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講義録14 原発の社会問題と提言 原発の経済的弱点 原発を導入する法律上の理由 モデル計算と実値計算 二酸化炭素により地球温暖化説に観る政治介入 その他原発の諸問題

 皆様、こんにちは。

 ムワッとした熱気が、ムワムワと体に負担を掛ける陽気になってきました。明後日23日は大暑になり、1年で最も暑い気候になります。そんな陽気に誘われて、静岡市の温水プールに家族4人で行ってきました。幼児用のプールですが、背中に乗せて両手で歩いたり、鬼ごっこをしたりしてきました。午後は心地よい疲れの中で眠りました。子供を授かってバスケットを止めてから数キロ太りましたが、たまにこうして運動をすると、本当に気持ちが良くなります。健全な肉体にこそ健全な精神が宿る、と言いますが、それを実感しました。世の中を見つめていると、その闇の中に時々引きずり込まれそうになります。こうして時々、ふっと戻ってきて肉体疲労で精神を全肯定する作業というのが必要なのかもしれません。
 参議院議員選挙の結果が本日7月22日に出ました。自民党圧勝でしたし、ネット選挙の結果が2つの候補ではっきりと出ました。経済政策を評価しての結果であると新聞は伝えますが、技術者倫理の講義から振り返ると、光ばかりの結果ではありません。少し離れて観ると深い闇が見えてきます。というのも、尖閣諸島沖の石油やメタンハイドレートの試掘採掘をしてこなかったのは、自民党政権下なのです。米ソ冷戦構造が崩壊した後も日本の自主憲法制定や拉致事件の被害者救済を放ってきたのも同じです(中川氏の1回は例外として)。敗戦の統制下で既得権益を保持し続け、国益に反した行為を続けてきたのが自民党なのです。自民党のこの体質に闇が潜んでいます。保守主義とは常に改定し続けていくことを意味しています。日本国は2673年という世界最長の歴史を持つ国ですから、すぐには変わらないでしょうが、1つ1つ改定を目指していきたいと思っています。その1つの日歌詞が、参議院議員選挙の2人の候補者の当選にあると、私は考えています。
 墨子や孔子、プラトンやカント、ヘーゲル、伊藤仁斎などの先人達は自国の政治的危機を憂慮して、思想を展開していきました。私は足元にも及びませんが、今度も現在の日本を具体的実例として考えながら、このブログを続けていきたいと思います。なかなか暑苦しく語ってしまいました。

 それでは本文に入ります。

 昨年度の講義録14を元に述べていきます。

紹介し回覧した資料
:「有価証券報告書を用いた火力・原子力発電のコスト評価(松尾雄司氏資料)」 第35回原子力委員会定例会議 平成23年9月13日 1-27P
:http://www.aec.go.jp/jicst/NC/iinkai/teirei/siryo2011/siryo35/siryo3-1.pdf
 
:「水没国家 ツバルの真実 」第1回から最終回(第4回) 小林泉著 IDJ 

配布プリント

 1枚目
:「有価証券報告書を用いた火力・原子力発電のコスト評価(松尾雄司氏資料)」 第35回原子力委員会定例会議 平成23年9月13日 1.4-6P (リンク先は同上)

 2枚目
:『原子力発電の諸問題』 日本物理学会編 東海大学出版会 1988年 20-23P 大学所蔵なので「543.5 N71」
:『漠(ばく)さんの原発なんかいらない』 西尾漠 七つの森書館  1999年 30-33P 大学所蔵なので「543 N86」

 --講義内容--

 今回は、内容の要約を書きます。各内容の詳解は次以降の講義録の譲ります。今回学んで欲しいのは「原発には経済的弱点がある」→「経済的弱点を補うために国が国際政治によって法律上の保護をした」→「民間企業の原発導入」という流れです。そして「民間企業の原発導入のためにモデル計算を行ったこと」→「実値計算から観る原発」→「原発全体を考える」です。

 それでは要点です。

 倫理絶対主義は「倫理が判断基準である」→「国民の避難生活を強いる原発は停止、または否定」です。
 倫理相対主義は「倫理や安全、経済が判断基準」→「原発の経済性を考えてみる」→「公平に見る」です。

 高木は「倫理相対主義」ですから、原発の経済性を考えます。そうすると原発の経済的弱点が4つ出てきます。吉岡斉著『原発と日本の未来』からの要約です。

①発電時は火力と同等かやや優位(後で数字を出します)。しかし、インフラコストが高い。
 原発1基3000億円、長距離送電、立地対策、揚水発電など。

②原子炉の高騰
 火力発電所は1基数百億円で、数倍から十数倍 現在の高い石油天然ガスでも発電時原子力発電より安いガス・コンバインドサイクル方式も同様。

③最終処分のコスト不透明
 1000年以上の管理維持費は数兆円を超えるであろう。アジア各国は50~60年、ヨーロッパも200年程度。1000年に迫るのは、日本2673年、イングランド約1000年(イギリスは300年)、スウェーデン約900年くらいです。最終処分賞も世界中でフィンランドのオンカロだけです。

④高い経営リスク 
 初期コストが高い。住民反対運動が必ず起こる(インドや中国でさえ)。事故、災害、政治的変化に弱い。40年間の発電期間を設定しているが、資本が回収にリスクがある。
  
 ↓
 ①~④によって民間企業(電力会社)は原発を忌避(きひ)すべきと判断する
 ↓
 そこで、日本国政府は、手厚い法律を含む支援、指導を行った。その理由は潜在的核保有国と技術保持のためである。
 ↓

A)法律上の支援:原子力事業法:総括原価方式
 「原発は建設中でも費用が掛かれば、その分だけ必ず儲かる」という総括原価方式
○原子炉が高ければ高いほど利益が出る→原発をするように仕向ける

B)法律上の支援:原子力損害賠償法
 原発が事故を起こしても100億円(当初)だけで後は国(民)が全て負担する
○原発の10~20倍以上の高いリスクは国民が負担するので民間企業はリスクをほぼゼロに→原発をするように仕向ける

C) 各種支援制度の充実
 1)立地支援:原発の時は国が支援をする。TOYOTAの自動車工場を取得する際に日本国政府が立地を探すだろうか?
 2)研究開発支援:原発の研究は国がして成果は全て民間企業が得る。
 3)安全規制コスト支援:安全規制のお金を国が出す。
 4)その他諸々

 以上のA)~C)という原発だけの特別な支援を行うことで民間企業は以下の点を手に入れる

D)原発は必ず儲かる
E)原発は費用が掛かる方が儲かる

 このD)とE) によって原発は官民一体となり、民間企業の官僚主義が強まっていく
 ↓
 それゆえ、電力会社は事故の初期予防防止策や再発防止策を後回しにしていってしまうのである。

 法律などの手厚い保護と指導によって官僚主義に染まった他の業界としては、旧国鉄(現在のJR)や道路公団、前回指摘した自動車業界の半官半民などの業界が挙げられる。原子力発電だけが特別なのではなく、特別になってしまう社会制度がある。

 提言:原発の再稼働問題を考える時、エネルギー政策や安全保障だけでなく、法令の体系から観る社会制度全体を考える必要がある(講義録14-1)。

 提言:原発の歴史から学ぶことは、政治的介入が事故防止策を軽んじてきたことにあるのに、現在の原発再稼働の両方の議論も実値計算に基づかない政治的要因だけで考えている。実値計算に基づいて考えるべきである(講義録14-2)

 次に各論の詳解にいきます。

 

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