講義録13-3 コメント集

 コメント集です。

 13-3で福島原発事故事故関係の講義録は終了です。

 今回も沢山持って帰ってきましたが、少なめにします。似た内容は重複しなようにします。13-2にも素晴らしいコメントがあります。
 読みやすいように誤字の訂正、ひらがなの漢字への変換などしております。本文の改編は行いません。

多くみられたコメント:未来を見た言葉 自分を反省する言葉 知ることの楽しさの言葉 1人1人が自分で考えた言葉


・今まで色々講義で学んできたが、東日本の地震とかには全く興味なかった。しかし講義を受けていくうちに、色々興味を持てるようになった。原発に関しても自分が生きていく上で、自分には全く関係ないと思っていた。しかし、自分の見えない所で安全が崩れていたり、政治が入って、政治の人のためにお金が動いていることをしれた。この講義はとても自分のためになる講義だった。残りの講義もしっかり聞きたいと思う。
 質問:売られている静岡産のお茶は買って飲んでも体に害はないのか?
私のコメント:あります。被曝します。ただし、肉体は少しなら回復できます。回復<被曝、になるとガン、白血病の「確率」が上がります。「確率」が上がるだけで、「なる」とは言えません。言えるのは「被曝する」だけです。放射線はややこしいですね。またあれば質問どうぞ。

・前から言っていたが「事実、論拠、結論」とシンプルにまとめるのはいいが、それぞれ1つずつ計3つだけでまとめると、話が極端になり過ぎる。先生のは今回「必ず」と入っていたが、誰が見ても「必ず」という訳ではないと理解できるだろう。今回問7でそこそこ具体的に書くつもりだが(もっと切り詰められるはずだが時間がなかった。矛盾しているところや言葉が可笑しい所などもあるだろう)。こんな感じで、実際はもっと細かくなるだろうが、このくらいはやらないと極端な話すぎてしまう。この3段論法はどのような場面で使うのが良く知らないが、とにかく計3つだけでまとめるのは気に入らない。ディスカッションとかみたいに「やり方」としてあるだけだろうが。
私のコメント:とても鋭い指摘ですね。(極端な話過ぎてしまう、に下線を引いて)健全な感覚だと思います。不十分でしたが講義でも述べてきましたが、これは論文全体の骨(中心)部分です。例えば「必ず」という所に、さらに三段論法や事実を幾つも引用してきて肉付けをしなければ論文にはなりません。今、気が付いた、ということは三段論法を理解してきたのでしょう。次の段階に進んで下さい。又極端にしないために論文には反対意見ものせます。
 参考のため問7を乗せて起きます。
事実:矛盾している時、どちらか分からない
下位事実:原発は不安にさせる 下位論拠:不安だと不幸である
下位事実:原発は電力安定により国民を安心させる 下位論拠:安心だと幸せである
事実:上記の2つはどのくらいか決まっていない(未知数) (←論拠かも:私のコメント)
結論:原発は国民を幸せにする面と不幸にする面がある

事実:公衆の福利は幸せ点(プラス)と不幸点(マイナス)の総和である
事実:それぞれの点は未知である (←論拠かも:私のコメント)
結論:だから原発は公衆の福利に適うか否か分からない

おまけ だれもそれぞれの点を知らない。
    よって、だれも「適う」と「適わない」とも言えない。
私のコメント:大変素晴らしい論証でした。科学哲学の相対主義の考え方に近いです。

・原発の授業はすべての講義で一番面白かったと思います。原発推進の経緯や電力会社のことについて学べたので、トリウム原発、オ―ランチオキトリウム、メタンハイドレートなど代替エネルギーについて勉強し、立論できるようになりたいと思います。
私のコメント:(一番面白かったことについて)ほぉーそうですか。無理してやって良かったです。(トリウム原発:核廃棄物の少ない原発、オ―ランチオキトリウム:石油を作る藻(も)、メタンハイドレート(講義で紹介)について)素晴らしいです。良く知っていました。未来を見定めたコメントでした。期待しています。

・問5:ニュースや新聞を殆ど見ない僕でも分かりやすくい教えてくれる先生の解説が良かった。この講義を受けることで、今の日本の現状が僕に初めて見えてきた。今学期の講義で一番内容が面白かった
 問8:この講義を受けてからニュースを見るようになりました。今の日本をもっと知りたいし、又機会があれば先生の普通のシラバス通りの講義も受けてみたい。
私のコメント:問5:すごく勇気、やる気をもらいました。有り難う。(そういえば「内容が難しすぎる」というコメントは昨年より少なかった気がします。事前に調べてきてもらったのが合ったのかもしれません)
       問7:(問5から矢印を引いて)「ニュースや新聞を殆ど見ない」→「ニュースを見るようになりました」に嬉しいです。(シラバス通りについて)雑談ばかり、雑談が増えるだけですよ。希望があるコメント有り難う御座います。

・原発の講義を通じて、原発についての長所・短所、両面から見ることの大切さが分かった。そのお陰で、両方の事実を知ることが出来たが、今度は自分の中でも推進と反対、どちらが自分の意見なのか分からなくなってきた。そのせいか、問7ではどちらの立場に立つが迷ってしまった。

 参考として問7 
事実:今回の事故は電源の喪失で、冷却装置が作動しなかったことが原因である。
論拠:私は今回のような事故が他の原発でも起こる可能性があると考える。
結論:だから、国民が安心して生活が出来ないため、「公衆の利益(福利)」に適わない。

私のコメント:現実は実は全てそう(両方から見ると良く分らなくなる)ですよね。その中で決断していきます。その基準が私心か公共心かですよね。

・今、原発事故を振り返ると、本当に色々なことがあったなぁと思う。しかし、それよりも前に色々なことがあって、原発の導入や事故があった事が判り、今、事故を起こした人だけでなく、様々な人に責任があることが分かった。もちろん自分たちにも責任があると思った。
私のコメント:嬉しい一言、有り難う。希望です。希望がある一言です。

・ハエや蚊が大量発生して駆除しているのをTVで診て、浜岡も福島原発みたいになったら、回りは害虫だらけの生活になると思うとぞっとした。節電を頑張りたい。
私のコメント:◎ 私も夏の数日は特に頑張ります。

・(問4の下に) 生物は全て自己中心的な生き物だ。人間の心から見た印象ということは、当然自分にとっての損得感情(勘定?)から出るものである。しかし、人間が他人に自分の心の内を見せるという行為自体今後の自分にとって悪くならないように他人の目を気にして見せている。読んだ人が納得するような、自分の意見を否定されないようなものに心なんかない。本当に心を書いたというならば、その人は解決しようと行動するはずだ。しかし、行動した人が何人いる。私の周りにはボランティアに行きましたという人は誰もいない。ただ評価をしているだけだ。
私のコメント:とても真剣な気持ちを感じました。読めて嬉しいです。1つは年齢もあるかもしれません。私の周りにはボランティアに行った人が何人もいます。また私も「~他人の目を気にしている」までの文、大変共感します。その気持ちを匿名(とくめい)で詩や散文に書いてきました、ブログに。今も書いています。これは年齢ではないのでしょうかね? 1度話してみたいです。

・この講義を聞いて、原発関連の資料を見て、原発反対よりに、意見を持ってしまった。浜岡原発が近くになるので、これからは、原発の行く先をしっかりと見て、自分の意見を持ちたい。
私のコメント:賛成反対の両方を考えた上でなら、どちらでもOKですよ。自分の意見を持ちたい、に希望が見えました。有り難う御座います。

・自分は他人事だと思うと興味が無くなりやすいというが、問1、2、3で分かりました。あまり印象に残っていないのです。これは直した方が良さそうだ。
私のコメント:自分に気がつくことは学問です。その学問の良さを伝えられて嬉しいです。有り難う。

・原発以外のことをやってほしい
私のコメント:ブログを見てくれましたか? 講義中にも説明しましたが掲載してあります。ただ、感想を寄せてくれること、有り難う御座います。

・それぞれの問いに対してみんな意見が違うと思うのでグループワークをして皆の考えを聞いてみたいと思った。
私のコメント:グループワークの良さが伝わって良かったです。時間があれば是非、やりたいですね。奥が深いですよ~人間は。

・問4:原発にまつわる色々な話を聞けて、福島原発事故以後の政府の活動や東電の活動の意味が良く分った。それまで原発は大量のエネルギーを生み出してくれる現代社会の重要な砦(とりで)だと思っていたが、実はハリボテの城だった。
私のコメント:「砦が実はハリボテの城」とは上手いこと言いますね~。学問の良さは目の前のことを遠くから眺められることです。砦も裏から見ると絵が描いてあるというのが分かるようにです。

・僕はもっと原発についてやりたかったです。
私のコメント:有り難う。色々と教えてくれて本当に有り難う御座いました(USTで東京電力の記者会見のこと、これまでの会見が見れることを教えてくれました。他にも色々と)

・この授業を通して、原発の事実を多く知ることが出来たのでとても良かった。この授業を受けていなかったら、おそらく「根拠のない原発反対派」になっていたと思う。
私のコメント:嬉しいです。やって良かったと思いました。「根拠のない」というのは、仕事、結婚、老後、葬式についても付くかもしれませんね。今後も学問の力を人生の中で活かせてもらえれば幸いです。

・今まで原発の知識を自ら調べることをせず、あまり知らなかったので、この講義はとても有意義になものとなった。ありがとう、先生!
私のコメント:嬉しい言葉です。こちらこそ真剣に向かい合ってくれ、調べてくれ、学んでくれ、有意義なものにしてくれてありがとう! (実名)くん!

・問5:原発について自分や他人の意見などを黒板に書き考察したのはとても実になる内容だった。
私のコメント:色々な角度から見る良さ、が伝わって良かったです。学問の良さであり、そこに気が付ける(実名)くんの良さですね。

・原発事故が起こる所から、講義の内容を1から振り返ることが出来て良かったです。この講義の初回の方で公衆の福利について、以前はあまり分かりませんでしたが、今回の講義に来たら理解することが出来、三段論法で組み立てることが出来ました。
私のコメント:(問7は論理的にGood!!でした) 具体的にやって良かったです。(実名)くんは具体的に考える方が理解できるのかもしれませんね。

 問7です
事実:今回事故が起こり、近隣の国民を始めとする沢山の人々に被害を与え、色々な物を失わせてしまった。
論拠:私は、大事な物を失わせしまうと、どんなに安全と言っても恐怖は取り除けない、と考える。
結論:だから、常に恐怖と隣り合わせなのは幸せではないので「公衆の福利」に適わない。

・問4:一言でいうと怖い。放射線だとか、そういう物ももちろんだが、事故が起こるまで自分が持っていた原発に対する知識が「足りなかった」というよりも逆に「そう教え込まされていた」と言えるような内容だったことに気が付いて、ゾッとした。
私のコメント:うん健全です。大切にして下さい。「そう思い込まされていた」というのは、結婚式場で結婚式をすること、結婚指輪、葬式に葬儀屋さんを呼ぶことなど身近な例でも数々あります(憲法、自衛隊、領土問題も)。健全な感覚を大切にして人生を過ごして下さい。

・問2:4ヵ月経っているのにまだ体育館で過ごしている人がいることが信じられない。自分が被害者だったら速く遠い土地で暮らしたい。すごい大金が募金等で集まっていると思うのに、なぜ苦しい思いをしている人達がこんなにもいるのかと疑問に思う。原発のニュースが多すぎるし、東電をすっごい責めているけれど、それは可笑しいと思った。
 問8:原発についてこんなに考えるとは思わなかった。
私のコメント:問2について:一言一言にうなづきました。とても健全な判断です。
      問8について:良かったですか? 楽しかったですか? 心は軽くなりましたか? 見えてくると考える=自分を伸ばすことです。自分を大切にして行って下さい。健全な判断、素晴らしいです。

・1970年代の原発導入に関する数々の裏工作と思惑(おもわく)があった事実。中学校の義務教育に入れるべき。
私のコメント:その通りですね。原発が大切ならきちっと教えるべきですね。

・原発以外の講義をやって欲しいという人がいたと聞いたが実は私も似たようなことを思っていた。講義が良くないという意味ではなく、あまりにも原発だけに偏っていてそれでいいのかと疑問に思ったからだ。なんというか、教科書のように色々な事例を取り扱って、科学技術者の倫理を考えていきたかったと思った。原発は原発で沢山の問題を知ることが出来たが、私の心の中で原発推進(というよりも反停止)という感情は不動であり、世論は世論で割とこり固まっているのいるので、発展的な答えの見つかるテーマではないと感じた。また、うっすらと先生から反原発派な意見を感じるので、講義を聞いても、私とは分り合えないんだろうと思った。
 問1~問4まで全ての答えに、なぜ~というフレーズをいれたが(問1、問3:なぜこんなに騒いでいるのか不思議だった 問2:東海地震はまだこないのか 問4:なぜ、被曝するのが怖いのか分からない)私は本当に、皆がどうして被曝を恐れるのか分からない。被曝して数年後にガンで死ぬとしても、それも寿命ではないだろうか。
 先生も死が怖いですか。私はこの震災で死は誰にも平等に確実に訪れることを認識でき、この上ない幸せを感じました。年間3万人超の人が自ら死を選んでいます。自然災害で2万人が死んで騒ぐことはあっても自殺者の話(震災関連以外の)は全く触れられません。自然災害の死者数よりも、もっと多くの人が自ら死を選んでいるなんて私はゾッとします。
私のコメント:(プリントはB4表裏2枚ギリギリまで書いてくれたので、プリントとブログの返事と分かれます。当人に「ブログでお返事ます」と伝えました)

 プリントでの返事:(うっすらと先生から反原発派な意見を感じるので、について)正確には、「脱原発派」あるいは「総論賛成、各論反対」だと思います。(「反原発」と「脱原発」の違いなど)詳しくは参考図書の『原発と日本の未来』を読んでみて下さい。それとスペースがないのでブログでの返事となりますが、(実名)さんは大いに矛盾しています。「原発に関心がない(問4)」と述べ、「原発推進(というより反停止)という感情は不動(問8)」と述べています。それは、この矛盾は実に(実名)さんの心の現れ、と思います。それが聞けて良かったです。さらなる内容についてはブログで。

 ブログでの返事:幾つもお答えるする所があるのでA)~と分けてお答えします。

A)「他の事例もしたい、について」
 この結論は「発展的なテーマではない」と感じられたからだと読み取りました。その理由が「私の心の中の感情の不動」と「世論の不動(こり固まっている)」として挙げられています。3段論法で言うと論拠ですね。講義全体の大きなテーマとして「公平さ」を挙げていますが、それは「自分の感情」は偏りがちなので、両側から見て判断するために大切、という意味です。そうするとこの点は私の説明不足があったのか、と思いました。私の説明が十分であれば、原発以外の、自動車、食品添加物でも「両側から見て判断するために大切」が伝えられ、「発展的なテーマ」になったと思うのです。つまり、「発展的なテーマではない」と感じられたのは、原発事故という事例を選んだことに原因があるのではなく、私が発展的に捉える考え方=「公平さ」を十分に伝えられなかった、と感じました。この点はよくよく検討したいと思います。

B)「「原発に関心がない(問4)」と「原発推進(というより反停止)という感情は不動(問8)」の矛盾について」
 私が第一印象で感じたのは、勢いです。心の声が書かれている勢いを感じました。それは教員としては大変嬉しい事です。何故なら自分の心を出していく時に人間は大いに成長するからです。とにかくその問題について関心が高まると相反する要素が出てきます。分かりやすいのは恋愛ですが、「あの人と一緒に居たい」と同時に「一緒にいて嫌われたらどうしよう」という矛盾した要素が出てきます。その時勢いが出てきます。これは家族や友人でもそうですし、もっと広い社会性を獲得する時にもみられる(と私は考えています。そうでない人もいます)。今回の矛盾は、(実名)さんの心の下にあったものが出てきた結果ではないか、と感じました。私は肯定的に考えています。また、「関心がない」と「感情が不動」という意味内容が一致する場合も考えられます。その場合は、問2の「もう皆地震のこと忘れているような気がする」や「反原発うるさい、節電うるさい」という言葉と矛盾します。無関心であれば「忘れている人が気にならない」ですし、「反原発うるさい」という感情が浮かばないです。いずれかの、あるいは両方の矛盾をスキッと整理した時、何かが得られると思います。学問は比較的簡単ですが、家族や友人、恋人の場合は中々難しいものです。日本では「守・破・離」と言います。「守」は言われたことを守ること、「破」は言われたことを論破しようとすること、この段階で数々の矛盾が出てきます、「離」は言われたことから離れること、です。この段階になると感情はあまり起こらなくなります。

C)「講義を聞いても、私とは分り合えないんだろうと思った」
 学問では分かり合うことは求められていません。感情では家族など大切な人と分かり合いたいと思います。次の時間に孔子の「立派な人は和して同せず、普通の人は同じて和せず」をお話します(書いている時は終わった時ですが)。意味は「立派な人は人と違うけれど他人と仲良くします。普通の人は他人と同じようになろうとしますが仲良くできません」という意味です。これは人間について述べた言葉ですが、学問では分かり合うは求められていません。「違うこと=価値がある」という側面さえあります。その際に大切なのは「違うことを認めること」です。ここまで書いてきて上げ足をとっている、つまり、既に理解しているのかもしれない、と思いましたが書き記します。

D)「被曝して数年後にガンで死ぬとしても、それも寿命ではないだろうか。」
 東日本大震災の後、ローマ法王に幼い女子が「どうして神様はこんなことを起こすのですか?」と聞いていて「分かりません」とお答えしていました。「人間には分からないことがある。出来ないことがある」ことを受け入れる姿勢は、何千年も昔から伝えられてきた智慧です。キリスト教に限らずイスラム教でも同じ考え方がありますし、日本でも阿弥陀信仰にあります。「なむあみだぶつ」という真の意味は「「人間には分からないことがある。出来ないことがある」ことを受け入れる」ということです。賢察(けんさつ)に驚きました。

E)「先生も死が怖いですか。」
 私は非常に怖かったです。今年度はお話したか記憶が定かではありませんが、私の原点は米ソの核戦争です。当時新宿から数駅に住んでいた5歳の私は、「どんなに自分が親孝行しても社会のルールを守っても、知らない人に一瞬で殺されるかもしれない。逆に、どんなに自分が悪いことをしても、例えば近くの駄菓子屋でかっぱらい(窃盗)をしても殺されないかもしれない」と思ったものでした。自分がどんなことをしようが、どんな人間になろうが私の存在を全て取り上げられる、という事に憤りを感じましたし、また恐怖しました。この時の想いは大分弱くなりましたが(「ターミナルケアにおける死」という講義で文集を作った時に文章にしています)、今でも死は怖いです。ただ、「自分のことだけを考えるとさらに怖くなる」という風に思うようになりましたし、実感もしています。その意味では、前よりは怖さが気にならなくなりました。ちょっと遠くから見ると、福島原発事故を取り挙げたいと思ったのは、この幼い時の恐怖体験があったからかもしれなくなります。まあ、このくらいの私の感情は社会の手続きを踏めば、許容されるのを知ったのは最近の成果だと感じています。

F) 「自然災害の死者数よりも、もっと多くの人が自ら死を選んでいるなんて私はゾッとします。」
 まず、「ゾッとする」感覚を持っている、その健全さは素晴らしいと感じました。学問の出発点は「自分の心の声」というのをやりましたが、「気持良い」、「変だな」、「悲しい」よりも強い感情だと思います。学問に限りませんが、(実名)さんの中でこのゾッとする感覚が何かの形で花開いてくれたら嬉しい、と思っています。また、これは(実名)さんだけではなく、このコメント集に見られたように、多くの学生の皆さんが「何かを感じたこと」が何かの形で花開いてくれたら、と思っています。社会の中でNPOやNGO、町内会や数々の社会性を持った団体を立ちあげたりサポートする方々と触れる機会があると、この「自分の心の声」を聞いておられる方々が実に多いのです。
 もう1つ述べたいのは、社会からの捉え方の違いです。
 「自殺」は「自己選択によって自ら死を選ぶこと(と社会の中で受け止められている。ノイローゼなどによる自殺は労災認定されるように不完全ながらなっています。)」
 「他殺」は「自己選択に関係なく死を与えられること」です。自然災害の場合はこの「他殺」に当たると考えらます。
 ですから、この「自殺」と「他殺」の区別を考えてもらいたいです。本日は7月20日で台風が来ていて、大学は前日休講、土曜日振替講義ですが、この理由は「自然災害」による「損害」や「他殺」を防止するためです。他人による「他殺」は警察の捜査対象になります。しかし、「自殺」の場合は警察の捜査対象になりません。自分でゴミ箱に捨てて無くなった物は捜査の対象になりませんが、他人に取られて無くなった場合は捜査の対象になります。ここに区別をしよう、というのが長い間書けて人類が積み重ねてきた智慧です。もちろん、これに従う必要はありません。参考にしてもらえれば嬉しいです。

・日本の原発は安全だと、何故根拠もないのに思っていたんだろうと、少し恥ずかしくなった。事故当時と違い、現実感を実感し、野菜を買う時に思わず原産地を見ていまう癖がついた。これから先の対応が気になった。これから先の対応が気になった。
私のコメント:(少し恥ずかしくなった、について)自省できること、素晴らしいですよ。正直で素晴らしいです。次は、今年度出来なかった、食品の原材料も見てみましょうか。『食品の裏側』という本、おススメです。
 
・この授業をとっていなかったら、原発についてこんなに深く考えることがなかったと思います。一方的な意見だけではなく、少数派の意見も情報も少なくても見つけ出し、多方面から考えると新たな発見が出来て楽しかった。
私のコメント:「少数派の意見も情報も少なくても見つけ出し」が心に残ります。具体的には来週、NEWSWEEKを持っていて説明します。学問の楽しさを感じてもらえて何よりです。やってよかったです。

 長くなりました。
 大変貴重なコメントがありました。講義をやって良かったな、と思います。
 部分部分では取りあげますが、福島原発事故そのものについては以上となります。

 終わりに、改めて、被災者の方々に心から哀悼の気持ちを捧げます。
 この講義が無事終了出来たことに多くの方々(学生の皆さんも含めて)のご協力がありました。誠に有り難う御座いました。

 最後に、お読み下さいまして有り難う御座いました。
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