講義録1-2 学生コメント集

 学生が書いた感想などと高木の返信をまとめたものです。

 学生の書いた本文はそのまま、とします。高木が補足する場合は()を付けます。○は学生のコメント、★:は高木のコメントです。△は補足です。考察をつける場合もあります。

○定義について考えていたら、定義の定義とは何なのか疑問に思った。定義とはそれを1つにまとめあげることだと思うが、そのまとめあげというのは誰が行うのか不明なような気がする。つまり、人の数だけ定義があるといえる。つまり、定義は科学ではなく、技術や倫理の分類に入るのではないだろうか。

★なるほど、感心しました。定義は人の数だけある、のは誤りです。来週やりますが、定義と似た言葉を比較すると鮮明になるでしょう。例えば、「定理」、「法則」、「規則」です。また、定義を数学で考えてみてください。人の数だけ数学の定義があれば、数学は成り立たなくなってしまいます。不明確なことが判明していくことが、学問の面白さだと思います。不明確な部分を洗いだせるのは1つの才能です。素晴らしいです。

○今回、最初に原子力災害をテーマにした課題を行った際に、先生はリスクより利益が大きければ、その技術は利用されると言った。この判断は、いったい誰が決めるのだろうと、疑問に感じた。世の中では自動車は当然のように利用されているが、私は自動車に乗るのが怖いので、ペーパードライバーである。しかし、私一人が怖いと感じても、世の中は自動車を利用する。これははたして誰が決めるのかと感じた。

★疑問を持てること、素晴らしいことですよ。誰が決めるのか?というのは当の授業のテーマの1つですから、これからじっくり述べていきます。ただ、詳しく知りたい場合は吉岡斉著『原子力の社会学』をどうぞ。自動車は実際に乗っていなくても、スーパーやコンビニで買い物をしていませんか? それは自動車で輸送されていますね。間接的に利用しているのです。間接利用についても今後述べていきます。お楽しみに。

○問5に関しては社会上の複合定理とありましたが、個人の中にある自分なりの倫理というものは無いのか疑問に思いました。

★なるほど、そちらに関心が向くのですね。○○くんの心の動きが健常だと感じました。お答えします。ありますよ、それは「内的規範」と呼ばれます。カントは、この「内的規範」が普遍的規範に沿うようにせよ、といういい方をします。今後の授業でやっていきますが、カントの「定言命法」を調べてみてください。

○一部分からない漢字があった。

★指摘ありがとう。黄色の字ではちょこちょこと細かく書いてしまいました。次回からは大きく書きます。

 以上です。
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