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講義録14-4 その他原発の諸問題 原発における計画被爆の問題と企業向け定量制料金の問題など福島原発事故前の講義内容

原発の運転上の、あるいは復旧作業や廃炉作業における計画被爆の問題です。

 原発は停止中、運転中、検査中、廃炉作業など全てで、作業員が被曝します。

 「被曝(ひばく)」と書くそうですが、それは「被爆(ひばく)」が「爆(ばく)弾」を受けたわけではないからだそうです。しかし、自然科学的には「放射線を受ける」点で同じなのです。こういう、高木の独断で申しますが「小手先の誤魔化し」は、敗戦後のアメリカ支配の中で矛盾が生まれ、その解消として沢山出てきた、と感じています。例えば、反原発のデモの参加者水増し、一時期までの大相撲やプロ野球の「満員御礼」などなど。自衛隊は「軍隊ではない」なども、です。逆に、憲法9条を守りたい、というとっくに崩壊したソ連を有利にするための人々も同様です。原文を読んでみましょう。

1.日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2.前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

 「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」とあります。警察官の拳銃などは一切保持できないことになります。さらに、包丁やバットなど武器になり殺傷能力のあるものも保持できないことになります。どうしてそれらに反対せずに、「自衛隊」だけに反対するのでしょうか? 機動隊には現在反対していないようですが、明らかに警察力(武力)による鎮圧を想定し訓練しています。「小手先の誤魔化し」だと考えます。
 もう1つ、補足すれば、憲法原文の中に『これ』が多くないでしょうか? もう1度読んでみてください。不必要な『これ』が沢山あります。これも原文が英語、つまりアメリカ人が書いた証拠である、と高木は感じます。

 日本人が書いた「大日本帝国憲法」は、

「第1条 皇位ハ皇室典範ノ定ムル所ニ依リ皇男子孫之ヲ繼承ス」に始まり、
「第4条 天皇ハ国ノ元首ニシテ統治権ヲ総攬シ此ノ憲法ノ条規ニ依リテ之ヲ行フ」で「この(此ノ)」が出てきます。
「第6条 天皇ハ法律ヲ裁可シ其ノ公布及執行ヲ命ス」の「其ノ(その)」が次の指示代名詞です。

 高木は古文と漢文が大の苦手でしたが、ゆっくり読むと読めます。


 さて、この「小手先の誤魔化し」が、福島原発事故後にはっきりとしたのが、「放射線の被曝」ではないでしょうか。福島原発事故前から取り上げていましたが、法律で一般国民は、1mSv(ミリシーベルト)までOKですが、原発構内の作業員は、20mSv、あるいは50mSvまでOK、というのです。作業員も一般国民なのです。もちろん、危険なので集まらず、外国人や騙して作業をさせるなどの被害が指摘されていましたが。しかも、作業員の被爆は、被爆ではないそうです。何故なら、

 「被爆することが前提で作業をしているから、被爆ではない」

のだそうです。これが「小手先の誤魔化し」でなくてなんでしょうか。しかも、その総量が、原発推進側の資源エネルギー庁によってまとめられています。この資料を原発反対派の本で取り上げているので公平さであると考え引用しました。
 
 配布プリント 1枚目 (裏) 『漠(ばく)さんの原発なんかいらない』 32,33P 大学所蔵なので「543 N86」も

 この図を見ると、社員の被曝は、5~15%程度(80年以降)で、社員外が95~85%の被曝をしていることが判る。

 電力会社の社員は危険な作業は下請け、孫受けの協力会社に任せる、という実態が明らかになる。また、この本の中にには「電気事業事業連合会(:電力会社の集まり)の委託で行われた労働者アンケート調査でさえ、「働かされる者は、ゴキブリ以下だ」といった回答があったのです。」32P  と述べられています。

 協力会社で働く人は年間5万人、次から次へと渡り歩く人が1万人以上いるそうで、「床にこぼれた放射性廃液をチリトリですくってバケツに入れ、ボロ布でこすって放射能汚染を取り除くといった作業に従事しているのです」33Pとある。

 そして、事故前から原発反対派から指摘されていたのは、先ほどのデータそのものが信頼できない点です。内部告発で「放射線計測器を切る」などが事故前からありました。今回それがはっきりと福島原発事故で出てきました。この点も是非、改善して欲しい点です。

 静岡新聞平成24年7月22日 31面 「線量計に鉛カバー 福島原発9人使用 被ばく隠しか 下請け役員指示」という記事です。

 タイトルが判りやすくそのままです。高木が推測するのは、

①鉛という重金属を加工して計測器に被せる、というのは個人で出来ることでない
②鉛という重金属を加工して計測器に被せる、というのは1回限りでは出来ない

 という点です。つまり、この事件は氷山の一角に過ぎない、という意味です。前々から金属加工されていなければ鉛カバーはつけられないでしょう。しかも、9個も同じ大きさに作ってあったのです。これには、組織性と継続性を疑わざるを得ません。

 また、カバーをつけた会社は「作業を請け負った福島県の建設会社「ビルドアップ」」とありますから、協力会社です。今後「ビルドアップ」を東京電力は出入り禁止にするのでしょうか。

 福島原発事故前の講義では、他に「原発を止めても真夏の暑い数日だけ電力危機になるだけ」、「原発があると予備の火力発電所を作る」、「原発は廃炉を含め長期の安定利益が得られる」、「原発は安いのモデル計算の問題」、「放射能測定のダブルチェックの問題」、「原発の安全解析をする際に正確なデータが出ない問題」、「原発は通常運転時のリスクは極めて低いが事故、災害時には極めて危険(20~40兆円の損害)」、「原発におけるフェイル・セイフ、フール・プルーフ、冗長性」などを挙げてきました。
 今回、特に重要と考えて「計画被曝」を取り上げたのは、福島原発事故による廃炉作業で協力企業の作業員が、つまり日本国民が被曝にさらされるからです。

 また、もう1つ「エコキュートで二酸化炭素が増える」、「企業が節電対策をしない定額制」についてです。
一番下に「サイゾー」6月号(2008年)の記事の全文を載せておきます。
 
 要約すると「オール電化の目玉エコキュートで朝にお湯が作られ追い炊きが苦手なので二酸化炭素は増える」と「3年で元が取れる省エネ設備を導入しないのは基本料金が高くて単価が一定。使えば使うほど割安になるから」である。田中優氏(足元から地球温暖化を考える市民ネット・えどがわ代表)のインタビューを基にする。このインタビューが公平なのは、東京電力広報担当に問い合わせをして、「データの用意がない」という回答をもらった点にある。

インタビュー記事:http://www.cyzo.com/2008/05/post_543.html

東京電力の企業向け定量制に関する1例(500kw未満)
:http://www.tepco.co.jp/e-rates/corporate/data/decision/index-j.html

ここに以下の文章がある

「お客さまがご使用された電力を30分毎に計量し、そのうち月間で最も大きい値を最大需要電力といいます。この値は、同時にお使いになる負荷設備が多いほど、大きくなります。」

つまり、「ずーっと一定額で使ってください」という料金なのである。昼の暑い時期に合わせて、他の時間は節電する必要が無い、というシステムになっている。他のケースもある点に留意が必要。同時にどの程度の会社が節電向きの選択しているかの「データの用意はない」と提供してくれない点にも留意が必要。

 以上で、講義は終わりました。

 最後は、学生コメント集です。ただし、学生の皆さんに返却する時期が迫っていたので、掲載したのは大分前になります。右側の一覧では順序をそろえます。

 念のため「学生コメント集」のリンク先です。
http://takagikenziro.blog.fc2.com/blog-entry-179.html


 「サイゾー」6月号(2008年) の記事

「オール電化はエコじゃない!? 東京電力「企業優遇」の商魂(前編)
http://www.cyzo.com/2008/05/post_543.html

ガスを使わないオール電化住宅。ガス会社との間にも、激しいシェア争いが繰り広げられている≪「オール電化」は、キッチンや給湯などの生活エネルギーをすべて電気でまかなう賢いライフスタイルです(中略)エコロジー&エコノミーな快適が簡単に実現します≫(東京電力のHPより)
 従来のガス併用住宅では、料理したり風呂を沸かすたびに、CO2の排出を目の当たりにしていたが、オール電化住宅ではそれもない。しかもその電気が、発電時にCO2を排出しない原子力発電によって供給されているとなれば、地球温暖化の歯止めにも期待が高まる。また、給湯や暖房に使用する熱の蓄積を、電気料金の安い夜間に行うので経済性も魅力的だ。そんな、いいことずくめのオール電化が、着実にシェアを伸ばしているらしい。
 
 ところがどうも、厳密に計算していくと、オール電化はエコではないらしいのだ。
 「足元から地球温暖化を考える市民ネット・えどがわ(足温ネット)」代表の田中優氏は、オール電化の環境への影響について次のように語る。
「オール電化で、夜間に増えた分の電力需要は、発電時にCO2を排出しない、原子力や水力も含めた発電で賄われるという言い方をされていますが、実は火力発電で賄われています」
 原子力発電は、出力を強めたり弱めたりすると不安定になるため、常にフルパワーで回し続けなければならない。こうした電源は「ベースの電力」と呼ばれ、電力供給の底上げに使われる。一方、電力需要の波に合わせた発電量の調整は、出力の調節ができる火力発電によって行う。すでにどの時間帯でも、電力需要は原子力発電の発電量を上回っているので、オール電化で増えた分の夜間の需要は、火力発電によって賄われることになる。
「なので、オール電化住宅のCO2の排出量を計算する時は、火力発電単独で計算しなければなりません」(田中氏)
 火力単独で計算すると、オール電化によって、家庭で抑えられるCO2の排出量を上回る量のCO2が、発電時に排出されることになるというのだ。
 それでは、オール電化の目玉のひとつ、エコキュートはどうだろう。これは、空気中の熱を集めて圧縮しお湯を温めるヒートポンプという技術を取り入れ、電気温水器の5倍の効率で熱を生み出すという給湯設備だ。
「エコキュート自体は、とても効率がいいです。でも、夜間の安い電気でお湯を沸かすので、最も温められるのは朝方。たいていの人はお風呂に入るのは夜ですから、その頃には冷めてしまう。エコキュートは追い焚きが苦手なので、冷めた場合は、結局、効率が悪くなります。オール電化で、電気料金が安くなることはあるでしょう。でも、CO2の排出量は逆に増えます」(同)
 実はかえってCO2の排出量を増やしていたオール電化。これでもエコと言えるのか? 東京電力に聞いてみた。
(逸見信介/後編へ続く)

 「オール電化はエコじゃない!?東京電力「企業優遇」の商魂(後編)」
http://www.cyzo.com/2008/05/post_560.html

東京電力HPより。確かに料金は安くなるようだけれど……
「私どもの見解としましては、ベストミックスというのですが、火力・水力・原子力の3つを組み合わせて発電しているということを前提としています。結果、10%の省エネルギー効果、25%のCO2の削減効果が期待できるため、(オール電化住宅は)省エネ性、環境性に優れた住宅であると考えています」(東京電力・広報担当)
 東電の見解は、あくまでオール電化の電力は、水力、原子力からも持ってきているというもの。しかし、解釈がどうであれ、全体として排出されているCO2の量が減っているということはないのだ。
大口客=企業に優しい料金体系
 田中氏は、家庭のせいにばかりする現状にも疑問を投げかける。
「そもそも、家庭のCO2排出量は全体の5分の1程度で、大半は産業なんです。でも、大口の顧客である産業界からの、『こっちに目を向けさせるな、消費者のライフスタイルのせいにしろ』という圧力があるので、家庭のせいにされています」
 CMで、「電気を大切に」などと、さかんに宣伝されているため、電気の無駄遣いを反省する人も多いだろう。それ自体は非常に有益なことだ。しかし一方で、消費の大半を占める事業者の省エネ対策は、さほど進んではいない。その大きな原因のひとつに、電気料金の設定が挙げられる。
「今、企業は、3年で元が取れる省エネ設備すら導入しません。なぜなら、企業向けの電気料金は、基本料金が高くて単価が一定。使えば使うほど割安になるのです。だから、設備を導入して省エネするメリットがないんです。みんな省エネ製品を導入すれば、それだけで(CO2排出量を)約4割減らせる。仮に3割減らせば、それだけで京都議定書をクリアできますよ」(同)
 家庭では、使用した量が多ければ多いほど、単価が上がり、割高になる。このため、消費者は省エネ家電を導入するメリットがある。企業に対しても同じことをすればいいのだ。
「そうしないのは、電気を使ってもらいたいからでしょう。そうすれば、発電所をもっと建てられる。産業界での地位が、もっと高まりますから」(同)
 そうして増えに増えた日本の発電所。発電所は、電力需要のピーク時に電気を供給できるだけの数を用意しておく必要がある。日本はピークとそれ以外の時の差が大きく、発電所の稼働率が低く無駄が多いのだという。
「電気事業便覧というデータ集を見ると、日本の発電所の稼働率(負荷率)は60%程度。ドイツや北欧の72%に比べると、非常に効率が悪い。電力需要の波が大きすぎるのです。日本も同じように、稼働率を72%まで上げた場合、4つに1つの発電所を止められます」
 では、その電力需要の波を穏やかにし、稼働率を上げるためには、どうすればいいのか?
「実は、ピークははっきりしています。夏の平日、気温が31度を超えた日の午後2時から3時にかけてだけなんですよ。だから、この時だけ電気料金を高くすれば、ピークを分散することができます」(同)
 この点については、電力会社も対応を進めているようだ。
「大口のお客様の需要を抑制すべきだ、という指摘はごもっともな話です。ですので、すでにそうした取り組みは実施しております。たとえば時間帯別料金メニューなどを用意して、負荷の下がる時間帯や季節に応じて、ピークが分散されるように努めております。そうした契約【筆者注:使えば使うほど割安になる契約】もありますが、ほかにも省エネに繋がるような選択肢を増やして、お客様に選んでいただいている、という状況です」(東京電力広報担当)
 そうした料金設定を選ぶ企業がどの程度いるのかについては「(データの)用意がない」として回答を得られなかったが、田中氏によれば「全体の2%しか契約していません」とのこと。もう少しピンポイントに料金の値上げを行い、省エネ設備の導入メリット(あるいは浪費のデメリット)を大きくすれば、さらなる効果が期待できるはずだが、強く出られないのはやはり「大口のお客様」に対する配慮だろうか。
 環境への配慮をPRはするものの、結局、企業が最重要視しているのはコスト。省エネ=省コストではない現行システムのひずみが、環境への負荷を高めているといえるだろう。省コストと省エネを一致させるためにも、電力会社には、さらなる工夫が望まれる。
(逸見信介/「サイゾー」6月号より)
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