講義録9-1 「論拠の作り方」

(文意不明、文末の言い回しミス、誤字脱字は沢山あると思います。ご了承下さいませ。また、講義内容に大分加筆しています。)

 今回は一気に行きたいものです。

 「客観的事実の作り方」:作業
  ↓
 「論拠の作り方」:他人の意見は私の考えを
 
 具体的には 問1 アンダーラインを私の論理的な文章にしなさい(1文)  をやってもらっていました。

 さて、ここで新聞を紹介しました。私は8時から8時10分に大学に付きます。それから当日にプリントを180~190枚刷ります。大学の出勤を教務課のパソコンで行い、8時30分に教室に入ります。最近は多くなってきました、今日は10人はいました。早い人にはなるべく手渡してプリントを渡して必ず「おはよう」と一言かけます。その後、大学の図書館に行き、今日の講義で回す本を借りてきます。当日にプリントを刷り、本を借りる理由は、私の「熱」をそのまま学生の皆さんに伝えたいからです。もう1つは、講義の直前まで情報を集めたいからです。今回の回す新聞も、講義当日の朝刊にしました。朝日、毎日、産経新聞の朝刊トップのコピーです。以下、主な見出しです。

毎日新聞:要介護者 避難準備区域に33人 東電料金16%上げ 来年度賠償10兆円と試算

朝日新聞:被曝限度250ミリ超8人に 不信任案に欠席民主が甘い処分

産経新聞:宇宙覇権日中バトル 資金調達に機構債 原賠支援法案きょう閣議決定

 狙ってはいなかったのですが偶然にも3紙の見出しが全て違いました。
その理由は、新聞のニュースの出し方の特徴を見ると理解できます。新聞社は自分の会社の記者が調べてくるニュースと、ニュースを新聞社に売る通信社のニュースから情報を取ります。ニュースを新聞社に売る通信社で代表的なのは、海外では「AP通信」や「ロイター通信」、日本では「共同通信」や「時事通信」です。沢山の情報源から新聞社は情報を取り、それを編集者が選別します。これは講義でやってきた、

「膨大な事実→自分の感情(直感)で選ぶ」

 の作業そのものなのです。新聞のトップが異なるのは編集者が選ぶからなのです。ですから、新聞は特定の個人の考えによって膨大な事実(情報)から選び出されているのです。そして編集者が「私の論理的な文章」にして(文字に起こす、と言われます)、さらに編集長が他の記事と比較して大切だ、と結論づけたものを新聞のトップ記事にします。これも、

「膨大な事実→自分の感情(直感)で選ぶ→私の考える論理的な文章→他人の論理的な意見と比較→結論」

と全く同じです。書きなおしてみましょう。

「膨大な情報→自分の判断(直感)で選ぶ→私の考える論理的な文章→他の記事の文章と比較→ニュースの価値があると判断して見出しに」

 全て繋げると長くなりますが、

「膨大な情報→自分の判断(直感)で選ぶ→私の考える論理的な文章→他の記事の文章と比較→ニュースの価値があると判断して見出しに→新聞の記事を私が見る→自分の感情(直感)で選ぶ→私の考える論理的な文章→他人の論理的な意見と比較→結論」

 長くなりました。ここで最も大切なのは、一番最初の「膨大な情報」を切り捨てて
「新聞記事になる」、その「新聞記事」を切り捨てて自分の結論を出す、ということです。つまり、何かの主張には、その奥に膨大な情報やニュースがある、ということを忘れてはならないのです。専門家でも全ての情報を見ることは不可能です。ですから、私たちは常に「自分が間違う可能性」、「自分の意見と異なる可能性」を受け止めなければならない、と考えます。これは私の研究しているカール・ポパーという科学哲学者が「反証可能性」として言っています。「科学とは反証可能性を認めることです」と言っています。私はこの現実から、「学問とは常に自分の情報不足があることを受け入れなければならない」と考えています。私かこの講義で学生の皆さんに「公平性」として賛成側と反対側から考えてもらいたいのは、この膨大な情報を全て見きれないから、なのです。原発は核物理から政治学にまで広がる分野で全てを把握している人はいません。それでも私たちは考えないといけないと思います。とっても大変ですけれども。その手助けになるのは、

 「全て見ないと意見を言えない」のではなく「賛成と反対から公平に考えたから言える」

 ということです。仲間の皆さんが調べてきてくれたプリントですが、どうですか?知らないことはありましたか? 私は半分くらい知らなかったです。それでも自分の考えをこうして述べさせてもらっています。もちろん今後も調べていきますが、終わりがないことも理解しています。

 さて、新聞の朝刊から論文の流れがつながりました。さて、今日はグループワークではなく私が他人の論理的な意見を言わせてもらいます。ちなみに、グループワークは170名強のうち、80名以上が肯定的な意見でした。「とっても楽しかった」や「またやりたい」や「就活に役立ちそう」や「クラスがないからこんな風に初めて話せた」などなどです。対して否定的な意見は6,7名でした。「話すのが苦手だからやりたくない」などです。
 ただ、前回のは「グループワーク」であって「グループディスカッション」ではありません。やってもらったのは「自分の意見を言う→他人が書く」と「他人が意見を言う→自分が書く」だけです。ディスカッション、つまり話し合いは、相手の意見を受け入れてその上に自分の考えを重ねていく、ことです。これにはある特定の訓練が必要です。そうしないと感情的になったり、やった後にぶつかったりします。実は、このグループディスカッションも大変ためになりますからやってみたいのですが、何せこの講義の目的は「技術者の倫理」ですからあまり時間がありません。他の時間があれば是非やってみて下さい。また、就職でのグループ面接は、グループディスカッションの相手の意見に重ね合わせる、という双方向的なコミュニケーションが求められます。是非そちらの方でお薦めします。やっていないのであれば提案して見て下さい。
 そう考えると前回のは「グループワーク」であったことが分かってもらえると思います。自分の意見をいうだけ、他人の意見を書くだけです。さて、今回は私の意見を聞くだけ、です。心に止まったものはメモして下さい。以下、文の抜粋や要約がしてあります。

 No.13 ④
原文:福島第一原発を設計した東芝の元技術者小倉志郎が「1967年の着工時は米国ゼネラル・エレクトリック社の設計をそのままコピーしたもので津波を全く想定していなかった」と明かした。

私の口頭説明:まず、この人は内部告発者ですね。内部告発者が不完全な法律、つまり公益通報者保護法で守られていない現状がはっきりしましたね。彼は東芝に現在勤めていません。ですから、内部告発者(公益通報者)が守られていない、と講義を思い返して下さい。
 次に、これまでも講義の最初で述べてきたように、原発は米ソ冷戦の時に、日本をアメリカ側に入れておくために導入した、という具体的な事実です。アメリカが導入したいからそれに従ったのです。これはブログで紹介する動画にありますから、来週までに見てきて下さい。
 最後に、アメリカは殆ど地震もなく津波も考えなくていい設計でも大丈夫かもしれませんが、それを地震大国、津波に大国の日本にそのまま持って来た、ということは、大きな問題ですね(逆に言うとその後改良していった日本人技術者の涙ぐましい努力、あるいは倫理感を私は感じますが、述べませんでした)。ですから、今回の福島原発は私が「欠陥炉」と言ってきた理由もここにあります。アメリカでは「欠陥炉ではない」けれど日本では「欠陥炉」になってしまった、というのが正確かもしれません。

 No.13.⑤
原文:東芝の耐久性グループ長だった後藤政史さんは「フランスでは、内圧が上がりにくく、放射性物質が漏れにくい巨大なフィルター付き格納容器を造った。我々も必要を議論したが会社は不採用をした」と語っている。

 私の口頭説明:感想がいいですよね。
「この記事を読んで初めに思ったのが教科書のスペースシャトルチャレンジャー号の爆発事故の『技術者の帽子を脱いで経営者になりたまえ』という言葉だった。」
 この講義では、「技術は社会的要因によって簡単に捨てられたり、あるいは劣った技術でも採用され続ける」という実例を示してきました。この原発の工学的安全で許容可能なリスクを格段に下げることが行われなかった1つの例になります。アメリカの、スペースシャトルの、そういう私たちから遠い話ではなく、技術者の倫理は身近な話なのです。
 ②もちろん、今回の福島原発で放射性物質が漏れにくいフィルターをつけていたら、現在よりも放射能汚染が小さかったことは言うまでもないですね。

 No.13.⑥
原文:ドイツのメルケル首相も「日本からの情報は矛盾している」と繰り返した。

 私の口頭説明:これは皆さんも感じていることではないでしょうか。福島原発事故では、政府は「安全です。でも飲まないで下さい。食べないでください」と言っています。それをチェックしなければならない新聞社は自分の記者は50キロ以内に入らないと自分たちで決めておいて、「原発は安全です」と言っています。その中で現場に直接入った映像をご紹介します。実は元々の長さは60分あります。でも、講義で調べてきてもらうには、2時間を超えるのは長いかな、と思いました。ですから15分版にしました。元々の動画を下の方に貼っておきますから、時間がありましたらどうぞ。是非どうぞ。

 No.14 1枚の図表になっているので①~⑥などはなく、右左で。

本文:プリント右下:※ベント 放射性物質を含む蒸気を意図的に外部の放出すること

 私の口頭説明:こうやって判らない言葉を調べておくのはとっても良いことです。特にベントは今回の事故の直接の原因ですから。その横に

本文:プリント左下:ベント作業を開始←現場で作業していた作業員ですら事前に知らされないまま準備が進められていた

 私の口頭説明:現場の作業員が何をするか知らされないまま作業が進められている、という企業体質は、少し講義で述べた東海村JCO臨界事故の直接の事故原因でしたね。被曝して亡くなった方々は放射線や臨界の知識がないまま10年以上作業していました。あの事故からもう10年以上経っていますが、改善されていないんですね。その理由を今後も考えていきましょう。

本文:プリント左上:震災から約2カ月経った今になって判明した事実が多くある。政府と東電の発表の内容がくい違うことも多くある。5/17(火)の授業での問いにもあったように、インフォームドコンセントとパターナリズムについて考えた時、政府や東電、中電の対応によって国民の意見も異なってくる。・・・例え国民のためを思って、パターナリズムを選んだとしても、それによって国民を危険にさらしたということになればその罪は重い。

 私の口頭説明:まず、なぜ2カ月経ってからなのでしょうか? ここで「思ったことがある人」と挙手を求めました。「国民に不安を与えたくなかったから」などの意見が出ました。はいそれも正しいですね。では私の考えも聞いて下さい。それはプリントNo.20の下から3番目を見て下さい。

本文:国際原子力機関(IAEA)の福島第一原発事故調査団を(5月)24日から6月2日まで受け入れると発表した。
とあります。ですから発表したのです。日本国民や日本の組織は「空気」があるから、抑えつけておけるし、隠していても平気。けれども、外国人は「空気を読まない」からきちっと事実を発表しておかないといけなくなる。先に発表されると困るのでバタバタ、と「メルトダウンしていました」という発表をします。これは戦後日本にずーっとあった話で「外圧(がいあつ)」と日本では卑下して言われます。つまり日本人では日本の悪い部分を変えられないけれど、外国からの圧力で変われるんだ、という意味です。もしかしたら、原発を導入したのは「外圧」の悪い典型例かもしれませんが、コンビニは「外圧」の良い典型例かもしれません。日本の中でも特に静岡県はコンビニがありませんでした。それが日米構造協議、聞こえは良いですが「アメリカの言うとおりにしなさい」という協議で、「静岡県はコンビニがなくてけしからん」と言われたのです。それで静岡市では殆どなかったコンビニが、今では沢山あります。静岡市では最初の頃に出来たコンビニは嫌がらせを受けていた、というのを風のうわさで聞いたことがあります。事実として日米構造協議で「静岡はコンビがない」と批判されてからコンビニは爆発的に増えました。
 このIAEAの調査団の報告書や日本政府がその前後に公開した情報は、今までの発表と180度違うものもあって中々面白いですよ。日本国民には知らせなくていい、と考えていたんだなぁ~と実感できます。それと今も法律違反があるのですが、それも早く自然科学の知識と法律通りになることを望んでいます。さて、次に行きましょう(最初にも書いたように大分加筆してあります。あるクラスで3、4単語で言っただけです)。

 No.14 プリント左下
本文:静岡新聞の実施したアンケート、浜岡原発全原子炉停止について、県民85%が納得できる・おおむね納得できる、停止要請に静岡県県議会議員評価する33人、評価しない34人、判らない2人

 私の口頭説明:この県民の反応は私たちの感覚を表現しています。これと前回のプリントで、事故前の「原発は安全だ」という半数の国民の判断を重ね合わせてみて下さい。如何に今回の事故が大きかったか、が分かります。
 ②「県民の感覚と県議の評価のずれは何故起こるのでしょう?」 この記事の元を見てみました。そうすると、自民党系の議員は「票稼ぎ」だと評価しない、とありました。つまり、菅首相の決断が良いと自分たち自民党が票を失うから評価しないのだ、というのです。これを聞いてみなさん、どう思いましたか? 「だから政治家は腐っている!」と思いましたか? そうではないですよね、「政治家は私たちが選んでいる」のです。政治家が国民の感情と違うとしたら、それはそういう選び方をしているからです。
 今までは、原発を知っていけば「国に任せていた」とか「国が言うから安心だと思う」という言葉が出てきたでしょう。これは選挙と同じなのです。「自民党だから安心だと思う」と判断してきました。だから、「私の選挙区の自民党は、Aさんだ。Aさんは良く分らないけれど自民党だから入れよう」という行動をしてきたのですね。だから、政治家さんもチェックを受けなくなってしまう。それが現在までの実態です。ですから、これから皆さんはこの日本国の最終責任者になりますから、選挙前に1人3分で良いですから検索して下さい。携帯でチョコチョコっと。選挙区に3人いたら、9分間検索して下さい。それで投票して下さいね。そうそう、この県議、実は皆さんも選挙権をもっていたつい先日の選挙で選ばれた県議なんですよ。
 
 No.15 ②
本文:歴史的にも有名なチェルノブイリ原発と同じ「レベル7」であることは驚いた。自分は地震による被害は直接受けていないので分からないが、実際にはそんなに酷い事故だったのか?

 私の口頭説明:これは感想ですね。「レベル7」について疑問が書いてあります。今回の原発事故は、京(けい)ベクレルの放射性物質が出た、と言われています。京は、1の位、万、億、兆、京です。普通新聞記事になるのは、億ベクレルからです。チェルノブイリも京ベクレル。何分の1かですが、単位としては同じです。ですから、普通のニュースの1億倍以上です。もちろん、構造的なことから言えばチェルノブイリとは全く違いますが。後、「被害を受けていない」と書いてありますが、違いますね。受けています。お茶から大量の放射性物質が検出されているでしょう。ですから私たちの周りにも同じ量の放射性物質が降り注いできて、汚染されていない人はこの中に一人もいませんよ。全員汚染されています。それが確率的に影響が出てきますから、分からない、だけです。その話は前回にやりましたね、荒茶の食品の所で。

 No.15 ⑥
本文:原発事故での使用を想定し国の予算30億円で開発・製造された遠隔操作ロボットが使えなかった。想定の甘さにショックを受けた。これが原因で作業員の方々が犠牲になっていることを東電は深刻に受け止めるべきだ。

 私の口頭説明:来週は動画を見てきてもらっての講義をします。その次の週は、昨年までの講義をそっくりそのままやるつもりです。事故「前」の講義ですね。私が不十分な所もありましたが、そのままやろうと思います。昨年までのその講義で使っていた資料にこのロボット問題がありました。このロボットは「検査」ロボットなんです。つまり、ガレキを綺麗にする「作業」ロボットではなく、単に放射線の量を測定するだけの「検査」ロボット。そして、600キロだったか非常に重たくて、さらにはバッテリーが1時間しか使えないロボットなんです。地震で壊れた地盤に600キロのロボットが入れるでしょうか? 壊れた後に片付けは人間がするんでしょうか? それでも現在出来てるのがこの「検査」ロボットなのです。つまり、原発は「絶対安全」と考えてきたからこのようになったのです。
 私は斜めからチィラっと見ているだけですが、この大学にはとても素晴らしい機械系の先生が何人もいらっしゃいます。その先生に、予算30億円で検査ロボット造って下さい、とお願いしたら、1時間以上動くロボットを作ってくれるんじゃないでしょうか。600キロよりも軽く、荒れ地でも入っていけるような。どうしてこうなったか、考えてみて下さい。

 No.16 一番上
本文:地震により1~4号機は受信設備が損傷、5,6号機は送電線の鉄塔1基が倒壊。受電不能となり、全電源喪失となった。

 私の口頭説明:これまで講義で言ってきたように、「原子炉」はひびが入っただけでした(と言われています)。けれども、周りの電源設備は倒れました。これは柏崎原発事故などで分かっていたことでした。つまり、周りの電源は地震で倒れる、と。それは耐震設計が周りの住宅地と同じかちょっと強いかくらいなのです。それがはっきりと判るニュースですね。ですから、今回の事故の本当の原因は電源喪失なのです。それによって冷却できなくなり、この冷却がずっと必要、というのは火力発電ではないものです、原子力発電だけの特徴です、メルトダウンにつながりました。

 No.17 一番上
本文:茨城県土浦市の市民生活部の課長補佐ら3人を訓告と厳重注意処分 有給をとって避難したらしい・・・

 私の口頭説明:これはネットでも批判されていましたが、私はこれ、訓告と厳重注意処分は可笑しいと思っています。何故なら、彼らは一般の公務員です。ですから、警察や消防のように特別な訓練も特別な手当てももらいません。そして有給をいつとるかは本人に任されているのです。これは法律に書かれた労働者の権利です。それでも、それを行うと周りから非難される。非難されるだけではなく注意されて罰せられる。これは日本特有の悪しき習慣だと思っています。つまり「空気」です。「みんな苦しんでいるのに一人だけ安全な所にいるのはけしからん」という「空気」が、労働者の法律的な権利より優先される訳です。
 これも昨年までの講義で言ってきたことですが、まあ、かみさんが聞いている前でも言いますけれども、ある大学の先生が電車の中で痴漢行為で捕まりました。捕まって新聞で発表された後に、直ぐに首になりました。法律に基づいた裁判の判決、つまり刑事罰が下される前に、首になったのです。「ああ、あの人ならやるよな。普段からそうだもんな」という「空気」が、刑事罰に優先した訳です。これだと逮捕されただけで首になります。ですから、私が電車に乗っていて、横の女子高生が「キャー!」と叫んで、勇気ある男子高校生や男の人、車掌さんがたまたま近くい居たら、私は来期からこの大学で講義が出来ません。首になるのですから。
 良い悪いは別にして、このように日本の倫理は、法律を超えることが度々あるのです。危機の時は、本性が出てきますよ。私は彼らの訓告や厳重注意は可笑しいと思います。

 No.17 上から5番目
本文:国家公務員の給料10%カット 納得がいかない

 私の口頭説明:これはインフォームドコンセントの問題でもありますね。どうして国家公務員の給料を全員10%カットするのか。きちんと説明がされていない。お金がない、訳ではないのはちょっとしたマクロ経済を知っている人なら分かることです。ですから、全員の10%カットは可笑しい。これは国会の質疑でも取り上げられました。給料10%カットすればさらにデフレになって結果的に被災地が苦しむのではないでしょうか?と。もちろん、「デフレになります」と答えていました(複雑なので一概には言えませんが、などの付帯条件はつきましたが)。
 日本に東日本大震災があった後、円安になると私は思っていました。そして株価も低迷して酷い大打撃になるだろうな、と。けれども、82円から78円になりました。むしろ円高になりました。どうしてだろう、と色々と調べてみたら、以下のようなマクロ経済のデータを見つけました。

・東日本大震災の被害額10兆円(2~20兆円とばらばらなので中央値)
・日本の1年間の貿易黒字4~10兆円(ここ10年くらい):物を買うよりも売る方が10兆円多い、の意味
・日本の1年間の所得黒字13~17兆円(ここ10年くらい):外国からの得る金利が13~17兆円もある、という意味です。

 つまり、日本は物を売って、5兆円くらい1年間に儲けます。日本が外国にお金を貸したりして年間15兆円くらい儲けます。これは何も働かなくていい訳です。ですから、マクロ経済を知っている人ならば、東日本大震災の復興は日本の1年間に稼ぐお金の半分くらいで復興できる、と判る訳です。ですから、まあ、大丈夫だろう、と思った訳です。こういう国は世界中で日本だけです(もし、東日本大震災の復興が上手くいかないのであれば、それはお金がきちんと復興に使われない時に起こります)。また日本の借金は国内が95%以上なので、自分で自分に借金しているだけで、後300兆円くらいは赤字国債も出せます。これも国会答弁等で触れられいました。

 No.18 一番上
本文:質問に沈黙する東電記者会見・・・十分な説明できず(2011年3月15日読売新聞)

 私の口頭説明:これはUST(ユーストリーム)で私は見ました。事故の直後で、どうして説明できないのですか?と記者がつめよるのです。その記者は「説明できないのは分かりましたから、それを決定した人の名前を教えて下さい」と詰め寄っていた。一旦引っこんで戻って来てもそれが全然改善されませんでした。今は東電の会見もそういうことはなくなりましたが、最初はこれまでの原発政策の秘密主義が垣間見れました。

 (追記:この件に関して、同じUST内にその後の経過が見れる番組をある学生さんから教えてもらいました。もう1度学生さんに聞き、そして事実を確認してから掲載したいと思います。
 以下紹介してもらった動画です。
http://www.ustream.tv/recorded/13775234)

 No.18 3番目
本文:イタリア政府は19日、原発の再開を無期限で延長することを決めた。

 私の口頭説明:昨日、6月14日のニュースでイタリアでは国民投票が行われ、95%が原発再開しないことに賛成しました。これは50%を超える投票で有効とされました。実にタイムリーなニュースです。日本では福島原発で今もふるさとに戻れない人々がいます。国民投票法も出来ましたし、国民投票で原発再開か不再開かを決めるのが必要だ、とこのニュースを見て私は感じました。皆さんはどうでしょうか。今は原発事故から3か月ですが、1年後に国民投票をする、というのが望ましいと思います。そうすれば被災地の人々のもちゃんと投票できるでしょう。何かの選挙と一緒にするのが望ましいでしょう。

 No.19 2番目
本文:汚染量総量10万トン超えへ 合計幾らの処理費がかかるというのだろうか?

 私の口頭説明:国会答弁で担当局に聞いたら「分かりません」と答えていました。汚染水を排出するにも、普通はブイ(うき)を一緒に流してどこに向かうのか、だけでもせめて検査するものですが、それもしていない、と答えていました。どうしてこういうことになるか、というと原発事故の情報が原子力安全委員会や原子力委員会の専門家(専門委員)に全然提供されないからです。つまり、事故の情報を専門家に教えない。極めて強い秘密主義。その秘密主義でちゃんとした事故対策が取られないのです。これまでずっとこの秘密主義がまかり通ってきました。それを「原子力村」という言い方をします。「村」以外の人は「村八分」する、という意味です。あるいは、その「村」の中でも大切な情報が共有されない。今、作業員の被曝のニュースが出てきていますし、やっと国民の被爆実態も明らかになっています。しかし、私は一番最初に入って作業をした人、つまり自衛隊の方々の被曝のデータを見たことがありません。必ず被曝しているはずです。自衛隊の方々の被曝はどのようになっているか、もしデータを知っていたら教えて下さい。これものちのちでも明らかになることを望みますが。問題は自衛隊の方々がどのくらい危険であるか、どうしたら直せるのか、という情報を持っていたか、ということです。作業を当たるにあたって、日本国政府や原子力委員会や原子力安全・保安院からきちんと現状の説明と原子炉の構造を説明されていたか、ということです。私はされていなかったのではないか、つまり「原子力村」の体質が残っていて、自衛隊という私たちの同じ日本国民が被曝したのではないか、と危惧しています。
 さて、補足が多くなりましたが、汚染水の話です。その国会質疑では、答弁者が「ある企業に聞いたら、1トンで2億円」と言っていました。という事は、
 
  1トン →2億円
10万トン →20兆円

 だそうです。この試算を事故対策費に入れていない。今の福島復興対策では入れていないのが現状です。質問がありましたので答えました。私もここは分かりますが全体として、福島原発の復興に幾らかかるのか分かりません。どうしてか、日本国政府では官僚も含めて、誰も計算しないからです。

 No.19 下から4番目
本文:放射性物質 海に5000兆ベクレル

 私の口頭説明:私が先ほど、兆の上の京ベクレルですよ、と言っていたのはこの根拠です。まだ原子炉内、原子炉の地下に、空気中に出たものをを合わせると京ベクレルになります。
 武田邦彦先生は、小女子(小さい魚)の後、徐々に大きい魚に移り、最後はマグロまで行くだろう、と行っています。私は実は良く分らない、と考えています。どうしてか、というとこれだけの大量の放射性物質による汚染が出たことがないからです。一般には海水は非常に大きな質量があるので薄まります。その薄まる(拡散)と生物濃縮とどっちが大きいのか、どのようになるのか、が分かりません。武田先生は「お父さんの立場で」と言っていますから「危険そうなものは止めましょう」という立場です。ですから、夏ごろには大きな魚、カツオやマグロは食べるのを止めましょう、と言っています。私は分かりません、です。ここは武田先生と違う点です。

 他にも色々と触れたいニュースが沢山あった。そもそも170枚×6項目=約1000項目の中から約70項目に泣く泣く絞り込んだのである。全てが私の心を動かした項目である。
 それでも90分という時間制約がある。であるから、ここで打ち切った。なので後から大分補足を入れました。もっと入れたいけれど、ここで打ち切ります(残念)。次回に、次々回に入れ込みたいです。
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