講義録3-1「6つの工学手安全 三段論法」


(文意不明、文末の言い回しミス、誤字脱字は沢山あると思います。ご了承下さいませ。)

 講義録3の続きになります。前回は眠くなったので寝ました。

 「6つある工学的安全(具体的なイメージをつかむ)」
     ↓
 「優れた技術が社会に捨てられることもある
  劣った技術が社会に定着することもある 」
     ↓
 「論理的な文章の書き方 三段論法(就職活動にも使えるように)」

 で、「優れた技術が社会に捨てられることもある」からです。

 工学的安全が定義されました。こうして技術は工学的安全という指針が倫理的に求められることになります。法律的に求められるのは、製造物責任法(PL法)ですが、後で触れることにします。

 この「倫理的に求められる、のは何故か?」、あるいは
    「技術(者)が社会からの倫理的に求められるのに答えなければならないのは何故か?」

 という流れになる。結論は、

 「優れた技術が社会に捨てられることもある」からである。

 その顕著な例として『銃・病原菌・鉄』(下)という本から引用する。以下、B4に上下2Pづつ、表裏計8Pのプリントを学生には配布し、文章を読み上げながらの解説となる。「ファイストスの円盤」は凸版で作られており、印刷技術の初歩を感じさせる。しかし、この技術はその後消滅した。中国では2500年遅れ、西欧では3100年遅れて印刷技術が生み出されていった。

 つまり、2500年も最先端で、当時最高の技術であっても社会的要因によって捨てられた、という例になる。

 そして技術史からみると
 「一人の天才によって成し遂げられた独創的な技術というのは存在しない。」
  ↓
 「社会が求める状況になった時に適切に技術を改良した技術だけが生き残る。」

 諺で「必要は発明の母」=必要とするから発明が生まれる、の意味
 とあるが、歴史的事実としては
    「発明は必要の母」=発明があってその必要性をみんなが受け入れていく、の意味

 例えば、携帯電話は、みんなが欲しいと思ったからできたのだろうか?
 ではなく、携帯電話が出てきてみんなが便利だなぁ~と受け入れて広まって行く、のではないだろうか。
 
 携帯電話の携帯メールも同じで、やってみたら便利だから広まって行った(発明は必要の母)ではないだろうか。蒸気機関やワット電球などが技術史から観た例となる。

 もう1つ例を本から引用する。
 パソコンのキーボードの配列は、左上の文字の並びから、「QWERTY配列」と言われる。これは、タイプライターの時代、隣接キーが戻る前にタイプすると、タイプライターが壊れるので、「なるべく遅く打つように」という配列になっている。だから、左手の薬指や小指と最も使いずらいポジションに、最もタイプする「E」、多いタイプする「S」や「A」などが配列されている。最もタイプする「E」を右手の人差指で打てるように配列すると人によっては2倍の速度、95%の人が「使いやすい」と述べている。
 キーボードの優れた配列、しかもタイプライターではないのだから、変える方がいいのに、劣った技術「QWERTY配列」を採用している。つまり、

 「劣った技術が社会的要因によって受け継がれ、優れた技術が採用されない」

のである。他に、液晶や半導体技術はアメリカで特許化されたのに、採用したのは日本である。アメリカ社会では受け入れられず、日本社会で受け入れられたのである。このように社会によって技術は取捨される(ただし、著者のジャレド・ダイアモンドは「日本の漢字をアルファベットより劣る技術である、としてこの例に倣っているが私は受け入れられない。講義では触れず。)

 私たち日本人の一般的な通念として、「優れた技術は(黙っていても)受け入れられる。」とあるが、これは技術史からすると必ずしも受け入れられない。

 技術が受け入れられる要因は、効率性や経済性 ・・・一般通念 
        の他の要因として、文化、政治、軍事、欲求などがある。

 原発技術は世界最高レベルにあるかもしれないが、受け入れられた、のは効率性や経済性ではないのかもしれない、という視点を、持ってもらいたい、と述べた。

 問2  「優れた技術が社会に捨てられた例か、劣った技術が社会に定着する例を挙げなさい。」

 説明が適切でなかったのか多少戸惑わせてしまった。質問が出た。
学生の上げてくれた例は、HDやDVD、VHSとβ(ベータ)、エンジン部分、ウィンドウズとマックなどが挙がってきた。さすが理系の大学である。

 私はここで、VHSとベータを挙げた。
 今は、ブルーレイやハードディスクなどに移行しつつあるが、ビデオデッキでVHSはまだまだ根強く残っている。
 ビデオデッキの規格で、VHSとベータがある。技術的な要因もあるが「アダルトビデオ」を大量に発売したVHSが、高性能でコンパクトなベータを破った要因である。つまり、技術的に勝るベータは、人間の欲求という要因で社会に捨てられてしまったのである。

 これだけだと根拠が弱いので、エロの欲求の大きさを比較するデータを出した。
浜松駅前に大きなランドマークタワーがあり、ホテルオークラが入っている。静岡市はホテルアソシアやセンチュリーがあり、世界的に評価の高い帝国ホテルが日本にはある。
  
   ホテル業界全体では年間で1兆円の売り上げ
   ラブホテル全体では、年間で4兆円の売り上げ

ホテル↓2Pの図
http://www.jetro.go.jp/jfile/report/05000904/05000904_001...

 エロいホテルの方が正式なホテルでしかも皆が知っているホテルを合わせた4倍の売り上げがある。これほどエロの社会的要因は強い。

 他の例としては、自動車はアメリカ軍が戦争の輸送のために導入してコストが下がり、結局自動車を世界に広めることとなった。それまではお金持ちのおもちゃだった。つまり、現在でいえば家で「馬を飼う」ようなものであった。また、コンピュータの出発点は、第2次世界大戦時、ジグザグ飛行をするドイツ空軍飛行機を撃ち落とすためにイギリス軍の砲台の計算のため、とも言われている。インターネットは米ソ冷戦時に、核戦争に勝つように開発されたのは有名な話。軍事が技術の発展につながっていく。原発もこうした側面は否定できない。
 今でも、使われなくなった核兵器のウランなどから劣化ウラン弾を作り、戦車から発射して、イラクなどで発射している。イラクでは放射線によって白血病が急増している。日本の福島原発の放射線よりもひどい値が検出される。それでもアメリカは「劣化ウラン弾は安全である」という公式なコメントを変えていない。被曝するのはアメリカ兵も一緒である。これもイラク戦争に派兵された兵士の被曝問題として指摘され続けてきている。

 最後にまとめると、「優れた技術が社会に受け入れられる訳ではない。劣っていても残る技術もある」ということである。


 こんなに喋ったかなぁ・・・学生はきちんと聞いてくれたようだけれど、感想のコメントを見ると、集中して聞いてくれていたのだなぁ、と打っていて改めて感じだ。


 最後は「3段論法」

3段、とは、事実、論拠、結論、のこと。3つないと論理的な文章にはならない、という意味。

     記号    具体例       記号+具体例
 
事実: A = B : 人は死ぬ     人(B)=死ぬ(A)

論拠: B = C : 私は人である   私(C)=人(B)である

結論: C = A : 私は死ぬ     私(C)=死ぬ(A)

 論理とは、事実⇒論拠 で共通する言葉(人)があること、
        論拠⇒事実で共通する言葉(私)があること
で成り立つ。細かい点は補足した方が良いが初めからはしない。以上がアリストテレスの3段論法。
 これに私なりにアレンジを加えたもの 

事実: A = B : 客観的事実(誰にでも当てはまる)

論拠: B = C : 私の考え(誰にでも当てはまらない)

結論: C = D(A) : 主張したいこと(問われた解答があること)

 就職活動にも使える。
就職活動の面接で言われるのは「あなたはどうしてこの会社を希望しますか?」という問いである。
 
 発想は、結論⇒論拠⇒事実 となる。普段は、事実⇒論拠⇒結論である。

「だから、私は、Cという理由で御社を希望します。」
 ↓
「私はCは、Bだと考えます。」or「私はBは、Cだと考えます」
 ↓
「Aは、Bなのです」or「Bは、Aなのです」

 具体的に行きましょう。
会社に就職したい理由を聞かれた問いに対して「給料が高いからです」や「私は希望します」や「私は大切にしてもらいたいからです」などは、論理的ではない。1文では論理性がないからである。
 「給料が高いからです」は事実、
 「私は希望します」は結論、
 「私は大切にしてもらいたいからです」は論拠である。
バラバラでは、ビジネスの思考が出来ていないから採用できない、となる。具体的に言った。

事実:「この会社は給料が高いです」:誰にでも当てはまる事実(誰が見ても受け入れられる事実)

論拠:「私は給料が高いということは社員を大切にしていることだと考えます」:私の考え(休日が多い、産休制度がある方が大切にしていると考える人もいます)

結論:「だから、私は社員を大切にしているこの会社を希望します」

Aは「この会社(ビジネスでは「御社」や「貴社」)、Bは「給料が高い」、Cは「社員を大切にする」となる。

 こうすると論理性が出てくる。誰にでも当てはまる事実を持ちだすのは、説得性を出すため。だから、「私は友人になになにと言われています」というのは説得性に欠ける。なぜなら「それは君の友人が思っているだけで多く人に当てはまるかどうかわからないじゃないか」と言われるからである。自然科学が1万回以上の実験を重ねるのも、同じでどんな場合でも当てはまる(再現性)を確保するためである。文系の論文でも事実に関して引用する場合は、この説得性を持たせる場合が多い。
 次に、私の考えを書くのは、私の考えがない意見や説明は価値がないからである(「どうして就職したいの?」に「給料が高いから」では子供の言葉と同じである。感情そのまま、あるいは物事を一面的にしか見ていないように受け止められる)。主張や目的がなければビジネスでは企画力や統合力、人とのコミュニケーションでは説得性が欠けると見なされる。
 最後に結論を書くのは、問いをきちんと理解していること、答える気があることを示すためである。

 最初はここまで求めない。まず自分の頭でやってもらう。「やってみると意外に難しかった」というコメントが10名以上寄せられた。
 
 私の例

「あなたはポニーテールだ」
「私はポニーテールが好きだ」
「だから私はあなたが好きだ」

 簡単なようで中々難しい。
GWがあるので全員分チェックしてきて来来週、返却予定である。

問3 3段論法で文を作りなさい

問4 感想
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

    名前:高木健治郎

書いたもの(平成29年度)
哲学(平成28年度)
科学技術者の倫理(平成28年度)
書いたもの(平成28年)
科学技術者の倫理(平成27年度)
哲学(平成27年度)
書いたもの(平成27年)
哲学(平成26年度)
「科学技術者の倫理(平成26年度)
講義録「哲学」
書いたもの(平成26年)
書いたもの(平成25年)
論文(高木健治郎の)
講義録「科学技術者の倫理」(平成25年度)
高木ゼミ『銃・病原菌・鉄』
高木ゼミ全6回『ぼくらの祖国』
教養講座6回分(平成24年度)   講義録21~
講義録「科学技術者の倫理」(平成24年度)     講義録1~15
最新記事
講義録「科学技術者の倫理」(平成23年度)
石上国語教室で行われた講演のレジュメです。哲学が足りなかったのが、福島原発事故の原因の1つではないか、と考えています。

「哲学のススメ2」レジュメ

最新コメント
カテゴリ