哲学9-2 学生コメント集

 学生が書いた感想などと高木の返信をまとめたものです。

 学生の書いた本文はそのまま(漢字への変換あり)、とします。高木が補足する場合は()を付けます。○は学生のコメント、★:は高木のコメントです。△は補足です。考察をつける場合もあります。

○(大勢)私は真実を聴いてもまた座り直す人間だなと思いました。

★正直で自己反省の意見は素晴らしいです。しかし、それが守りにならなければ、です。3分の1くらいの人が同じ意見でしたので、来週、この点について踏み込みたいと思いました。

○本質が見えないとしても、それが自分で考えた結果と同じなら縛られていることにはならないのではないでしょうか?

★疑問を持つことは学問上の健全さだと想います。プラトン著『国家』第7巻を読んでみて下さい。私は縛られていることになると考えます。

○他人からどう思われるのでは(な)く、自分がどう思うかだという点においては、この講義で話されていることとも意味がないのでは?他人がどうこう言おうと関係ないということですよね?

★正直な気持ちを書いてくれたと受け取ります。他人がどうこう言うと関係ない、というのだけで世の中が済まない、という点を理解しておいてください。法律は守らなければなりませんが、「他人がどうこう言おうと関係ない」で無視はできないのです。講義では冒頭にお話ししたように、「人類の最も多くの人々が素晴らしい」と認めてきた哲学について話をしています。なぜ、そうなったのか、と自分で考えてみて下さい。自分で結論を決めること、と、自分で考えることは異なることです。

○今ここに来て勉強している意味を今一度考えてみようと思いました。自分が置かれている世界は、全体から見ればほんの少しだけなんだなと思いました。新しい世界を見つけるためにしばりを解いて出口へと向かって歩いていきたいです。

★嬉しいです。この授業が少しでも役に立てるようにこれからも努力していきます。

○突然ですが、時間の反対語が空間という考え方が自分では解らないのですが、先生はどう考えますか。

★突然の質問有り難う。まず、反対の言葉を深めて行きましょう。対蹠(たいしょ)、非対称、対極、対比、など反対にも色々あります。ちなみに、物理学では時空間、という概念になりますから、同じ次元になりますよ、時間と、空間は。解らない時は、言葉を整理してみて下さい。

○例え話ということは、それも実際にはないイデアになるのかと思った。

★面白い着想です。イデアとは何か、考えを整理して、例え話になるかどうか、考えてみて下さい。来週また、詳しくやりますので。

○洞窟の例え話に登場したA氏のような行いをした、している人物は現代の世界でも殺されてしまうのだろうか。

★ソクラテス=A氏は殺された、のです。事実です。日本では殺されないかもしれませんが、社会から排除されるでしょうね。

○問2 地球上で考慮しなければいけないのは、空気抵抗、接地の摩擦、回転、また真空でも電磁による影響、コンプトン効果、ヒッグス場による粗(阻)害などが考えられるために、不自然なものとなる。

★ご名答。特にコンプトン効果などはよく知っていました。素晴らしいです。

○プラトンは国を救おうとして旅に出たとありますが、長期的なのか短期で国を救おうとしたのか、が疑問になりました。公平とは聞こえがいいですが、人間に完全な公平はないので理想論だと想います。

★前半ですが、講義中に述べた通りです。疑問に感じたのなら、是非とも調べて下さい。後半ですが、確かに理想論かもしれません。では、○○くんは理想をもって努力を重ねない方が善いとお考えでしょうか? 調べて考えてみて下さい。

○Aさんがみたのも壁に写った車かもしれない。真実を見るだけではどうしようもないと思った。でもどうすれば良いのかわからない。

★3分の1くらいの人が同じ意見でしたので、来週、この点について踏み込みたいと思いました。

○洞窟の例え話でA氏が見つけた外の世界は本当に真実なのか。民衆が外の世界を知らなければ模型の影が真実と言えるのではないか。真実を見つけることに意味はあるのか。A氏は精神障害で幻覚を見ている人と周囲と違う世界を観ているという点で同じではないか。

★沢山の質問いいですね。是非ともプラトン著『国家』を読んで下さい。全ての答えが載っていますよ。詳しくはまた来週の講義で行います。

○原子力発電は火力発電よりコストが高いという話しをしてもらいましたが、根拠がなかったので説明してくれないとこまる。

★はい、根拠ですね。昨年度の科学技術者の倫理の講義録「講義録14-1 評価とは 原発と地球温暖化のモデル計算」
http://takagikenziro.blog.fc2.com/blog-entry-448.html
にあります。具体的には以下です。

「有価証券報告書を用いた火力・原子力発電のコスト評価(松尾雄司氏資料)」 第35回原子力委員会定例会議 平成23年9月13日 1-27P
:http://www.aec.go.jp/jicst/NC/iinkai/teirei/siryo2011/siryo35/siryo3-1.pdf 

○偶像崇拝も影を見ているという事で良いでしょうか。

★表面上は良いです。ただし、プラトンの真意は、そういう形式を問題にしたのではなく、自分の頭で考えず、形式が出来れば即駄目である、という思考方法を問題にしているので、良くない事になります。

○なら、みんなが真の世界を見たら理想の世界になるのか疑問に思いました。自分はそっちが影になっていくと想います。

★鋭いですね。上でも書いたように問題にしているのは、形式ではなく、形式に安住する知的態度を問題にしています。

○あと、問4の文字が上手く読めませんでした。

★それは失礼しました。丁寧に書きたいと想います。次回、そういう時はその場で教えて下さい。直ぐに書き直ししますので。

○私はいくつかの大学を見てまわって、自分の意志でこの大学に入ることを決めました。でも、その自分の意志も何かの影によって動かされているのかもしれないと今日の授業で想いました。

★なるほど、素晴らしいです。本当はどうであるのか、考えてみて下さい。お奨めの本が頭に浮かびました。藤原正彦著『祖国とは国語』です。どうぞ。

○ソクラテスは本当にすごい人なんだと思いました。

★本質をズパッと見抜く、意見、嬉しいです。

○ここまで極短(端)に差があると宗教と同じ感なのかなと考えた。

★うーん、と。宗教は差がある、という考えなのですね。もっと激しい思考的差もありますよ。宗教と哲学はどこが違うのでしょう。調べて考えてみたことはありますか? もう少し何か書いてあれば、具体的に返信できると思います。

○影を見せている人が例として社長が出てきていましたが、これは社長という地位は良いという影を見せられていたからなのではないでしょうか。

★斬新な切り口、素晴らしいです。私はだましてお金を取る人々、という意味で使いました。

 以上です。

スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

    名前:高木健治郎

書いたもの(平成29年度)
哲学(平成28年度)
科学技術者の倫理(平成28年度)
書いたもの(平成28年)
科学技術者の倫理(平成27年度)
哲学(平成27年度)
書いたもの(平成27年)
哲学(平成26年度)
「科学技術者の倫理(平成26年度)
講義録「哲学」
書いたもの(平成26年)
書いたもの(平成25年)
論文(高木健治郎の)
講義録「科学技術者の倫理」(平成25年度)
高木ゼミ『銃・病原菌・鉄』
高木ゼミ全6回『ぼくらの祖国』
教養講座6回分(平成24年度)   講義録21~
講義録「科学技術者の倫理」(平成24年度)     講義録1~15
最新記事
講義録「科学技術者の倫理」(平成23年度)
石上国語教室で行われた講演のレジュメです。哲学が足りなかったのが、福島原発事故の原因の1つではないか、と考えています。

「哲学のススメ2」レジュメ

最新コメント
カテゴリ