講義録1-2 学生コメント集

 学生が書いた感想などと高木の返信をまとめたものです。

 学生の書いた本文はそのまま、とします。高木が補足する場合は()を付けます。○は学生のコメント、★:は高木のコメントです。考察をつける場合もあります。

○「技術がなぜあったのか→人のため」について、猿や他動物にも技術をもっていたのではないかと思う。(言語コミュニケーション⇒類人猿火おこし)

★その通りです。人間の、と限定して説明することを省きましたが、他の動物を排除した訳ではありません。ただし、人間の技術が圧倒的で、かつ、講義では「人間の」技術を対象にする、という理由から省いただけです。鋭い指摘、素晴らしいです。

○福島原発災害の事実を知らずに報道に流されていたところがあったと感じた。また、倫理がどう失敗学につながるのか疑問に思った。

★前半部分ですが、指摘されて自身を反省できる点、素直ですね。その素直さが学問をやる上でも生きていく上でも大切だと思います。20歳前後になると失っている人もいるので、良い点を大切にして下さい。後半部分ですが、細かくは今後やっていきます。今日は全体像をざっと示しただけですから。ただ、疑問を持ちながら講義を聴くこと、重要ですし、吸収が素早いと思います。こちらも善いですね。

○質問です。倫理の範囲は日本内なのか世界なのか。哲学みたいな感じでおもしろかったと思います。

★明快な質問ですね。講義の目的としては世界です。ただし、現実は日本の倫理と欧米(世界)の倫理と異なりますから、今後詳しくやっていきます。哲学を受講していたのですね。同じような講義方式ですが、より事例を挙げ、比較する内容になると思います。楽しみにしてもらえるように、気合を入れて頑張ります。

○考え方の違いにはどうしようもない事柄があると思うが原因を追究しようが変わらないのではないでしょうか?

★哲学的思考を持っているようですね。それは素晴らしいことです。では、それを学問に落とし込めてみてはどうでしょう。つまり、なるべく多くの事実から出発する、ということです。○○(本名を隠す)くんが具体的事例としてどのような例を考えているのか、をもう少し聞いてみたいです。また、講義では具体的事例を沢山挙げていきますので、その中で考えていって下さい。このように大きな視点を持っていること、とても善いことです。

○最後の「人を殺して良い場合の最後のちの話で、太陽に心臓を捧げる話があったと思いますが、実際は麻薬で上手くごまかして人を殺していたそうです。私の間違えかもしれませんが。

★指摘嬉しいです。私もこの話を話す前に調べてみたのですが、諸説あるようです。また、私は「優秀な人」を殺すと話しましたが、「奴隷」など色々な説があります。面白いですね。また、日本でも堤防を作る時に「人身御供(ひとみごくう)」として神にささげようとした話しが残っています。これからも気が付いたことがあればどんどん教えて下さい。次の講義では「さっきのクラスで教えて貰ったんだけど・・・」と話をしました。

「寝屋川市HP」 茨田堤(まんだのつつみ)
:http://www.city.neyagawa.osaka.jp/organization_list/kyoiku_shakaikyoiku/bunkasport/bunkazai/namesagasu/1378095715828.html

○「子曰く」の読み方が「しいわく」ではなく、「しのたまわく」であることに驚愕しました。

★それは善かったです。先生に対する敬語を使わなくなって数十年が過ぎましたから、読みも自然とそうなってしまうのでしょうね。孔子以外は「しいわく」です。詳しくは、伊與田覺(いよたさとる)著『仮名論語』をどうぞ。

○孔子の言葉を聞いて、他の本で読んだことがあるのですが、100%自分原因仮説をという考えは正しいのかなと思ってしまいました。倫理とは何かを深めて言って理解していきたいと思いました。

★着眼点が明晰で驚きました。仏教では0%自分原因仮説ですからね。この辺りは、今後少しだけやっていくと思います。また、「哲学」の講義でも少し触れています。疑問に持ったことをどんどん考えていって調べて見て下さい。私の方では、私の考えの基本になっている文章を、このブログから紹介します。

エッセイ「【論語】六つの翻訳を比べてみよう」
:http://takagikenziro.blog.fc2.com/blog-entry-485.html

 一流の学者の中でこれだけ訳語が違う、という面白さを感じられれば、と思います。


 以上です。


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