福島原発事故について6コマ分の講義方法


① 福島原発事故のように大きな危機にある際、「公平さ」で、情報を整理し判断をまとめることで、未来への視界が開かれる(カール・ポパーの科学哲学の応用)。

② 「公平さ」は、肯定側と否定側から、事実、論拠、結論という立論を別々に2つ以上、行うことで担保される。

③ 肯定側と否定側の立論を見比べて、初めて自らの判断が出てくる。

④ 片側のみの立論は、「感覚」や「信念」に支えられやすく「感情」に陥りやすい。両論を比べると「感情から離れる力」が生まれる。それが「学問の力」である。

⑤ この「感情」は個人の経験や組織の権威や権力などによって生み出される。

⑥ 個人の経験や組織の権威や権力などが技術者倫理よりも重視されると、リスク評価や社会的責任が果たせなくなる。これを「属人的組織風土」と言い、事故予防対策、再発防止対策の妨げの1つとして挙げられる。

⑦ NASAのチャレンジャー事故、ミートホープの食品偽装事件、三菱自動車リコール隠し事件、高速増殖炉もんじゅの事故、福島原発事故前に指摘された耐震設計問題に、属人的組織風土が見られた。福島原発事故原因については事故調査委員会が報告書を提出していないので、不明。

⑧ 技術者倫理で最も大切な概念は「公衆の福利(一般の人々の幸福に寄与すること)」である。ただ、「公衆の福利」は数値化出来ず、一義的な定義が難しい。

⑨ 数値化出来ず、一義的な定義が難しい場合、「公平さ」は説明責任や専門家の高い責任を果たす上で重要な意義を持つ。

⑩ 学生自らが調べ、考え、書き、それを他の学生と共有していく中で「公平さ」の獲得を目指した。

(事前に、「許容可能なリスク」、6種類の「工学的安全」、事故防止の2つの観点、「公衆の福利」、「製造物責任法」、「公益通報者保護法」など「工学的倫理」の基本的な要素を学習した。また、NASAのチャレンジャー事故、ミートホープの偽装事件など多くの事故事例も学習した。)
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