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哲学13-2 学生コメント集

 学生が書いた感想などと高木の返信をまとめたものです。

 学生の書いた本文はそのまま(漢字への変換あり)、とします。高木が補足する場合は()を付けます。○は学生のコメント、★:は高木のコメントです。△は補足です。考察をつける場合もあります。

△「問2 なぜ物質ではない心が物質である肉体を動かすのか?」を考えられて良かった、との大勢の意見がありました。

○中学の時、理科の先生に質問したことを思い出しました。人間は細胞の塊、脳も心臓も細胞の塊、細胞は炭素でできているので、炭素が考えたり動いたりしているのですか?」 先生は確かにそうなりますね、と答えてそれ以上のことは言いませんでした。今考えるとあの先生は、本当の科学者だったのだなと感じました。

★素晴らしい先生がいらっしゃることを知れて幸せです。真の科学者の謙虚な態度ですね。その理解を、この講義が手助けできたとしたら、何よりです。講義をやって善かったです。有り難う御座います。

○数値として縮尺を具体的に示すことが当たり前ではない時があったことに驚いた。色を数値で表す際のカラーコード(#000000~#FFFFFF)もプラトン主義の表し方の1つなのでしょうか。

★数値で表すのが当たり前の理系、そしてそれに基づく現在日本。その根底にあるプラトン主義に気が付くのは難しいですよね。そういう当たり前の奥底に人類の英知があるのを伝えられて良かったです。カラーコードも同様です。そもそもデジタル=電気記号のオンオフ=0と1の点からプラトン主義です。良い質問ですね。

○もうすぐ1月なので、バイトばかりしていないで、しっかり親戚の顔や初詣に行くために実家に帰りたいと思いました。

★嬉しいですね。自分を生み出しものへの感謝を大切にして下さい。それが伝えられて幸せです。有り難う。

○多重人格者は哲学ではどんな位置にあたるのか知りたい。

★着眼点の素晴らしい質問です。なるほど、そういう応用もあるのですね。哲学史上では、シュリングの「悪の問題」がそれに近い解答を与えてくれるのではないでしょうか。「善なる神が創った世界になぜ悪があるのか」=「善なる神が持つ理性を理解できる人間にどうして多重の人格という悪の状態があるのか」です。次回、シュリングを簡単にやりますので、考えてみて下さいな。

○どこからが人の死なんでしょうか?

★難しい、そして深い疑問ですね。生物学や医療では肉体の死が脳死などに広がっています。では、哲学ではどう考えるのか。古代ギリシャの哲学では、幾つか解答はありますが、「人は死につつある」=「現在も死んでいっている」という考え方でしょうか。西欧哲学では、神に愛されていなくなった時、と言えるでしょう。では「愛」とは何か。私達日本人の考える「愛」とは全く違うので、説明するには大分時間が必要です。興味があれば、本を読む、私などに質問する、をお奨めします。講義後に是非とも来てください。

○(問2 なぜ物質ではない心が物質である肉体を動かすのか?) 先生は問2に対しての結論は何とお考えでしょうか。

★質問有り難う御座います。私は「量子論の観測問題」を元にして、肉体と心の接点での観測では、肉体と心に二分化できない、という立場です。他方、肉体と心の接点以外ではそれぞれの性質を取り出せる、という立場です。他には、肉体と心の関係については、私の短いエッセイをどうぞ。

「高木の哲学的立場Ⅱ 絶対的自己」
http://takagikenziro.blog.fc2.com/blog-entry-466.html
 

○先生が授業の最後に頭を下げるという話に感動、というか「ああ~」と思った。物に対して感謝する。その感謝の気持ちを礼で示す。これは自分でも取り入れたいお思った。そして、物に対してもっと感謝したいなと思った。先生の行動が素晴らしい。いかにも日本人くさいと思った。

★有り難う御座います。私が講義終了後、誰もいない教室の黒板に向かって「有り難う御座いました」という話しですね。この話に感動した、というのなら、○○くんも日本人の心をもっている、ということです。ご自身の持っている物に気が付きそれを伸ばす、お手伝いが出来て嬉しいです。私も先人たちを見習ってきました。一緒に研鑽を積んでいきましょう。

○私もサッカーの時にグランドに挨拶していたが、なぜ、挨拶をしているのだろうと思っていた。その理解が出来てよかった(他に10名前後)。

★何より嬉しいです。日常生活の疑問が思想(哲学)まで昇華できたのですね。多分、次回の近代哲学者が色々いるので、また、身近な問題で考えてみて下さい。

○人や魂や心みたいなものは考えても心がでないので、自分の中で勝手に解釈をしているため。あっているか分からない。別の人の意見も聞いてみたい。

★聞いてみたい、と意欲が出てきて嬉しいです。是非とも別の人の意見も聞いてみて下さい。直接、口頭で聞くのも出来ますが、本などでも聞くことが出来ますよ。例えば、遠藤周作著『沈黙』、『海と毒薬』をお奨めします。他にも素晴らしいコメントを拝見出来て嬉しいです。有り難う。

○りんごとみかんの話なのですが、普通は3個だと習います。アリストテレス的な考えだと強制しても治(直)されます。思想の自由を認めている日本で、他人の考えを強要させることについてはどう考えますか?

★なるほど、具体的で的確な疑問ですね。私は思想というのは、その人の全人格的要素から生み出されると考えます。子供は未熟ですから、まず、思想を強要し、知識を強制していくことで個性が現れ、それを深めて全人格的要素が出て来ると思います。少なくとも18歳までは教育は強制をしなければならない、と考えます。もちろん、それが人類の英知です。例えば、孔子、ブッダ、イエスなどは、「愚かな人には天国や地獄を説く」という対機説法をしました。愚かな人は理性的な説明では動かないので、罰や利益しか考えられないからです。そして、それを理解してきて訓練を強制して、初めて理性的に扱うのです。如何でしょうか。また、何か思いましたら、教えて下さい。

○哲学では人が死んでも心は消えるわけでないので、また生まれ変わったりするという。では哲学者と言われている人は、死というものが恐かったり、悲しいという気持ちはないのですか。

★根本を問うていますね。哲学者も人です。ですから、死は恐いし悲しいです。むしろ、普通の人が「死を忘れて生活できている」=「死に慣れている」=「死の恐さを忘れている」のに、哲学者は忘れられないでいる、人です。だから、「死ぬのだから、どんな風に生きたらいいのか?」を考え続ける人=哲学者と言われています。哲学とは死ぬ訓練である、という名言も残っています。○○くんは、多くの人のように、死の怖さを忘れて、目の前のお金や就職や恋愛などだけ考えて生きていけますか?

○心について考え方が多く存在しているが、このようなことを考える人は哲学者だけなのか気になった。

★うんうん。心について考える人が多くいます。その人々を後から、哲学者と分類し、宗教家に分類し、あるいは、技術が優れていれば技術者と言うのです。多くの人が考え、それを後から分類してレッテルを張るだけに過ぎません。逆に、哲学者でも死を考えないで、自分が有名になりたいから哲学を主張しているだけ、というノモス的人間もいます。学歴や仕事、積み上げてきた過去でその人を見ずに、その人の言葉と行動でどういう人が観てみて下さい。○○くんが小学校や中学校、あるいはこの大学で、立派な人もいれば、詰まらないノモスしか考えていない人もいたでしょう。立派な人は全て、先生でしたか? レッテルではなく本質で見て下さいね。

○恋人(大切な人)にもらったものを大切にするのはなぜなのでしょう。

★過去の記憶を大切にしたいから、現在の交流に意欲が出るから、自慢したいから、など幾つも原因が考えられます。当人によって違うでしょうね。私は大学時代の恩師にいただいた本を今でも大切にしています。それを考えるだけで、感謝とやる気が出てきます。どうでしょうか、参考になったでしょうか。

○問2、問3で何を質問しているかがいまいちよく分からなかったです(似たような答えが1名)。

★そうでしたか、次回あれば手を挙げて説明してほしいと申し出て下さいね。また、問題そのものが深いので、是非とも勉強をしていって深めてみて下さい。理系ならば、文系でも、根本に哲学があるのですから。当のブログで今回の内容を復習しておいて下さい。

○なぜか、死ぬことに恐怖がうすくなってきたのではと・・・この授業を受けて感じ始めた。

★ほぉ?! そうでしたか。死ぬことをまず整理してみたからでしょうね。余分な恐怖がくっつかなくなったからでしょうか。けれども、それだけに死の恐怖が誤魔化されなくなり、直接ぶつかってくる時期が来るかもしれませんね。

○心というものがあるのから体を動かせるというのには疑問である。そもそも人に心があるかというのも自分は理解がいまいち出来なかった。

★心身一元論、と呼ばれる立場なのでしょうか。○○くんの考えをもっと聞いてみたいですね。私の考えは、先程書きましたが、もう一度繰り返しますね。参考になれば幸いです。

私は「量子論の観測問題」を元にして、肉体と心の接点での観測では、肉体と心に二分化できない、という立場です。他方、肉体と心の接点以外ではそれぞれの性質を取り出せる、という立場です。他には、肉体と心の関係については、私の短いエッセイをどうぞ。

「高木の哲学的立場Ⅱ 絶対的自己」
http://takagikenziro.blog.fc2.com/blog-entry-466.html
 
○私事で恐縮ですが、年明け3日よろい手術のために10日程入院します。今まで大変有り難う御座いました。御礼申し上げます。

★こちらこそ毎回真摯な態度が心に残っております。無事に手術が終わられることを願っております。正月のお願いごとの中に入れさせて頂きます。またお逢いできることを願っております。

○睦月の意味と師走の意味はわかったので、その他の月の語源を教えて下さい。

★(笑)そうですね、ネットで「語源由来辞典」がありますので、紹介します。
「如月(きさらぎ:2月)」
http://gogen-allguide.com/ki/kisaragi.html

但し、所々私の解釈と違う点がありますが、まずは知ることからどうぞ。

○先生は心は数値化できないと言っていましたが、私はいずれできるようになるのではないかと思っています。

★嬉しいです。私は、コンピュータ科学を教える際に、ゲーデルの完全性定理と不完全性定理から、そう考えました。ただ、これも頭の中だけですので、是非とも「そうする」ように努力してみて下さい。誰かがしてくれる、のではなく、自分がする、という気持ちをもって欲しいです。もちろん、頭の中でだけ「心は数値化できる」と主張する人々もいますので、そちらを読んでみて下さいね。

○分からないものを全て神のしたことと思うような人間にはなりたくないなと思った。

★なるほど。では、なぜ、神のしたことと思うような人間、がいるのでしょうか? そういう人が何故多いのでしょうか? そういう人間の本質に迫る問に置きかえて考えていって下さい。他人を否定するだけでは、大学に来て高い授業料を払う見返りにならないですから。

○自分は汎神論にあてはまっていたので、今度、汎神論について調べようと思った。

★自らを知る、お手伝いが出来て嬉しいです。調べて見て上手くいかなかった時に聞いてください。オススメしたくてウズウズしている本がありますから。

○なぜ、初詣に日本人がいくのか分った。外国ではどのようなことをするのか気になった。

★嬉しいです。外国、も国や地域、民族によって多種多様です。是非とも調べて見て下さい。

○”神が”というキリスト教信徒の考えがやはり理解できない。問1のようなプラトン主義がないと存在しないもの、とか他にもそういう系のやつ知りたいです。

★そうですね、「理解」できませんね。中村勝範著『欧米から見た日本』でもあるように、「理解」できないそうです。ですが、「知る」ことは出来ます。そういう考えて見て下さい。同じ日本人でも、「理解」するのは大変困難ですから。次ですが、ありすぎて困りますが、次回の講義で取り上げますので、参考にしてみて下さい。

○先生は日本人は宗教に対して自分の都合の良いように理解していると思いませんか?

★日本人だけでなく、庶民=大勢の人間=ノモス的人間、はそういうものです。自分に都合のいい解釈しか受け入れません。印度の仏陀も、支那の孔子も、中央アジアのキリストも同じことを指摘しています。そういう都合の良い様に理解する人間には、「天国と地獄の話」をします。都合の良い様にしか考えない人間は、「天国=利益」と「地獄=罰」でしか動かせないからです。数千年間人間は地域などすべてを超えて、「都合の良いことしか考えない人間が多い」のです。面白いでしょう? 哲学を学ぶ意義の1つです。良い点に注目してくれました。

○デカルトがあるから今がある・・・?

★次回、もう1回やりますが、講義の意味は、世界を数値で切り取り、そして数式で関係を決定する、という考え方をしたデカルトがいなければ、携帯も、電気も、自動車も、大学の建物も、バスも、道路もなかった、という意味です。現代日本の生活基盤の根源にデカルトがいる、という意味です。どうでしょうか?

 以上です。
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