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講義録5 お米の大切さ 公衆の福利 費用便益分析 幸福とは何か

 皆様、こんにちは。

 毎年、この時期に風邪を引いていますが、今年はおまけが付きました。金曜日に学生と安倍川の河川敷でサッカーをしたのですが、接触プレーで左手首の靭帯(じんたい)を痛めてしまいました。バスケットをしていたので下半身の膝や足首などは色々とありましたが、手は初めてでした。
 翌日土曜日と日曜日はかみさんが東京に研修で泊まり込み、しかし、左手首が痛いとおむつを替えることが中々難しかったです。左肘を机の上に置くと手首に激痛が走るのですから、左手を少しでも触ると痛いのです。ですから、おむつや赤ちゃんの着せ替えのボタンは痛みの中ででした。
 どうしてこんな話をしたか、というと、今回の講義の最後に「幸福とは何か」に関わってくるからです。学生の皆さんにお話しして、多様な意見を聞いて、自分の身を以(もっ)て考えることが出来ました。学生の皆さんにとっても、この講義の内容が日々の生活の中で身を以て考えてもらえるようになるといいなぁ、と願いました。

 それでは本文に入ります。

 昨年の講義録4を下地に述べていきます。

紹介(回覧)した資料:なし

配布したプリント:B4 1枚
 :藤本温(代表) 『技術者倫理の世界 第2版』28,29P 
 :同上書 52,53P

 --講義内容--

 立夏と皐月の話から始めました。

「みなさん、外は日差しが温かくていいですね。こんな日はのんびりとしたいですね。この大学は躑躅(つつじ)が綺麗に咲き乱れていて本当に素晴らしいです。さて、そこで、この陽気を見て、皆さんはどのように感じますか?」

 「暑いなぁ、とか、明日は寒くなるなぁ、とかであると日本人の見方とはちょっと違うことになりますし、ビジネス上もそういう見方では不十分です。ところで、皆さん今、春だと思いますか? 夏だと思いますか?」

 それぞれ挙手をしてもらいました。春が60%くらい、夏が30%くらいでした。残りは挙手せず。

「正解は夏です。何故だか知っていますか?」

 正確に知っていて挙手してくれた人はいませんでしたが、実はいるかもしれません。
 立夏、つまり夏の始まりが5月5日、ゴールデンウィークの終わりでした。ここに日本人の季節感が出ています。現在の5月中旬は躑躅が咲き乱れているので判るように春のピーク(春の絶頂期)です。そして多くの国では春と夏の割合が入れ替わる時、つまり春が50%以下になり、夏が50%を超えると初めて「夏」というのです。これは日本でも多くのことでそうでしょう。
 しかし、日本人は、ちょっとでも夏の気配が出てくると「夏」というのです。夏が1%でも出てくれば「夏」というのです。この季節の変化に対する繊細さは、まさに日本人が大切にしてきた心であり、講義の最後に、幸福とは何か?と考える時に、日本人は自然と一体になって生活すること、という所に結びついていくのです。語りだすと長くなるので、2例を挙げましょう。
 1例目は、茶道の和菓子です。少なくとも日本の和菓子には24パターン以上あります。西洋の、あるいは多くの国々のお菓子は1年中同じ。日本では季節を先取りした風物の形を和菓子にするのです。例えば、日本人が最も愛する花の1つは桜ですが、満開は3月末。この3月末に満開の桜の形の和菓子を出すのは野暮なのです。先ほど述べたように季節の先取りですから、3月上旬くらいに満開の桜を出して、迎える桜を想う、というのが日本人の心なのです。この自然を想う、相手を想うことを加えて、千利休は茶道をいくつもの点で完結させました。
 2例目はお着物の柄もこだわる場合には、和菓子と同様にという例です。自然を想い(先取りし)、相手を想うことを加えて柄が決まります。年中、着れる高級な服を着ていくのがルールである西欧の、あるいは多くの国の王侯貴族とは違いがあります。
 そういえば、日本で最もおいしいケーキ屋との評価がある、静岡のあるケーキ屋さんは季節感満載の、つまり季節限定のケーキが多くあり、さらにそれを日本人が好んで食べています。お菓子やケーキの商品開発力は断然日本がNo.1ですが、日本人の深い季節感に原点がある、と私は考えています。

 もう1点は、皐月(さつき)の話をしました。5月の和名が皐月です。皐月は早苗月(さなえづき)の短縮、あるいは「さ」に田植えの意味がある、と言われています。どちらにせよ、苗を植える月、の意味です。4月は稲の種を植える月でしたから、1か月で種が稲になり、田んぼに移す月のことです。稲は南アジア原産なので、種をそのまま撒いても中々発芽しないので、苗にしたものを移し替えるのです。4月も5月もお米の農作業を月にする、というのですから、日本人がいかにお米を大切にしてきたか、が判ります。日本は建国以来天皇陛下が自らお米をお田植えになる国です。今年は2673年目です。仏陀が王子であった国、古代ギリシャなど2600年前の国はすべて滅んでしまいました。日本だけが営々と続いてきたのは、地政学上の要因とこうした農業を大切にする国だったからかもしれません。そんな風に想ってしまいました。
 ちなみに、西欧では5月はMAY(メイ)。豊穣と生殖の女神、あるいは死者を悼む月と言われています。

 少し短いですが切がいいので、ここまでにします。
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