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哲学1-2 学生コメント集

 学生が書いた感想などと高木の返信をまとめたものです。

 学生の書いた本文はそのまま、とします。高木が補足する場合は()を付けます。○は学生のコメント、★:は高木のコメントです。△は補足です。考察をつける場合もあります。

 全体の傾向

:哲学の難しいイメージが変わった。
:自分の考えが変わって楽しかった。
:色々な考え方を知れた。
:自由に自分の意見を書けて楽しかった。

 などがありました。肯定的な意見が多かったです。


○お寺にお墓があるのはお上からの命令であったからだそうですが、なぜ神社にお墓がないのでしょうか?

★深い質問ですね。まず、神社にお墓はあります。私は講義で「お墓がない」とは言っていないのですが、この辺りは大変微妙になります。というのも神社とお寺が一緒になっていた歴史があるからです。神仏混淆(こんこう)、あるいは少し意味が変わりますが神仏習合で、神社の中にお寺があったし、お寺の中にも神社がありました。その関係もあり神社にお墓がないこともないのです。ただ、元来神道はお祀(おまつ)りの宗教であり、骨を崇めるなどの習慣はありませんでした。元日もお墓参りではなく神社にお参りするようにです。お墓は元来の神道にそぐわないという点を覚えておいて下さい。神仏混淆については後の講義で触れます。

○問にはもっと簡ケツ(簡潔)に答えた方が良いのでしょうか。

★簡潔でも良いです。プリントを拝見しましたが問1から問3の解答の流れは大変興味深いものでした。選挙の投票率の低下は納得もしました。大学は自分を磨く場です。この講義は簡単に成績の優を取れる講義です。優を取るのを目的とせず、自分を磨くことを目的とするならば、今回のようにじっくり論じられるのをお奨めします。

○もう少し字を大きく書いてほしい(2名ほぼ同じ文章)

★失礼しました。次回気をつけます。

○自分の中で善がわからない場合はどうしたらよいのかがわからなかった。

★そういう時は「善」を探して下さい。てっとり早く確実なのは本を読むことです。『論語』か『墨子』をお奨めします。簡単な文章なら『中国聖賢のことば』です。amazonで200円で売っていました。分からないことが出てきた時、それと向かい合って深めていって下さい。

○ブログは一か月に何人ぐらいの人が見ますか?

★よく分かりません。人数を数えるカウンターをつけていませんので、どうなんでしょうか。全体の順位が出ますが、社会系で数百番台とか千何番とかです。

○授業内容と自分の思想がまったく噛みあわない。思想を強制されているようで不快に感じる。

★そうでしたか。□□くんの思想はどういう思想なのでしょうか。興味がありますので時間がありましたらレポートにして読ませて欲しいです。私の方の思想はこのブログや講義で知り得るのですから。次に、思想が異なるからさらに深まるのではないでしょうか。一から全ての思想を構築した思想家は存在しません。自分と異なる思想や観点を取り入れてより豊かになっていったのが思想史です。私の講義から取り入れられそうな部分は何かないでしょうか。最後に、私は思想を強制しているつもりは全くありません。講義の冒頭で「私と異なる意見を事実に基づいてきちんと書く方が良い点が取りやすいです」と述べています。ですから、違う思想を持っていることを受け入れますし、私の思想を押しつけるつもりはありません。繰り返しになりますが「思想を強制」するつもりはありませんので、その点は誤解なきようにお願いします。

○(質問)みんなと違うことをしている人は間違っている人ですか。

★間違っていないです。まず、「みんな」が均一ではありません。「みんな」同じことをしていません。例えば、大学短大に進学する人が半分、しない人が半分。「みんな」同じことをしていません。30歳男性で結婚している人半分弱、結婚していない人半分強です。基本的なことでさえ、「みんな」ばらばらです。どちらかが間違っているでしょうか。全く間違っていません。ただ、「みんな」と違うと不安になる人はいます。その問題は別の問題ですので、もし興味があればまた質問してみて下さい。

○哲学的な答えになるように(自分なりに)考えて、問に答えた方がいいのか、それとも本当に素直に思ったことを答えとして書いた方がいいのか。

★私は前者をお奨めします。やはり色々と考えて積み上げていく時期ですから。そして40代から50代になり積み上げてきたものを磨き上げていく時に、自分の心を素直に出していくのが良いのではないでしょうか。

○「人は先祖から生まれた」の考えでいいが、そうすると、一番最初の人はどうやってうまれたのか、ぎもん(疑問)だ。

★人の前は類人猿です。一番最初の人は猿の突然変異で生まれました。もちろん、環境による淘汰と長い時間が掛りますが。

○ザビエルの話がとても興味深かった。質問に対する答え方があまり分からない。分りやすく説明してほしい。答え方を。

★まず、このブログの高木の記述内容を見て下さい。具体的にはその程度の記述で十分です。ただ、ブログのように長く書く必要は特にありません。また、答える際に考えて欲しいのは、自身の知識を総動員して、なるべく多くの人を説得できるように、なるべく多くの人に共通の考えになるように答えて下さい。それを大学時代に持つ持たないでその後の人生が大きく変わってくると思います。答え方に心が向く□□くんに大きく伸びる可能性を感じました。

○問4において、おせちはえんぎかつぎ(縁起担ぎ)のものだと聞かされていましたが、それは間違いなのですか?

★間違いではなく正解です。お節はそもそも季節の変わり目に食べていたものですが消えていき、ご先祖様(神様)をお迎えする正月が残り、大切なので正月料理を単にお節というようになりました。次に縁起を正月に担ぐ理由はなんでしょうか。それはご先祖様に逢えて「嬉しいなぁ~」という気持ちを表すためです。あるいは単調な日常に区切りをつけるという理由もあります。縁起物は正解です。しかし、ではなぜ縁起物を正月に食べるのか?という問の存在論的解答があります。それは、正月にご先祖様が帰ってくるから、と、「人は先祖から生まれた」からです。

○今死んで5%くらいは納得できるとおっしゃっていましたが何故ですか? 自分は絶対できません。

★良く私がポロッとこぼした言葉を覚えておいてくれました。有り難う。幾つか理由があるのですが、2つ挙げます。1つは肉体の老いがどうしようもなくなっている現実があるからです。私はバスケットをしていました。20代前半はリングに触ることが出来ました。現在はリングの下の網に触れるかどうかです。白髪が増え、脂肪がつき、加齢臭もするようになりました。こうやって肉体は死に近づいています。「いやだ!いやだ!」と思ってもあきらめるしかない。もう10年もそういう生活を送っています。太宰など有名な小説家は40歳前で自殺がありますが、なんとなく分かる気がします。もう1つは、私が「死に向かって足掻(あが)いて書いてきた詩や散文」が行き詰っているからです。もうこれ以上の深みが出せないのではないか、という気持ちがあるからです。後は、世間受け、売れる文章、他の考えを入れて複雑にすることなどがありますが、私にはそれは退嬰(たいえい)にしか思われないのです。このまま、深みが出せないのなら、生きていることの精神的な意味がないのではないか、と感じています。後は父親なり、日本人なり、雄なり、そういった属性の生き方を深めるだけしか残っていないと感じているのです。以上です。私も20歳前後の時は、「死ぬのは納得でない」と思っていました。是非とも40歳になった時、この文をどのように読むか□□くんの言葉を聞いてみたくなりました。

○授業ででた先生の言った意見を自分はちがうと思うと思っていてもいいんですよね?

★もちろんです。思うだけではなく文章にして、どんどん私(先生)を否定し、非難し、批判して下さい。疑問もあれば投げつけて下さい。心の中は他人は決して入り込めない聖域です。学問の出発点は自己の発想の絶対肯定ですから、先生の言うことなど最初の段階では否定し続けていいのです。

○黒板の字をていねいに書いてくれ!

★はい! 次回気をつけます。

○哲学というのはやはり個人の意見で成り立っていると思います。しゅう教(宗教)も元々は個人論ですよね。話があるならその話を作った「人」がいるはずです。その「人」が作った話、つまり個人の意見のかたまりだと私は思います。昔話を元にした哲学はなっとく(納得)できません。

★堂々たる意見、嬉しいです。仰られるように哲学は個人の意見で成り立っています。しかしながら、その個人の意見を「なるほど」と思う人が多かったという事実もあります。「なるほど」と思う人が時代や地域を超えて出てきたことでその「人」の作った話が現在に残っている訳です。昔いた「人」の個人の意見が全て現在まで残っている訳ではないのです。その「人」の個人の意見を「なるほど」と何故多くの人が思ったのか? 同時に「思わない意見と思う意見の違いは何か?」と次は考えてみて下さい。また、□□くんは昔話を納得する必要はありません。御自身の意見を作っていって下さい。

○存在論というのは哲学の一種か?

★一種です。哲学、特に、近代西欧哲学は存在論と認識論の二つが二大テーマです。近代西欧哲学は古代ギリシャの哲学(プラトン)にキリスト教の異端であるローマ・カトリックをミックスしたものです。存在論はそのため「神はどのように、どこに存在するか?」というテーマに限定されています。

○ヘビは罪をおかして手足じゃなく羽をもがれたときいたことがありますがどうですか

★面白い話ですね。羽がもがれた、というのは初めて聞きましたが、訳としては素敵です。では、聖書の訳を『世界の名著 聖書』 中央公論社で見てみましょう。

「そこでヤハウェ神は蛇にむかって言った。
『こんなことをしでかして、呪われよ、おまえは、すべての家畜、すべての野獣の中で。これからおまえは腹這(はらば)いになって歩き、一生の間塵(ちり)を喰らうのだ。・・・』」

 原文の「腹這いになって歩き」の「歩き」が、手足があったことを推定させるのです。羽があったのなら「歩き」とは訳しませんから。ただ、原文の訳は訳者の力量によって変わりますから、「羽がもがれた」もおそらく妥当な範囲ではないか、と想われます。想像の範囲ですが。大切なのは、こうして疑問が出た時に原文に当たることです。興味深い質問で講義の後、ご質問を見てすぐに本を調べました。楽しかったです。

○ヘビは罪として手足をとられたと言っていまいたが、翼と間違えたりしないでしょうか?

★上の質問の答えで如何でしょうか。もし、訳文があれば見せて欲しいと思います。2つ同じご質問を受けたので、そういう解釈が成り立っているのかもしれませんね。興味深いです。

○なぜに哲学に難しそうだというイメージがあるのか?

★講義を先取りする質問、嬉しいです。第2回、つまり次回お話します。簡単に言うと、①存在論的解答が異なるから、②キリスト教神学が日本にないから、です。もう少し知りたい場合は、昨年度の講義録「哲学2-1 「私とは何か」と公平さ」の後半にある「―哲学の感覚」以降を読んで下さい。

「哲学2-1 「私とは何か」と公平さ」:  http://takagikenziro.blog.fc2.com/blog-entry-332.html

○先生は神の数学を見ましたか? 私は見たと思います。学者達が世界は(神)がどんな数式を書いていたのかを考えるおもしろいものだと思いました。

★講義で紹介するので「神の数学」見ましたよ。□□くんの言うように大変面白かったです。その出発点を今後やっています。

○死んだ後の話をきくと、生まれ変わるとか違う世界に行くとかなのに、なぜ永眠という言葉が出てきたのか疑問です。

★言葉に対する鋭い感覚を持っていますね。素晴らしいです。私の考えでは「永眠」とは「死なない」を意味します。「長く眠っているだけで何時かは起きてくる・・・のではないか?」という希望を込めた意味と解釈します。つまり、死を受け入れたくない、という解釈です。愛おしい人を失い受け入れたくないという気持ちは、万国共通です。これは宗教により異なる死後の世界のではないではなく、人の自然な感情の発露と解釈するのが良いのではないでしょうか。この発露に基づいて死後の世界の「不死」が出てくる、というつながりです。

○アダムとイブの話で、僕が知っている内容とはちがいました。僕が知っているのは、蛇がそそのかしてアダムとイブが食べてしまったという話しです。日本は空母を持っていないと思いますが、ひゅうが型は空母ではないと思いますが。

★前半と後半に分けてお答えします。
 まず、前半ですが○○くんの言う通りです。原文では、蛇が惑(まど)わし、イブが食べ、アダムが食べて、神様に怒られる、という話しです。ただ、ここで当然、疑問が1つ生まれます。「どうして蛇だけが悪賢かったのか?」つまり「知恵を使いイブを惑わせることが出来たのか?」ということです。この疑問から生まれるのは、「先に蛇が食べていて知恵がついた」と解釈が出てきます。私はこの解釈に従いました。野獣は人の後で生まれ、人のために連れてこられた、のにどうしてイブを惑わすのか? どうして蛇だけが一番悪知恵を持っているのか、の説明が原文にないことから推定されます。
 後半ですが、護衛艦ひゅうが型は確かに名称は「護衛艦」です。しかし、搭載機ヘリコプター最大11機であり、従来の、一般的な意味では「ヘリ空母」に分類されると考えます。ひゅうが型の名前が直ぐに出てくるのでご存知でしょうが、自衛隊は「自衛のための軍隊である」という前提ですから、ヘリ空母の名称を「護衛艦」と称さなければならないのです。しかしそれは政治的方便に過ぎません。そうした政治的意図に私は束縛された講義をしたくないので、「空母」と言いました。まさか、直ぐに「ひゅうが型」の名前が出てくる人がいるとは思いませんでした。嬉しいです。ちなみに、「艦これ」はやっているのでしょうか? ちなみに私は加賀派です!! 聞いてませんね、失礼しました。

○今日疑問に思ったことは、偉いことって何だろうと思いました。

★深い質問ですね。私もあれこれ考えてみましたが、「誰かのために生きる」ということでしょう。漠然としていますが、共通点を探すとこの辺りに落ち着くと思います。新幹線が50周年を迎えましたが、(衝突や脱線等の)事故による旅客の死者が0人だそうです。ただし、安全確認を怠っての死亡事故はあるようです。世界で唯一と言えるこの偉業は、それを下支えする方々の御陰なのは言うまでもありません。これを支えたお名前の分からないけれども、この「誰かのために生きる」方々は「偉いこと」を積み上げてきたのだと考えます。こういう風に考えると身の回りに「偉いこと」が沢山あるのが見えてこないでしょうか。是非、考えながら探してみて下さい。

○神様というのが本当に存在するのかという部分が少し気になった。

★講義を理解し次に出てくることを御自身で考えられており素晴らしいです。今後の講義で述べていきます。先に大切な点を挙げておくと「存在する」の意味が幾つもあることです。個人の心の中の「存在する」、社会全般の合意として「存在する」、物質として「存在する」などです。それぞれに分けて、御自身の疑問を深めていって下さい。

○先生が描くヘビはとてもかわいいです。

★嬉しいです。講義中も笑いが起きましたもんね。楽しくやっていきましょう。

 以上です。沢山の、深い、鋭いご質問、ご意見を読めて嬉しかったです。



 
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