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講義録9 「客観的事実と論拠の作り方 原発のトレード・オフとリスクトレード・オフ」


(文意不明、文末の言い回しミス、誤字脱字は沢山あると思います。ご了承下さいませ。また、講義内容に大分加筆しています。)

 今日は、福島原発事故の2回目です。

前回は、福島原発事故「前」の事実だけを取り扱いました。今日は福島原発事故「後」の事実だけを取り扱いました。両方とも学生の皆さんが集めてくれた事実のみです。前回に少し触れたように、全体的に原発停止、原発否定の客観的事実に偏っていました。これは福島原発事故という大きな結果が私たちに大きなフィルターを掛けているからでしょう。学問はこうしたフィルターを洗いだして、惑わされないようにするのも大切です。講義の大きな目標もそこにあります。ですから公平性を期すために、足りないと私が思う事実群を足そうかと1週間、う~んう~んと悩みましたが、付けくわえないことにしました。まず出発点として、

 「同じクラスの同じ学年の他の学科の人たちがどんなことを調べ、どんな風に考えたか」

 を知ってもらう事にしました。論語の中に「触れるほど近い現実をおろそかにしないからこそ、高い理想に到達できる(第14章/憲問:下学して上達す:の私訳)」という言葉があります。まず、一歩一歩。
 以上が講義の予習段階です。

  さてさて、チャートから行きましょう

 「客観的事実の読み取り」:作業
  ↓
 「客観的事実の作り方」:作業
  ↓
 「論拠の作り方」:他人の意見は私の考えを
  ↓
 「原発をトレード・オフとリスクトレード・オフから捉える」

 配ったプリント4枚表裏(B4):
学生の皆さんの「福島原発事故「後」の客観的事実」の項目の抜粋

回した本
細川貂々 『ツレがうつになりまして。』 平成23年1月 12版

回したプリント
講義日当日の朝日、毎日、産経新聞の朝刊トップのコピー

 最初に配ったプリント4枚について説明しました。
①前回のプリントが6枚で合わせて10枚、表裏にNo.1~No.20まであること。
②先週のNo.8のある切り抜きが他の人のであった訂正。
③前回同様、学生の皆さんが非常によく勉強してくれたこと。
④抜粋されなくてもとても良いものがあったこと。
⑤今回は特に客観的記事ではなく感想を中心に抜粋したこと
⑥客観的事実が原発停止、原発否定が極めて多かったこと
⑦No16に私が講義用に立ち上げたブログ(http://takagikenziro.blog.fc2.com/)があり、その中の「講義で使用する動画」を来週までに見てくること
 A)動画は3本
 B)合計1時間15分
 C)客観的事実だけメモ:論拠や結論はメモせずとも良い 
 D)感想

 講義に入ります。先週述べたのは、

「膨大な事実→自分の感情(直感)で選ぶ→私の考える論理的な文章→他人の論理的な意見と比較→結論」

であった。特に説明したのは「膨大な事実→自分の感情(直感)で選ぶ」で学問の出発点は自分の感情の肯定である点。先週紹介した『リアル』には他の場面に過労で倒れた久信くんの母が、治っていく過程で「空はこんな風だったんだ」(うる覚え)という台詞が出てくる。この台詞は、膨大な事実から自分の感情で選んでいなかったことを意味している。

 (以下補足です)
 他の場面では母親が冬にいつも同じ服を着ているのを久信くんが思い出すが、私はこれを貧乏だったから、というのに付けくわえて「季節の変化に鈍感になっていたから」と考えている。服装に気を使わない、あるいは何時も同じ服を着る、というのは自分の心の声を聞かない、と捉えられる。
 また、紹介したかった『旅する力 深夜特急ノート』という本がある。この本の中に以下の文章が出てくる。

「 フレドリック・ブラウンが『シカゴ・ブルース』というミステリー小説の中でこんなことを書いている。

 「おれがいおうとしたのはそれだよ、坊や。窓の外を見たり、なにかほかのものを見るとき、自分がなにを見ているかわかるかい? 自分自身を見ているんだ。ものごとが、美しいとか、ロマンチックだとか、印象的とかに見えるのは、自分自身の中に、美しさや、ロマンスや、感激があるときにかぎるのだ。目で見ているのは、実は自分の頭の中を見ているのだ」

                              青木勝訳      」
 筆者の沢木耕太郎氏が、フレドリック・ブラウンを引用している文章だ。この文章を元にバスで旅したことを振り返っているのだが、少しだけずれて私は考えた。それは、この文章が私の主張している「膨大な事実→自分の感情(直感)で選ぶ」ことを、はっきりとそのまま指している文章と捉えるからである。この補足を入れると5分前後講義が長くなるのでカットした。いつもギリギリに終わってしまって学生の皆さんには苦労をかけてしまっている。今回も172名中6名が「時間がないです」と書いてくれた。入れなくて良かったと思うが個人的には入れたかったので補足した。
 (以上補足終わり)

 直ぐに、プリント4枚(表裏8枚)を読んでアンダーラインを引いてもらう作業に入ってもらいました。

 20分前後の時間を取りましたが、10分過ぎに読み終わった学生さんが出てきたので、

 問1 アンダーラインを私の論理的な文章にしなさい(1文)

 を出しました。アンダーラインを引く作業が終わり、本を回しました。
 今から回す本『ツレがうつになりまして。』という本は、マンガでキャラも可愛いので読みやすい本です(以下講義調に)。また、解説にうつ専門の大学教授が「間違っていたり、危険だったり、偏っているものはない」と言っている本でもあります。本の中でウツになった中年男性の主人公が薬が効いて回復してくるシーンがあります。付箋をつけておきました。33Pです。読んでみましょう。

 「あ! この時 ツレは初めて周りの景色が冬になっていることに気が付いたそうです」(読みやすいように平仮名を漢字にしてあります)

 つまり、膨大な事実が目の中に入っているのにも関わらず自分の感情でそれを自分の脳に、心に入れていなかったのですね。皆さん、窓の方を見て下さい。わざと今日はブラインドを開けておきました(事前にあけておいた)。その風景を見て下さい。その時、自分の心で何か事実を選びとってみましょう。何か感じましたか? 何か選びとりましたか? そして声にしてみましょう。私が先に言ったら続けて声に出してみて下さい。

 「ああ、綺麗な緑だなぁ」
 「・・・ごにょごにょ・・・」
 「みなさん声が小さかったですね。でも心の中で声にしましたか?」

 さて本に戻りましょう。続きを読みます。ウツの人は言います。

 「そーだよな 自分だってマフラーしてるし コートも着てる。いつのまに空気はこんなに冷たくて 日差しは優しくなったんだろう」
 「やっと人間らしい気持を取り戻せて じーん 感動するツレでした」

 どうでしょう? 私はこの漫画を読むとこのツレさんが自分を「働いていないと世間様に顔向けできない」とか「自分はゴミ以下だ」という言葉を言っています。この「世間様」や「ゴミ」というのは他人の論理的な文章、つまり他人の判断を元にして自分を決めているのです。そうすると自分の心の声を聞くことが難しくなってしまった、自分の感情の声を聞くことが難しくなってしまった、と考える訳です。
 みなさんの恰好は大分夏らしくなってきましたね。今日はちょっとさらに暑い。そういう変化を心の声で聞きましたか? 声に出しましたか? 声に出すと力がある、という思想が日本にはあります。「言霊(ことだま)」という考え方です。
 NHKなどで人気と言われている講座とは違うのですが、ハーバード大学で一番人気、という講座がちょっと前の新聞に載っていました。それは「肯定的な言葉を出して自分を肯定しよう」という講座でした。もしかしたらアメリカでも他人の判断で自分を評価するだけになっているのかもしれませんね。今、日本は、統計の取り方に色々と問題はあるのですが、世界一の精神病大国です。あるいは第2位の精神病大国だそうです。自然を見て自分の声を肯定することはとっても大切ではないか、と思います。
 さてさて、プリントを読んでもらい皆さんの心の声を聞いてみましょう。では前回と同じようにプリント4枚を読んで、自分の心が「ほー」とか「本当?」とか「ええ?」とか思った箇所にアンダーラインを引いていって下さい。また、今回は感想を中心に選びましたので、感想をちょっと丁寧に読んでもらえれば、と思います。

 問1 アンダーラインを私の論理的な文章にしなさい(1文)

 を出しました。論理的な文章の核は、事実(1文)→論拠(1文)→結論(1文)です。肉付けをしてボリュームを膨らませていくのは、後からやる作業です。まず、3文が作れないと全体がしっかりしません。私の論理的な文章は1文でして下さい。質問がいくつか出て、「それって本当?」とかでもいいですか?などがあった。その場合に「私はこの部分が疑問に思います」という風に直しましょう、と述べました。
 それも終わった人には、東京電力と政府がメルトダウンを2カ月経って発表したのは何故か?を考えてみて下さい。どうして「2カ月」で、「1ヶ月」や「3か月」やずっと隠さなかったのか、を考えてみて下さい、と。プリントの中にその答えがありますよ、と。

 次の9-1は、アンダーラインを私の論理的な文章にしてもらった後の解説から入ります
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