講義録12-4 コメント集

 コメント集です。

 実は昨日6回分の福島原発事故の講義が終わりました。
 参考図書である『原発と日本の未来――原子力は温暖化対策の切り札か (岩波ブックレット) 』を2回帰りの電車の中で読み返しました。もっと伝えたかった、こうすれば良かった、という思いが湧いてきました。その中でやって良かった、と感じる点は、学生の皆さんと共に深くまで理解できた、理解する方法が取れた、という点でした。私の講義録よりも学生の皆さんのコメント集に価値があるのかもしれない、と感じました。ですので、コメント集を大幅に拡充しました。また、1から見直してみたいです。前置きは以上です。

 今回も沢山持って帰ってきましたが、少なめにします。似た内容は重複しなようにします。
 読みやすいように誤字の訂正、ひらがなの漢字への変換などしております。本文の改編は行いません。

多くみられたコメント:総括原価方式への驚き 原発は全面停止でいい 電力会社への批判(バランスを取るために翌週に電力会社側からの立論を) 問題を自分の問題として考える当事者意識 


・今回の福島の事故がきっかけで原発に対して言われている事は、実は、1年前に既に分かっていた事なのだと気が付いた。特に、資本主義社会において原発だけカネの動きが全く違うのには、これじゃあいつまでたっても根本改善される訳がないと思わされた。
私のコメント:一番大切な所に気が付いてくれました。参考図書の『原発と日本の未来』で同じ指摘があります。是非とも読んでみて下さい。

・社員以外の外部協力者の被曝していることを初めて知って驚いた。
私のコメント:初めて知ることは驚きですが、そこに学問の深さ(楽しさ)があります。しっかり見つめて下さい。

・原子力は決してエネルギーの安定化とエコのためだけに導入されてきた訳ではないことが分かった。これから本気で見直さないと日本の未来が心配だ。
私のコメント:当事者意識が見られて嬉しいです。

・『本当は怖いだけじゃない放射線の話』は緑色の表紙でしたか? たとしたら中学生の時読みました。祖父からもらったものです。日本の政治家にがっかりだよ。
私のコメント:素晴らしいお祖父さんですね。静岡にとっては大切な問題ですから考えるきっかけになりますね。それにしても良いお祖父さんです。
(実は翌週講義日(昨日)にワザワザ緑の本を持って来てくれて見せてくれました。お祖父さんのお話も聞きまして、立派な方なのが分かりました。また本の感想も短く聞きました。「素晴らし面もあるけれど、取り扱いが難しい」と公平な意見が聞けました。大変嬉しかったです。)

・今までの授業内容や調べた事よりも、今回の内容は原発に対してとても衝撃的だった。原発で働く人の実態や、原発の建設・運用に関する事などの事実は印象的で、これらの事を多くの人たちが知ったら確実に原発が無くなるぐらいの内容だったと思う。
私のコメント:現実は全て、深く知って行くと絶望(闇)が待っています。それを学問の力で引き受けましょう。

・原子力発電は政治のために、造られて運営されているからといって、いくら赤字経営でも儲かる仕組みというのは他の企業が馬鹿らしくなってしまうと思った。
私のコメント:原発交付金(振興費、立地や最終処分費などの負担)などをなくした上で原発を行えない、のは日本でも同じです。巨大な赤字補填(ほてん)、火力、水力、一般企業と公平にしたいものです。

・昔の失敗から何も得ないで同じことを繰り返している。政府も企業も国民も本当に罪深いと感じた。まずは国民が本質に気づくべきたと思った。
私のコメント:「まず国民」という主体者意識に希望を感じました。ありがとう。

・原子量発電は日本にはなくてもいいと思ったが、核技術の保持、最悪の場合の核の抑止力としての役割のためにはやっぱり必要だと思った。
私のコメント:フェアな意見で素晴らしいですね。そしてそれが実は日本が何兆円もマイナスを掛けながら濃縮ウラン技術を保持する理由と言われています。つまり隠れた軍事予算とも。講義ではさらっと触れただけでしたが。

・今日の講義を聞いて、改めて自分はまだ原子力について知らない事が多いのだということが分かった。利益と政治がからむと人は自分の今のことしか考えられなくて、先の事を考える事が出来なくなるのだろうが、それではいつか取り返しのつかない事になると思った。
私のコメント:素晴らしい気付きですね。そして未来を見通す目が素晴らしいと感じました。

・原発の体質は居思ったよりも酷く根が深いものだと思った。これを変えていくのはとても難しく時間が必要だと思った。
私のコメント:50年かけて出来たものです。25年で足りるかどうかでしょうか。

・この授業を聞くたびに、自分達の電気の下にあるものの実体が見えてきて、とても虚しくなります。そして今までこういったことを知ろうと思えば知ることが出来たのに、それをしてこなかった自分がとてもちっぽけで虚しく感じます。しかし、法律が強者(経済的、政治的)を守るものであったのは、なんだか悲しくなる。しかし、独占しているはず(の)、電力会社がなぜあれだけ沢山CMを流す理由が分かりました。総括原価方式はCMという費用でで(すう?)利益になるからだったのでしょう。
私のコメント:自分で考え自分の問題として(原発を)考えていること大変嬉しく読みました。現実は深く見ていくと絶望、悲しみ、虚しさが待っています。それを学問の力で引き受けましょう。

・今日の授業は今まで知ることがなかった多くの事実を知ることが出来ました。そして原発に関して、国や電力会社の体制に疑問を感じました。隠蔽(いんぺい)問題だけではなく、全てが「利益」に向いている。最後に先生が言っていたように、国や電力会社の実体は私たちも同じではないのかと思いました。
私のコメント:問題を他人事にしない、というのは「公衆の福利」の大切な第一歩です。(本名)くんは素晴らしいです。

・原発の知らない部分がまた分かり、フキンシン(不謹慎)ながら面白いと思った。
私のコメント:それは学問の知るという楽しさですね。この楽しさを広げるために本をどうぞ。良ければ私のお薦めする参考図書を。授業中回している本でも。授業でしていない部分がありますよ。

・今日の授業はスピードが速くて、原発に関する知識も沢山得ることが出来た。私たちが省エネしても事業者たちが省エネしないのでは、省エネ対策の意味がないと思った。
私のコメント:速くて良かったでしょうか? 日本国全体で取り組みたいですね。

・書く時間が飛び飛びで分かりづらく一気に書きづらいです。後でまとめて・・・とか、「今日は10個くらい書くからメモ取ってね」とかにしてもらいたいです。「問1」と出されると常に気になってしまいます。
私のコメント:参考になる意見有り難う御座います。改善します。(次の時間改善しました)

・今回、問1が難しかった。本当に今でも言えるのか、確信が持てなかった。
私のコメント:確かにその通りですね。1つ1つに焦点を当てて検討していくのも楽しいと思いました。

・今回の講義では電力会社は利益のために上手くやっているんだなと思ったのが一番の感想です。私は今日までこの事実を知りませんでした。日本の人達がこれを知っている人はどのくらいいつのか分かりませんが、事実を知ることで得るものはあると思います。原発と電力会社の関係はこれからも切れることがない関係とは思いますが、注目していきたいと思います。またこの前、(大学近くの)駅で原発(浜岡)停止の署名運動をしていましたが、他の学生の意識の低さが自分は目立ったと思います。話は取り合えず聞くべし!
私のコメント:話は取り合えず聞くべし!いいですね。その通りですよね。今回の福島原発事故の教訓の1つは、相手が政治的にマイナーでも、会社から追い出された人でも、話を聞こう、というのが足りなかったことだと思います。素晴らしい気付きです。

・原発での国が保証しているから住民や市民が大変になっているのか?と疑ってしまう。また労災認定の基準はどうなっているのか?など疑問が増えた。黒板の字が小さくて見えない。字が流れていたりして読めない(単位などが完全に読めない)行と行の間をあけて欲しい。
私のコメント:字のこと申し訳ないです。指摘有り難う。次週気をつけます(次週に指摘はなくホッとしました)。もし良ければブログを見て下さい。

・原発は色々な隠蔽やら何やらの上で(成り)立っているのが分かった。あと父親が電力系の会社だからそろそろ東電には大人しくしていて欲しい。割と真剣に。
私のコメント:「大人しく」に深さを感じました。何が私たちにできるでしょう。考えてみて下さい。私は多くの人に伝えることと思ってやっています。(本名)くんは何でしょう?

・反原発を唱える意見やデータで、ここまで論理的にまとまっているものは初めて見ました。原発の推進・反対について考えてみようと思います。
私のコメント:参考になったようで良かったです。もっとまとまっているものが参考図書の『原発と日本の未来』です。高木仁三郎先生も分かりやすいです。公平に両側から考えるきっかけになったようで嬉しいです。

・原発がなくても十分電力が賄えている訳だから、全面停止でいいのでは、ないかと思った。東電の賠償金も税金で払われるのは可笑しい話だと思った。立場の弱い人が可哀想だと思った。話は変わりますが、昨日のニュースで松本復興相の悪態がニュースになっていましたが、ついさっき辞表を出したみたいです。本当に民主党は何をやってんのか、怒りがこみ上げてきます。
私のコメント:(本名)くんの健全な判断、素晴らしいです。しかし現実はよく見ると怒ることが多い。その時に「公平さ」を大切にして下さいね。学問の力を大切に。

・1974年~1990年にかけて原発被曝の被害にあっている人がとても多い事に驚きました。日本では癌(ガン)の死亡率がTOP3に入りますが、原因はたばこだけではなく、この被曝量も関係があったのではないかと思います。中高の教科書の中には被曝量が原因なんて言葉はなかったと思います。でもここまで資料があるなら情報公開して欲しいです。
 アメリカは自由の国というイメージがありましたが、電力まで自由なんですね。私の家はまだオール電化ではないんですけど、今回の話を聞けて良かったです。昔は風呂を薪で沸かしていたんですが、特に夏は夕方に入っていましたよ。友人に沸かせた事も何度もあります←私はもう面倒くさくて・・・夜じゃなくても夏ならいいんじゃないですかね、夕方に入っても。
 (被曝に関して)他に核実験(米ソ)もあるでしょうね。 (教科書に関して)原発は大切なのに(といっているのに)教えないのは不思議ですよね。言われる通りです。(お風呂に関して)薪は実際は大変そうですねー とても美しい話を聞けました。心が優しくなりました。有り難う。

・原発関係の法律は本当にイライラするようなもので肯定的な意見が浮かんできません。
私のコメント:素直な気持ちを読みました。来週、電力会社側からの立論をしますね。そしてこの法律がどうして長い間改正されないのか、を探ってみると見えてくることがありますよ。参考図書の『原発と日本の未来』を良ければどうぞ。

・原発のことを自分が殆ど知らないんだなと思った。
私のコメント:私もそう思います。殆ど知らないことだらけです。でもまず、1歩は「知らない」です。そこから対策が考えられます。ソクラテスの「無知の知」です。私は「私自身が知らない」ということを知っている、です。まずそこからスタートしましょう。スタートは大切です。

・以前、例の動画配信(UST)で田中(優)氏の講演会を見て今回のような話を聞いて、そうなのか、と思っていましたが、改めてちゃんと知ると、あまりにも可笑しいことがまかり通っているということに憤(いきどお)りを感じました。
私のコメント:もうお気づきとは思いますが、現実は知れば知るほど、憤るものです。家族や異性、軍事、経済、政治の全てで。憤るのは第一歩です。それを学問の「公平」な力で受け止めましょう。

・計画被曝も被曝なのだから労災がおりても良いと思いました。もしかすると、労災は国からだから利益がないからだろうか。
私のコメント:鋭いですね。私の考えでは「原発は安全」だからですよ。その建前に都合の悪い現実を無くすためではないでしょうか。

・原発の費用と利益がどのような関係か。まさか利益が欲しくて、原子力の長所を大(おお)いに言う。国民をだます。社会をだます。
私のコメント:騙すほうが悪いのか。騙される方が悪いのか。今も続く問題ですね。

・自分のバイト先でたまにオール電化の説明をしている時があって、「良いなぁ」なんて思って見てたんですが、今日の授業(を)聞いて、その気持ちが無くなってしまった。よくよく思い返してみれば、メリットは言っていてもデメリットは1つも言っていなかったし。
私のコメント:民間企業ですからデメリットは敢えて言わなくても良いと思いますよ。ただ、デメリットを聞いたり、調べたりするのは大切である、と伝えたかったです。オール電化の全てが悪い訳ではないですよ。トレードオフでメリットとデメリットを比べて下さいね。

・電力会社は民間機上であるから利益を優先するので、総括原価方式を使って利益を得るのは当然である。なぜ国はこの法律を変えようとしないのかしらないが、これを変えた方が良いと僕は思う。
私のコメント:「僕は思う」が力強くて素晴らしいです。しっかりと問題点を捉えている点も素晴らしいです。なぜ?そこに新しい疑問が生まれましたね。調べるのは楽しいですよ。

・震災前まではオール電化のCMを良く見かけていたが、最近はタイミングが悪いせいもあるのか、全く見なくなってしまった。震災前までは世の中はここまで便利になったのか、と感動したが、今回の講義を受けて、実際はあまり省エネになっていないと分かって、よくもあんなに堂々とCMなど広告でアピールできたな、と違う意味で感動しました。
私のコメント:的確な皮肉で現実を良く捉えていると思いました。ただ、企業は倫理最優先ではなく利益最優先で動いている、と私は考えています。現在の原発問題でも、今後も無くならないでしょう。ですから、「公平さ」が私は大切だと思います。今は、「節電」のCMをやっているのではないかしらん? よー知らんけど・・・

・正直分からなかった。テストを頑張りたい。
私のコメント:はい。正直で嬉しいです。ブログを読み直してみて下さいね。

・総括原価方式をとっている原子力発電の体制はあまりにも可笑しいと感じた。でもこの総括原価方式はこの授業を受けるまでは全くもって知らなかった。こういうことをどんどん知っていくことで物事の可笑しさが良く分る。何も知らないとどんどん損をする。だから色々と勉強していきたい。無知が一番恐ろしい。
私のコメント:ブッダもイエスも、間接的に孔子も「無知」の恐ろしさ、そして怖さを指摘しています。人間は太古から変わらないのかもしれませんね。それでも人類が進歩してきたのは、(本名)くんの言う恐ろしさに気が付いた人が沢山いた証拠ですね。これは大きい一歩になるのではないでしょうか。

・日本原電に対して怒りが湧いてくる。この講義を全国民に受けさせたら大半が同じ感情になりそう。
私のコメント:私も初めて知った時はそうでした。ただ、感情は一方的です。両側から見て欲しいです。どうしてこの法律が出来たのか。企業はどうやって儲けてきたのか?

・将来、電力会社に就職したくなりました。必ず利益が出るなんて夢のような職業だと思います。
私のコメント:その通りですよ。お薦めします。就職したいランキングトップ10に東京電力や関西電力が入っていた(うる覚え)理由もここにありますよね。今は入り時かも。

・内容が難しいと思いました。被曝しないで作業することが出来ないなら、なぜ、原発を造ったのだろうと思いました。
私のコメント:講義で一応やりましたが、もっと深い理由もあります。参考図書『原発と日本の未来』をどうぞ。

・総括原価方式について良く分らなかった。費用が大きければってことは、無駄な設備を幾らでも作っていいってことですか?
私のコメント:無駄は駄目ですが、予備、や安全のため、の設備は作ってもいいのです。何兆円かかっても。

・誰よりも頑張って作業している人達に人権はあるのだろうか。病気になっても保険などがなかったり、何のための労災や保険なんだろうか。
私のコメント:今回の福島原発事故でも心臓麻痺(まひ)で無くなった方の奥さんが、「酷い扱いだ」と昨日(7月14日現在)裁判を起こしていました(TVで見ました)。今も継続中の問題なんですね。これを受け止めるために、感情ではなく学問の持つ「公平さ」を学んでもらいたいです。

 コメント集は以上です。普段以上に書きました。女子サッカー決勝進出おめでとう!

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