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ISIS(通称「イスラム国」)による日本人拉致事件について

 留学生を中心に「ISISによる日本人拉致事件について教えて欲しい」と、口頭で直接何人にも言われました。
 そこで、私の考えをブログにまとめます。

 結論

①安倍総理の決断で、日本の国際的地位が向上した。
②フランスの国際的地位が低下した。
③人質の安否ばかりに捕らわれているのは敗戦日本の悪い癖である

 それぞれについて分けて書いていきます。

-①安倍総理の決断で、日本の国際的地位が向上した。

 ISISは当初、「金銭要求」でした。これが「人質要求」に変りました。安倍総理が決してお金を払わない、という態度を崩さなかったからです。テロリストに屈しない姿勢を通しました。このことによって、日本の国際的地位を低下させていた屈辱的事件を払拭(ふっしょく)することが出来ました。国際的地位を低下させていた屈辱的事件とは1977年のダッカ事件です。
 日本赤軍というテロリスト5名がハイジャックし、福田首相は法外な身代金と有罪または刑未確定のテロリストを釈放したのです。福田首相の「人命は地球より重い」という倒錯した言い訳は、その後の日本に多大な被害をもたらしました。その1つが北朝鮮による日本人拉致事件です。「人間が地球より重い」のならば、人間の命は地球なしで成立するのでしょうか。地球は人間がなくとも成立しますが、人間は地球がなくては成立しないのです。つまり、ダッカ事件は以下のように解釈されました。

「日本は人質を取れば、大金を出すし、どんな無茶苦茶な要求もきく」

 今回の安倍総理の、あるいは側近を含めた首相官邸の態度は、これを一気に逆転させて、

「日本は人質を取っても、大金を出さないし、無茶苦茶な要求はきかない」

 という結論を出したのです。現在、人質の交換が検討されていますが、「大金を出さない」と「無茶苦茶な要求はきかない」という結論は出ています。

 中国船による尖閣諸島沖衝突事件は、中華人民共和国の「船長を裁判にかけずに釈放しろ」という「無茶苦茶な要求をきく」結果、船長は釈放されました。安倍総理になるまで日本は国際的地位を低下させていたのです。また、民主党の枝野氏は、日本赤軍と同じ極左テロ集団革マル派から800万円の献金を受け取り、かつ問題ないと発言しています。民主党の菅元首相は北朝鮮系の政治団体と数千万円のやり取り、民主党全体でも数億円のやり取りも「国益のためであり反省する必要ない」と発言しています。こうした状況が、日本の国際的地位の低下を招いていました。
 ですから、これまでの日本の慣行であれば、数億円か数十億円、あるいは全額を払っていたのではないでしょうか。しかし、安倍総理は当初から「一切払わない」という態度を示していたことでしょう。というのもテロリスト側が直ぐに要求を引っ込め、「人質交換」、しかも現実の可能性がある「人質交換」に置き換えたからです。
 「①安倍総理の決断で、日本の国際的地位が向上した。」とは以上のことを指します。


ー②フランスの国際的地位が低下した。

 ISISは日本以外に少なくとも12カ国の人質を取りました。その内、金銭を払った国がフランスを含めた2カ国です。イギリスやアメリカは払わず、特殊部隊を投入しました。私は日本も警察庁に「国際テロリズム対策課」があります。さらに、実際に、特殊部隊がありますから、現実に幾つもの積み重ねが必要ですが突入させるべきと考えています。もちろん、北朝鮮による拉致被害者の居場所も分かっている人もいますから、特殊部隊を自衛隊と共に突入させる法整備を含め、実際のシュミレーション等を積み重ねていくべきだと考えます。というのも、ある中東の国が4名、北朝鮮に拉致をされ、最後には「特殊部隊を突入するぞ」と脅すと、北朝鮮は即座に開放したからです。今回の事件でも、日本政府が「特殊部隊の突入を検討する」と発言すれば、つまり積極的に日本自身が解決しようとすれば、事件そのものが動く可能性が大いにあるのです。日本人は認識が薄いですが、日本は世界の大国であり、世界で最も尊敬されている国の1つなのです。それを人質解放のために使うことに、つまり平和のために使うのは善いことではないでしょうか。フランスに戻ります。

 マスコミが報じなくなりましたが、パリで皮肉雑誌を襲撃するテロがありました。
この際、国家憲兵隊(ジャンダルムリ)の警護が突破されてしまいました。フランスにとって決定的な失策となりました。日本では言うも憚(はばか)られるほど不遜なテロが実行されたことになります。

 国家憲兵隊について説明します。
 起源は14世紀でフランク王国の近衛兵を経て現在の形になっています。フランス革命が有名ですが、それより400年以上古い歴史を持ち、フランス人の国家を支えてきました。それゆえ、国家憲兵隊はフランス人の国家、ナポレオン皇帝の帝政、ルイ14世に通じる王政、民主主義による共和政などを全て支えてきた集団です。1789年のフランス革命から230年間に10近い政治体制を変えているフランス人の国家を、一貫して支えてきた集団なのです。それゆえ、法律を超えることが実際には認められています。

 例えば、3.11のフクシマ(福島原子力災害)の後、フランス国内の原子力発電所側を通行していた人を射殺しました。けれども、国家憲兵隊は罪を問われることはありませんでした。

 むしろ、国家憲兵隊によってフランスはフランスらしくなっているのです。それは、フランスの「自由・平等・博愛」は、民主主義として極めて危うい思想です。フランス革命は「民衆の言うことは1人1人が考えるならば、無条件に正しい」という主張で成立しました。それはプラトンの批判した民主主義の恐ろしさ、暴力を内包した政治だったのです。
 1人1人が考えるなら無条件に正しい、というのなら今回のテロの首謀者は、インターネットをみて1人1人が考えた行動です。「人権は平等である」とか「人権は誰にでも与えられて当然」などと考えていると、国家がバラバラになり、騒乱状態になるのは言うまでもありません。「自由・平等・博愛」を根底から支える軍事力が国家憲兵隊なのです。日本は皇室を手本とする伝統的価値観の共有で、国家憲兵隊のような超法規的集団を必要としません。アメリカにもイギリスにも似たような超法規的集団は存在します。

 こうしてフランスの歴史と国家の理念を支える国家憲兵隊が、今回の皮肉雑誌のテロで大失策を犯してしまいました。オランド大統領は「自由ゆえの」と言いましたが、その「自由に枠をはめて、自由を支える」のが国家憲兵隊だったのです。

 さらに、今回のISISでは、テロリスト側に身代金を払ってしまいました。
 今後、フランス本国を始め、旧植民地でテロの可能性が高まることでしょう。

 ただし、フランスではISISのフェイスブック等のSNSを通じたテロリスト勧誘対策を行っています。ヨーロッパからは既に300人のテロリストが渡っています。日本ではこの対策が遅れています。今回の身代金要求事件を通じて日本にもSNSを通じたテロリスト勧誘が活発になるのではないでしょうか。日本はオウム真理教による一連の殺人テロで、社会から疎外された意識を持った専門家がテロ協力者になるのを経験しています。十分に対策して欲しいものです。


ー③人質の安否ばかりに捕らわれているのは敗戦日本の悪い癖である

 私はフェイスブックのアカウントを取っていますが一切見ていないので、確かめられませんが、東京大学の先生が「マスコミが理の通らない報道をしないように」と述べたそうです。
 その根源には、上記した福田首相の「人命は地球より重い」という倒錯した言い訳があるでしょう。
しかし、その「人命は地球より重い」は、その後の日本に多大な被害をもたらしました。その1つが北朝鮮による日本人拉致事件です。「人間が地球より重い」のならば、人間の命は地球なしで成立するのでしょうか。地球は人間がなくとも成立しますが、人間は地球がなくては成立しないのです。

 また、人命だけが大切だ、と考えるのは以下の例で明らかに誤りであることが判るでしょう。

 「年間約4500名が車によって確実に死亡する」

 人命だけが大切だ、と考えるのならば、自動車やトラックは運転してならないことになります。確実に4000名以上が死ぬからです。しかし、自動車やトラックは、貨物の9割以上、旅客の7割以上を担っています。病院や消防など社会全体を安全に保つために不可欠な存在なのです。他にも病院の医療事故や発電所の事故(火力発電の方が事故率が高い)でも死亡者が出ます。病院も電気も私達は使えない方が善いのでしょうか。そうではない、という結論によって私達の日常が成り立っています。それは「許容されうるほどリスクを少なくした上で、利益が損益を上回る」からです。つまり、

 「私達の日常生活は、人命だけが大切だ、と考えると成立していない」

 のです。
 今回のISISによる人質事件も、人質の命だけが大切だ、と考えてはならないのです。日本の国際的地位の向上、「大金払わない」や「無茶苦茶な要求はきかない」ということを示すことも大切なのです。

 付け加えたいことは、まだまだありますが、ここで書き止めとします。

 以上です。御拝読有り難う御座います。
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