哲学6-2 学生コメント集


 学生が書いた感想などと高木の返信をまとめたものです。

 学生の書いた本文はそのまま、とします。高木が補足する場合は()を付けます。○は学生のコメント、★:は高木のコメントです。△は補足です。考察をつける場合もあります。

 全体の傾向

:哲学が身近なものに感じ、例えが分りやすかった
:哲学者のように祖国のために働くのは難しい
:哲学に興味を持った
:今日の授業は静かで良かった

 などが多かったです。


○あるドラマで「人」という字は支えらっている意味があると言っていましたが、今日の授業で説明された人は欲に対して抵抗のない人間を表しているような気がしました。

★ドラマは事実を述べる場ではないので、色々と嘘や明らかな虚栄が入ります。それは売れるために当然なのです。こういう時は調べてみましょう。白川静著『字統』という本があります。新装普及版の479頁、「人」:「人の側身の形」とあります。人の横向きの形なのです。

○問3の「天」についての説明をもう少しくわしくして欲しかった。

★このブログの哲学6-2を見て下さい。

○ソクラテスは自分の意見を他者に発信しているからコミュニケーション障害者ではないと思います。

★鋭い指摘ですね。大歓迎です。コミュニケーションは定義が決まっていて、通常「双方向コミュニケーション」を指します。これはお互いが事前の相手の発信を考慮した上で発信を返すことです。しかし、ソクラテスは、これをしていません。自動販売機のように相手に対して一定の反応しかせず、さらに相手の問いに「私は無知で答えられません」と嘘もつくのです。詳しくは次回やりますね。

○私はまだ自分のことだけで希哲学者のようにはなれない。しかし、いつかはなりたいと思う。

★その澄む美しい志に感動しました。講義をやって善かったです。当然、私もまだまだです。一緒に頑張りましょう。

○哲学自体が理想主義的思考の上に成り立っているのではないかと感じた。

★鋭い感性です。その理想主義的思考が何を生み出すか、何を目指すかをきっちり伝えるつもりです。ですから、是非とも考えて、さらに調べて深めていってもらいたいです。

○「別に天地あらず」李白の言葉ですが、授業でいう天や哲学とは意味は同じかと思いました。

★はい。えーと、李白の言葉は「別に天地あり、人間(じんかん)にあらず」でしょうか。これは「現在の世間(人間:じんかん)だけが世界ではなく、別の場所(天地)もありますよ」という意味だと思います。すると、この場合の「天地」とは「別の土地」あるいは「別の世間」という意味になります。そうだとすれば、授業の「天」や「(希)哲学」の意味する真・善・美とは異なります。また、何かありましたら教えて下さい。

○オススメのギリシャ神話の本は何がありますか

★嬉しい質問です。『オデュッセイア』でしょうか。色々出ています。前半はトロイの木馬、後半は色々と冒険をします。ナウシカなども出てきます。オススメします。

○民主制が良くなくて共産制も理想論に過ぎないとなると何が良いのでしょうか?(国の在り方よっても違うのは分りますが)

★民主制ー共産制だけの対立軸だけなら、民主制です。これに対して民主制ー独裁制になると難しくなります。一応前者に軍配は上がっていますが、実際の半数の国家は独裁制です。民主制がきちっと機能している国は日本以外は欧米と数か国、つまり、三分の一もないのです。ではどうしたら善いか。これからの講義を通して考えて行って下さい。講義全体もそのことを考えるように構成してあります。的確に理解してくれ嬉しいです。

○(問3について感服した答え) 磨 為 愛 誇 秀 憧 昇 導

★以上が感服した答えでした。深い意味を感じました。

○今日の話と全く関係ないけど閏年や閏秒がある理由が気になった。

★はい、疑問が学問の第一歩です。つまり、自己肯定の第一歩です。是非とも自分で調べてみて下さい。これだけではそっけないので、太陰太陽暦がキーワードです。

○人間の中で男性は女性よりも心が弱いということをこの講義で教えられましたが、私は男性の方が女性よりも心が強いと信じています。

★そうですか、そういう直感を大切にして下さい。その次にこれを學門にして下さい。まず「男性の方が女性よりも心が強い」という客観的事実(万人に共通する事実)を探して下さい。私は男性の犯罪率が高いこと、アルコール依存症や薬物依存症が多いこと、極限(例えばハイジャックでの監禁)のストレス耐性が低いことの客観的事実を挙げました。そこで次に、ではどうなのか?という具体的な考察に入ります。是非とも客観的事実を探してみて下さい。

○さっき神様がきめていると言っていましたが、神様の上に神ゼウスがあるのですが、あれはまとめて(た?)神と言っていいのでしょうか。

★まず、ゼウスは神です。空の神であり雷の神です。次に私の記憶に基づき、本の出典を失念してしまって申し訳ないのですが、初期のゼウスは他の神々と同格に近い神でした。父クロノスとの支配権の争奪の時です。他のヘルメスやポセイドンなどです。不倫などを繰り返し妻ヘラに怒られる人間味も感じさせます。しかし、年代を経るとゼウスの神が全能神に近くなっていきます。つまり、他の神々から超越する神になっていきます。古代ギリシャから古代ローマに移る、キリスト教が浸透するなどの原因によってです。以上でどうでしょうか?

○銀河英雄伝説というアニメのように民主制より独裁の方がいいということがこの先ありうるかもしれないと感じました。

★そこまで感じてくれて嬉しいです。講義をして良かったです。ちなみに銀河英雄伝説、知っているんですね。アニメも良いですが、小説はとっても良いですよ。オススメです。銀英伝が現在まで支持されいるのは根底に流れる民主制か、独裁制か?というテーマが深いからではないでしょうか。

○哲学は国のためになることをやればいいのだろうかと思った。

★良い点に気が付いてくれました。正確には「国を想うこと」と「国を想ってする行動(やること)」とは全く別のことです。3人の(希)哲学者は「国を想うこと」を出発点にしましたが、「やることはバラバラ」でした。今後の講義で具体的に述べていきます。

○女性は金に汚いと言った後、「男だって女性から見れば」といいかけて、止めたが、何でか気になった。

★質問有り難う。正確には「20歳を過ぎてくると女性はお金を重視するようになる」と言いました。男性から観れば「汚い」になるでしょうが、女性から観れば生存のために当然なのです。では続きです。「男だって女性から観れば、現実を見ないで夢ばっかり追っかけている(金は二の次)」、「男だって女性から観れば、化粧に騙される。だから女性は化粧をする」、「男だって女性から観れば、女性の本質を見ないで幻想ばっかり追っかけている(アイドル、二次元)」・・・幾つも出てくると想います。3つで止めておきます。続きを考えてみて下さい。

 以上です。


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