵器保有国以外で唯一、しかも30年以上失敗し続けている高速増殖炉もんじゅを使おうとしている。
 
③吉岡先生の主張は「原発は経済的ではない。何故なら、立地対策、技術開発、損害保険費用などの経費を日本国が負担しているから。本当に経済的ならば負担する必要はない(さらに廃棄物の処理費等も国が負担する)。原発を続ける合理的な理由は一切ないから、火力、水力発電と同じく、立地対策、技術開発、損害保険費用等を電力会社に任せて、その上で原発をするかどうかは判断させればいい」と主張している。「それが資本主義社会のルールである」と締めくくる。
 私も大筋で同意するし、この点を講義で述べていなかったので補足しました。「図書館で見れるので是非ともどうぞ」と紹介しました。

 次は、NEWSWEEKです。学生の皆さんのコメントにも多く「政府の対応が遅い」や「マスコミの情報が偏っている」との指摘がありました。「日本政治メルトダウン」と表紙があります。
イ)「菅直人という名のストレステスト(MASTER OF DISASTER)」
ロ)「政治をダメにする「第4の権力(FULL-COURT PRESS :COURTは追従、おべっかの意味でしょう)」
ハ)「「北朝鮮」と「献金」の深い闇(SHADY CONNECTIONS)」
の記事をざっと紹介しました。

 イ)「菅直人という名のストレステスト(MASTER OF DISASTER)」では、講義で述べた「数値基準を示さないけれど安全です」あるいは「数値基準を示さないけれど危険です」という政治ゲームに利用される原因が幾つか書いてあります、と紹介しました。この中で、日本の民主主義のあり方が問われています。これは講義で「選挙の時に、名前を知っている。イメージだけで選んでしまう」ということで投票してきた私たち日本国民の姿勢を指摘しましたが、共通しています。もっと色々書いてありますが、民主党政権は「政治主導」という言葉で、これまでの米ソ冷戦の時の構造を壊して欲しいという「国民の期待を踏みにじった等しい」という強い言葉が書いてあります。これは日本の民主主義の根幹を揺るがす行為です。具体的に言えば、突然政府高官が来て「何時何時までに非難してくれ。だだ具体策は自分たちで考えなさい」というソ連の計画経済のやり方なのです。飯館村(いいだてむら)で実際に起こったことです。また、浜岡原発停止、玄界灘原発再開なども地元の民主党国会議員にも、地元の市町村長にも相談がなかったそうです。もちろん、これらを菅総理大臣や民主党幹部の責任として責任追及するのではなく、そうした人々を私たちが選んできた、その原因が原発事故原因に共通のものがあることを知ってもらいたいのです。実は大学界にもこうした流れがあるそうで(私は大学界の人と殆ど付き合いがないので知りませんが)、東京大学の先生の学説に反するものに、研究費が回らなかったり、学会で主流派とならない、ということがあるそうです。これは理系のように研究費に数千万から数億円掛かる場合には極めて大きな要素になります。私たち日本国民も「東京大学の先生だから正しいのだろう・・・」という思い込みがあるのではないでしょうか。私には実はあります。ですから、そこに「公平」を壊しかねない大きな要素があることを注意しなければ、と考えるのです。
 大分加筆しました。

ロ)「政治をダメにする「第4の権力(FULL-COURT PRESS :COURTは追従、おべっかの意味でしょう)」
 この記事ではメディアの責任を追及しています。書いているのは、NEWSWEEK日本語版編集長と2人の記者です。前回の記事も「客観報道という夢想をして「公平さ」を欠く報道をしている日本メディア」という内容で素晴らしいものでしたが、今回は

 「自分を「ひいき」にしてくれなければ欠点や失敗をあげらって成果は伝えない」

 という内容です。この具体例として阿部総理、麻生総理、鳩山総理、中川昭一財務相などが挙げられています。さらに加えて

 「世論調査を武器に、政治を「おもちゃ」にしている」
 
 と述べている具体的には71年に1回だけだった読売新聞は平成22年(2010年)に31回になり、しかも、固定電話しか対象ではない。さらに、国民の感情に迎合すれば衆愚政治になるのは民主主義の基本中の基本なのに、

 「世論調査で支持率が引くから首相は退陣すべきだ」

 というスタイルを取っている。私も別のブログで書いている。要点を書いておきたい(完全に補足です)。政治は本来政策論争されなければならない。「世論調査」というのは全ての政策をまとめて判断するのであるから、十分な政策内容が伝えらた上で判断されるべきなのである。そうしないと、人間は「好悪」やイメージだけで支持率を決めてしまう。それではご近所さんが好きか嫌いかと変わらなくなってしまう。そして日本特有の空気があると、「皆が嫌いと言っているので」や「何となく駄目だなぁ」というイメージ操作されてしまう。
 例えば、自民党は結党の精神として「「占領軍が占領国の憲法を作ってはいけない」という国際法上違反行為の上にできた日本国憲法を改定する」があるが、これを具体化した国民投票法を成立させる、という大きな成果があったが殆ど報じられなかった。麻生総理はIMFから「人類史上最大の貢献」と言われたのに殆ど報じられなかった。「仲良し内閣だから」とか「漢字間違うし、豪勢な食事しているから」などのイメージ操作で支持率が落ち、選挙に負け、退陣していった。NEWSWEEKは、最後に
 
 「メディアが作りだす特有の政治風土が変わらない限り、本当の意味での日本政治が安定化することはないだろう」

 と結んでいる。

ハ)「「北朝鮮」と「献金」の深い闇(SHADY CONNECTIONS)」
 日本の新聞でもTVでも殆ど報じられていないニュースとして「北朝鮮拉致の容疑者の家族、北朝鮮国内で本人も反日教育活動をした人の政治団体に、菅総理と鳩山元総理が6000万円と1000万円を寄付していたことが取り上げられています。菅総理「に」寄付、ではなく菅総理「が」寄付、です。もちろん総理になる前ですが。そしてその政治団体は北朝鮮とつながりがあるとして公安委員会がマークしている団体です。さらに、その政治団体とお金のやり取りがある民主党議員が、公安委員会の内部資料を見れる立場に現在います。ということは、北朝鮮関係の資金を受けている人が北朝鮮のスパイ情報を何時でも利用できる、ということです。これは日本以外の先進国であれば「スパイ防止法」がありますから、強制捜査になっても可笑しくない大きなニュースです。ここに日本の冷戦が終わってないことが分かります。また、菅総理は「この政治団体と交流すると利益があると考えた」と国会で述べています。当然、菅総理は拉致問題の最高責任者です。この点について謝罪を国会で求められましたが「筋違いです」と回答しています。
 ここに観えるのは、「冷戦構造が今も続いている」ということです。特定の個人を非難するのではなく、戦後の日本をずっと引っ張ってきた政治構造が現在も続いている、ということです。この点に原発問題との共通点があります。これはもう1冊の回した本、吉岡斉著『原発と日本の未来』で指摘されていました。

 さて、大分加筆したので分量が多くなりました。
 講義は、最初、これまでの13回分のレポート用紙と2回の宿題レポート用紙を返却しました。教室に回数ごとに分けておいておき、学生さんに個人個人で持って行ってもらいました。6月7日以降は、チェックで抜き出して返却できていない分もありましたが、枚数にして3000枚以上あり、普段のビジネス用バックにリュックサックを背負って行きました。大変重たかったですが、殆ど2回見せてもらいましたので、まるで宝物のように感じました。返却する時に、一抹(いちまつ)の寂しさを感じました。同時に私のチェックしたプリントも回し、学生の皆さんとのすり合わせをしました。プリントを持っているのに私のチェックが入っていないものを申し出てもらい、現物を見て訂正させてもらいました。「ごめんね~」とか「ごめんなさい」とか「失礼しました」とミスを謝ってからでした。

 次は、講義の内容に進みます。
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