哲学15-2 学生コメント集

 学生が書いた感想などと高木の返信をまとめたものです。

 学生の書いた本文はそのまま、とします。高木が補足する場合は()を付けます。○は学生のコメント、★:は高木のコメントです。明らかな誤字は訂正します。考察をつける場合もあります。

 全体の傾向
 -問2 日本はA)~D)のどの国家になるべきだと考えますか?
C)ロゴス的国家が70% と多かったです。

 -問3 あなたはA)’~D)’のどの基準で人生を生きていくべきと考えますか?
C)ロゴス的人生が50%と多かったです。

 -問4 15回の講義で最も印象に残ったこと
:イデア、ロゴス、ノモス、ソクラテス、日本人の善が多かったです。
:ただし、各個人で多様でした。

 以上です。

考察:学生の皆さんが最も印象に残ったことが、多様でした。昨年に引き続き多様化が進みました。それは毎回平均して講義の質を確保できた証拠だと感じました。私自身の実感と合致しています。同時に、古典の素晴らしさも学生の皆さんに教えてもらいました。アダムとエバの話、日本神話、ギリシャ神話など講義の具体例として挙げた話が印象に残るのは、古典の持つ人を魅了する力だと感じました。学生の皆さんのコメントに少しの安堵と少しの学恩を実感しました。


○ほとんどの講義を通して思ったことは、自分は真実を見ようとするけれど、真実をしっかり見る勇気もなく、真実を知ることで受ける苦しみから逃げていたことが多いと感じたことでした。先生からすると真実を見ようとすることでも、できていないと言われるかもしれませんが、もう一歩踏み出せる勇気をもとうと思いました。

★すごい! えらい! その気持ち敬服します。ソクラテスのように、プラトンのように、真実に一身と賭して見ていこう、という勇気はなかなか持てないものです。私もそうです。年をとると上手な言い訳を探せるようになります。○○くんのこのコメントを見て、私も「もう一歩踏み出せる勇気」を持とうと決意しました。頭に思いついたことがあります。必ず実行します。有り難う御座います。

○私は、先生の人生について語ってくれたのが一番心に残りました。とても興味深い人生だと思います。できればもっと聞きたかったです。

★恥ずかしいです。でも有り難う御座います。恥をかきまくってきた人生でしたよ。良ければ以下の文章をどうぞ。「富士論語を楽しむ会」の同人誌に書いた自分の記録です。

「東京嫌いだった私」
http://takagikenziro.blog.fc2.com/blog-entry-380.html
「車から遠かった私 弐」
http://takagikenziro.blog.fc2.com/blog-entry-379.html

○正直に申しますと、哲学の考え方自身はあまり馴じまず、実感を持って理解するのにはとても時間を要しました。今でもよく分かっていません。それは私だけでは無いと思いますが、そういった事を考え続けた哲学者の偉大さが良く分かりました。彼らの偉大さが、印象深く残っています。

★誠実なコメント有り難う御座います。心打たれました。過去の人々の中に偉大な人がいた、という事実を認識することは、今後の人生の中で必ずためになると思います。私の人生はそうでした。小学校の時は王貞治(おうさだはる:世界のホームラン王)さんに憧れ、中学では漫画『超人ロック』の主人公ロックに憧れ、高校では漫画家の手塚治虫さんに憧れ、大学ではNIRVANA(ニルバーナ)というバンドのカート・コバーン、『坂の上の雲』の秋山好古大将に憧れました。偉大な人がいることが弱い私を支えてくれました。少しでも哲学者の偉大さを紹介できたのなら嬉しいです。今後は、気になった哲学者の本を読んでみて下さいね。

○現代を生きるこの日本に、日本の神話が根付いているという事実と、それによる安寧。

★講義全体の本質を理解してくれて嬉しいです。実に嬉しいです。2月11日は建国記念の日です。これは神武天皇が日本の国を作りますよ、と宣言した日です。私は「浜松市建国記念の日奉祝式典」にお手伝いをしながら参加します。その「式典で日本の神話が根付いているという事実と、それによる安寧」を実感することでしょう。一見するとお手伝い大変だなぁ、と想うものですが、安寧があるのです。もし、お時間があればどうぞ。無料です。紹介状などなくても入れますよ。詳しくは

浜松市建国記念の日奉祝式典
http://www.hcf.or.jp/calendar/detail.php?id=15060
○最後の最後で哲学の現在の立ち位置と思想の在り方を理解でき、また、最後に哲学を否定する考えがある、あるいは必要であるとわかった。

★最後の最後で全体像を理解してくれて良かったです。哲学ではメタ視点と言います。哲学全体を見通してみて、講義で触れていない部分も多いので穴も多いですが、自分なりの考えを持っていて下さい。毎回真摯なコメント有り難う御座いました。

○哲学はかたくるしいものではないということ

★哲学を変に毛嫌いしないでくれて良かったです。楽しさも伝えられたのなら、必要さも伝えられたのなら、と思っていました。有り難う御座います。

○宗教や思想が理にかなっているから信じるのではなく、信じることで達することのできるキョウチ(境地)があるから、主に外国の方々は熱心に宗教を信じるのだな、と思ったこと(15回中の中ほどにて)

★良い点に気が付いてくれました。信じる信じない、ではなく、受け入れることで得られるもの、見えるものがある、という視点です。これは他のことでも同じことがありますね。例えば、結婚です。結婚するかしないか、ではなく、結婚を受け入れること(結婚すること)で、見えてくるものがある、という視点です。私は結婚して6年目、大いに実感しています。気がついてくれた点を今後に活かしていって欲しいです。有り難う御座いました。

○宿題で出た、他国で傷ついた子を日本によび、ナースがその子を世話して病にかかりながらも看病し、そして亡くなった話が心に残った。

★献身の尊さに感動する人は、献身の尊さを知る人です。最初の頃のコメントからは伺いえないと感じています。それは○○くんが沢山の面を持っている魅力的な人だからでしょう。そういう驚きをもらいました。15回の講義で良かったです。有り難う御座いました。

○先生はブログをされていて、学生のみなさんもブログ、フェイスブックやっている? 先生はブログやってるよ。みんなのブログやフェイスブックで発信したものに価値はある?自分のブログはあるよ。みたいなことをおっしゃっていて、ちょっとなんだかなぁと思った。電気課(科)の先生は早く自分の事なんてぬいていけよみたいな事をときどき言われるが。

★私の発言の調子が学生の皆さんを傷つける調子だったのでしょう。書いてくれたのは○○くんだけですが、15回の講義の中で最も印象に残ったこととして書いてくれた、というのはよっぽどだったのでしょう。この点については謝罪します。今後気をつけます。有り難う御座いました。
 ただ私がブログを参照してほしい、という意図は以下の通りです。

 学問とは、積み重ねられた学術的事実を正確に理解することが第一歩です。私が私のブログで述べていることは、本を何冊か読み確かめた上で述べていることです。つまり、積み重ねられた学術的事実の上に述べています。例えば最後の民主主義については、積み重ねられた学術的事実を元にしています。例えば以下の本です。

 福田歓一著 『近代民主主義とその展望』
 長谷川三千子著 『民主主義とは何なのか』

 こうした学術的事実を元にしない上で書かれたことは、当然ながら学術的価値が低くなりやすいです。大学はこうした学術の積み重ねをする場所です。その点では電気科の先生の発言と同じ意味だと思います。「大学の先生は学術的価値を有するから先生として認められる」のです。その先生を抜くためには「学術的価値を先生よりも多く持たなければならない」ので、「学術的価値を学習しなければならない」のです。学術的価値に焦点を当て、重要視している点で電気科の先生と同じ内容と考えます。
 ただし、学生のみなさんのブログの中で学術的事実にも基づいて書きこまれている内容を否定している訳ではありません。大いに価値があることだと思っています。私の記憶にはないですが、もしそのような発言をしていたとしたら、謝罪し訂正致します。
 
○今日初めて聞いたことだから、印象が強かったということがあるかもしれない。だけど、仁徳天皇の「民のかまど」と、昭和天皇の巡幸の話が一番心に残りました。世界の常識さえくつがえす天皇の行動。日本人として生まれてきて良かったと思いました。

★公のために生きる皇室が日本の中心にいることの尊さを伝えられて良かったです。ある一定以上の海外の、特に西欧の知識人は皇室の歴史を知っています。有名な思想家や宗教学者などが敬意を表しています。神宮(通称伊勢神宮)も世界の聖地として挙げられています。素晴らしい存在を知って、自分がどう生きるか、を考えていって欲しいです。有り難う御座いました。

○15回の授業全てを通して、私はまだ哲学の入り口にすら立ててないだろうけれど、最初にまったくと言っていいほど何も知らなかった哲学のこと、日本のこと、世界のことを少しだけ知ることができ、日本に生まれてよかったということが心に残りました。

★「私はまだ哲学の入り口にすら立ててないだろうけれ」を拝見して、謙虚な態度に感じ入りました。素晴らしいですね。講義の冒頭で言ったように「講義はレストランのメニューでしかない。本当の美味しさは自分で本を読んで料理を味合わないと栄養にならない」の通りです。その点を理解してくれての発言でしょうか。学問にせよ哲学にせよ、人生にせよ、まず自分を自分で肯定して始まります。その第一歩のきっかけとなったのなら嬉しいです。有り難う御座いました。

○私が心に残ったことは、お正月についてです。お正月というのは、先祖や亡くなった人と共に過ごしているというのが、うれしいというか感動しました。

★日本人の優しさ、死の受け止め方、なんとも味わいがありますよね。私も死後も家族と過ごせるというのは大好きです。死後も安心です。

○洞窟のイデアがとても印象に残っています。今、自分が知っていると思っていることが本当に正しいのか? どうなのか一歩止まって考えることが非常に大切だなと感じました。

★洞窟の例え話、本当に深い話ですよね。私は大学生の時に聞きましたが、あまりピンときませんでした。年をとるとジワジワきています。○○くんは大人なのではないでしょうか。一度止まって考える、善い言葉です。それが道徳的国家=ロゴス的国家には必須です。口頭でも質問有り難う御座いました。楽しかったですね。

○日本の由来や、国歌の意味についての講義。自分の国の国歌の意味も知らないことに危機感を感じたが、このタイミングで知れてよかった。日本という国に誇りを持てた。

★嬉しいです。学問でも人生でもまず自分を理性で肯定できることが出発点になります。「どうせ自分はダメだから」とか「何をやったって世の中は受け入れてくれない」などひねくれてしまうと、そこから一歩も動けなくなります。新しい世界、素晴らしいワクワクしたものを見るために、理性で肯定が必要です。今後の人生が幸多きことを願います。有り難う御座います。

○自分は、本を読んだり学んだりする量が少ないと反省できたので、せめて期末テストの対策からは、しっかり勉強して知識を身につけた方がよいと感じました。

★自らを省みる、素晴らしいです。沢山の素晴らしいコメント有り難う御座いました。そうですね、「せめて期末テスト」という心掛け、いいと思います。私もせめて今年の講義だけは一生懸命やろう、せめて今回の講義は風邪をひかないで頑張ろう、と思ってやっています。「千里の道も一歩から」を思い出しました。頑張って下さい。有り難う御座いました。

○私が一番印象に残ったことは商売で確実にもうける方法の話をしたところです。自分は将来、商売のことをやりたいと思っていたので「リスクを0にするということ」が大事とわかり、とても勉強になった。

★それは良かったです。商売をしたい、という問題意識を持っているからこそ、周りの人とは違う点を吸収してくれた、嬉しいことです。もっともっと問題意識を増やすと得ることは多くなりますよ。それに誰からも、何からも学べるようになる、と聴きます。そうそう、「確実に儲ける方法」をお話ししましたが「確実に儲けている実際の商売」があるのを御存知ですか? もし興味があれば、質問なりコメントなりをお願いします。有り難う御座いました。

○哲学はただ難しい事をやっているイメージがくつがえされたこと

★有り難う御座います。シラバスにも書き、講義冒頭でもお話ししましたが、講義の大目標の1つでした。嬉しいです。ただ、その分、削除した箇所もあります。その点も心に留めておいて下さい。

○アリストパネス、クセノフォン、プラトンの3人がソクラテス像を全く違ってとらえていた所で、見方でここまでかわるものかと思った。

★そうでしたか。そうでしたか。人の持つ偏見の根源に少しでも触れられ、理解してもらえて良かったです。今後、人の住む社会で生きていくでしょうから、何かしら役に立つと思います。是非とも受け身ではなく活用していって下さい。有り難う御座いました。

○アリストテレスとかプラトンとか、大昔の哲学者達の名前だけは知っていたが、彼らの思想までは知らなかった。この講義で彼らについて知っていくうちに、彼らがその当時の世の中になげかけていた問題が、現在にまで当てはまっていることについて、「人は昔から変わらないのだな。」ととても面白く感じた。同時に、自分自身もまた愚かな民衆の一人でしかないことがわかったので、少しでも賢くなれるようになりたい。

★謙虚な姿勢、素晴らしいです。その謙虚な姿勢を身につけて欲しいといったのがソクラテスの「無知の知」です。私も一緒に愚かさから脱したいと思いました。有り難う御座います。

○日本人は変な民族だと思った。他人のためにがんばりすぎ。

★(笑)そうですね、確かに、頑張り過ぎ、です。思わず微笑んでしまいました。本質をついているからでしょうね。次に、ではどうしてそんなに他人のために頑張るのか、頑張れるのか、を考えてみて下さい。私は考古地理学から答えの1つを得ました。科学技術者の倫理でそのお話をするかもしれません。是非。

○哲学は難しいです。印象的なのはロゴス、。ノモスについて学んだこと後は、先生の日本に対する上げでした。今回の授業でも日本は世界の国に比べて道徳心が強いことを語ってくれました。しかし、大げさな部分だと思うことはあっても、日本は素晴らしい国であるのは間違いないと思いました。興味深い授業だったと思います。

★有り難う御座います。大分「上げ」でしたかw 講義の繰り返しになりますが、日本は道徳心の強い国で、日本国の中心原理に道徳があるのは、学術的に間違いありません。私だけでなくトインビーなど有名な西欧思想家、歴史家、宗教家が認めるところです。しかしながら、道徳を中心原理に据える欠点もあります。その欠点がもろに現れたのが大東亜戦争(太平洋戦争)だったと私は考えています。果たして日本人が、「正しい」、「素晴らしい」と想っている道徳で地域の、世界の平和に貢献できるのか、という問です。私の考えていることを15回目の講義で出しました。その講義の元になったのが、上の方のコメントで挙げた以下の2冊です。是非どうぞ。

 福田歓一著 『近代民主主義とその展望』
 長谷川三千子著 『民主主義とは何なのか』


○(その他、印象深かったことへのコメントを羅列します)

・「明けましておめでとうございます」の内容
・昔の人々が哲学を伝えてきたので、今の数学や道徳や世界があるということ
・アマテラスと大国主
・私達の生活の中にロゴス、ノモス、イデアの考えが混ざり合っていること
・ユークリッド数学(幾何学)で真の三角形の話
・天皇が国を作るとき民を宝といっていたこと
・ソクラテスの生き方
・概念が生み出される過程が素晴らしい
・洞窟の例え話
・日本の正しい歴史と天皇陛下の偉大さ
・白梅の塔
・日本人が知らず知らず多くの宗教的行動を行っていたこと
・どのような人が友人かという質問

★心に残ることがあり、幸いです。皆さんが真剣に心を砕いて聞いてくれたからです。有り難う御座いました。

 講義後に質問をしに来てくれる人が段々増えていきました。
最後の数回は1時間を超え、テスト後も質問というか話をしてくれました。私は真剣に聞き、真剣に考えられ、多くの学びをもらいました。15回の学生コメントを見返してみても、多くの学びをもらったことを実感しています。学生の皆さんにはこの場で改めてお礼申し上げます。敬語を使うのはおかしいのですが、学生の皆さんの心の中にある魂に感謝したいと思います。その魂とはプラトンの言うイデアを知る魂です。有り難う御座います。

 以上です。
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