講義録7-2 学生コメント集

 学生が書いた感想などと高木の返信をまとめたものです。

 学生の書いた本文はそのまま、とします。高木が補足する場合は()を付けます。○は学生のコメント、★:は高木のコメントです。△は補足です。考察をつける場合もあります。

 全体の傾向

:技術者に厳しい責任(厳格責任)を追わせるのは当然である
:技術者に厳しい責任を負わせるには疑問がある
:「業務上過失致死」の意味が良く判った

 などが多かったです。


○私は安心しています。PL法がなかったた商品を買う時に、これは安全なのか?と考えなくちゃならないからです。

★視点を技術者(製造者)から消費者へと移してみると、PL法の良さも見えてきますね。その点に気がつけたのは素晴らしいです。

○無罪にした裁判所を叩いても、解決しないとの意見がありましたが叩く事は人が死んでいても間違いだという事ですか? それともそれは又別の話ですか?

★講義録のブログの話ですね。まず、人が死ぬことは避けるべきことです。しかし、「この男が範囲ではないか?」という疑いだけで、証拠もなく立証もされないまま有罪にする、というのは間違いである、と言うことです。民主主義はこの「疑わしきは罰せず」に立脚しています。ですから、今回の殺人犯の事件を持ってきて、裁判所を叩くのは、民主主義の根幹を叩く、ということだ、という意味です。人が死ぬこと、と、民主主義の根幹を叩くこと、これは別のことです。以上の説明でどうでしょうか。

○先生は35歳までといいましたが、僕は20代で結婚したいです。(切実)

★ほほえましいです。では、20代で結婚するために、「何を積み上げておく必要があるのか?」を身につけてください。沢山の先輩に聴き、本を読み、自分で考えることです。そうしないと、「好きか嫌いか」や「できるかできないか」や「金や容姿」だけで結婚することになります。大概は失敗するのは予測可能でしょう。授業でいえば「許容可能なリスク」まで下げておくことが重要です。結婚も技術者倫理も同じですよ!

○心神喪失しているだけで無罪になる法律はかえたほうがよいと思った。

★私も同意です。あるいは、心神喪失の運用を厳しくしないとならない、と感じています。

○どんな美人だったのでしょうか? くわしく教えていただきたい。

★どんな美人だった・・・でしょうか。もう20年近く前で忘れてしまいました。ただ、ボディコンの服であった記憶は残っています。性格はあまり覚えていません。無個性な人だという印象がありました。男性も女性も20歳前後は、自分で「個性がある」と考えがちですが、努力をせず、苦闘も苦悩もしたことのない人は大体4つとか7つに分類されます。20歳の時の私はそうやって男性も女性も色分けしていて、そこに入る人には興味を示しませんでした。「つめたーい!」って言われていましたが、あんまり気にしていませんでした。本は面白いですよ。著者は7つに分類できない人が書くことが多いですから。話がそれたようですが、言わぬが華、でしょうね。

○失敗や責任を過度に恐れて、新しいものをつくれなくなってしまうのではないでしょうか

★現実を見てみてください。多くの技術者が物づくりを止めたでしょうか? 止めていない、としたら何故でしょうか。もし、止めない理由が観えないのなら、○○くんの身につけていない大きな価値を大人が持っていることなり、それが技術者を土台から支えているものなのではなでしょうか。ご自身で考えた疑問に答えを見つけて下さい。

○いまいち過失責任で考えるのが相応しいケースが思い浮かびません。

★実例をお話ししたと思います。ブログを見返してみてください。では味気ないですね。他の人が感想で書いてくれた例を挙げます。
「友人と買い物に行った。友人が知らぬ間に万引きをしていた。」
厳格責任:連帯責任で同罪
過失責任:知らないなら無罪 知っていて手助けすれば幇助(ほうじょ)罪に該当
 また分からない場合は質問してください。

○PL法が厳格責任であるということを意識したことがなかったが、一歩間違えば独裁と同じ考えになっていることが分かった。しかし、それが必要なほど社会への影響が大きいと考えられることをふまえて、必要なものだと感じた。

★前半は講義で示した内容と異なります。「疑わしきは罰す」の独裁制の根本と、「疑わしきは罰しない」の現在の法律の厳格責任とは異なります。より広い概念は「疑わしきは罰す」と「疑わしきは罰しない」です。その下に厳格責任と過失責任があるのを忘れないでください。また、立証責任で考えると分かりやすいかもしれません。

○疑ってすぐ罰してたら、皆、罰せられてしまう。

★だから、虐殺や圧政の根本として利用されてきた歴史があるのです。日本が数千年、違うから、と言って他国も同じではないのです。私達の御先祖様の努力に感謝です。

○女性関係で浮気をしたことはありますか あるのなら詳しく聞くと何人ですか?

★浮気はしたことがあります。人数は良く覚えていません。数えてするものではないですから。そしてこれ以上はネットという公開の場で述べることではないので、もし、聞きたければ講義の後に来てください。

○まず、質問です。先生としては道徳の教科化について賛否どちらですか?

★私は賛成です。日本以外のきちんとした国で道徳を教えていない国はない、と言われます。当たり前のことです。日本では若者の自殺数が多く、極めて特徴があります。それは自分の国に誇りを持てないからです。若い者は、私も若い時がありましたが、自分には自信が持てないものです。ですから、国に誇りを持つ、そうやって何とか自尊心を保つのです。それがなくて、社会からの色々なプレッシャーなどを受け、性では翻弄されるのですから、若者が自殺へと向かってしまう、と自分の実体験で想います。道徳の教科化は、本当は賛否ではなく、当然、というのが正確な解答です。深い質問を有り難う御座います。また、どうぞ。

○先生は何故、今になって免許取ったんですか?

★三人目の子供が生まれるから、かみさんにずっと取ってと言われていたから、です。詳しくは、このブログに掲載してある「エッセイ「【随筆】車から遠かった私 弐」」をどうぞ。今年6月の体験談です。
http://takagikenziro.blog.fc2.com/blog-entry-379.html

○過失責任、厳格責任と製造物責任法との結びつきがわかりにくかった。なぜ商品などの不備で人が死んだ時に情状酌量のよちがないのかわかりにくいのでPL法に対して厳しいかどうかも考えるのがむずかしい。

★そうでしたか。あるいは参考書を自分で開いて勉強して下さい。あるいは以下にもう一度説明します。製造物責任法は厳格責任です。情状酌量は講義中でてきていません。厳格責任と過失責任の区別と情状酌量は別です。関係ありません。ですから、PL法に対して厳しいかどうかを考える際に、情状酌量は関係ないのです。もう少し踏み込むと、過失責任と厳格責任は法律の「一般的」解釈の立場を指します。対して情状酌量とは、「個別的」事情を裁判官が勘案することです。原則と個別は別のことです。如何でしょうか。また、質問、疑問があれば書いてください。

 以上です。
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