『ぼくらの祖国』第5回学生レポート抜粋集

 『ぼくらの祖国』第5回学生レポート抜粋集です。

 昔の日本語の覚え方「いろはにほへと・・・」には1000年の歴史があって、仏教の智慧が詰まっているのを知って驚いています。

 学生の皆さんが一生懸命考え、自分が生まれ変わったような体験が赤裸々に書かれています。是非ともお読み頂きたいです。1人1人が自分の頭で考え、だからこそ沢山の考え方が出てきています。ですから尊いと考えます。各回ごとにレポート毎にまとめてあります。部分抜粋とします。原文をそのまま掲載し、()は高木の補足です。スペースは次の人に移ることを意味します。ゼミ終了し2週間後が提出期限でしたので数が少ないです。私の計画不足です。

○第5回レポート
 題
●問1 青山さんの主張によれば現在の日本の現状は厳しいですが、希望もあります。あなたの考える希望を3つ挙げ、挙げた理由を説明しなさい。その上で、日本が今後、世界全体に対してどのような理念を持ち行動をすべきかを述べなさい。抽象的な内容ですので他の内容などを参考にして構いません。例えば、「小さくでもキラリと光る国」や「アジアの民主主義の代表となる国」が理念です。
●問3 『ぼくらの祖国』の中で最も心に残った個所を挙げ、その理由を説明しなさい。
●問4 レポートを書き終わっての感想を

●問1 青山さんの主張によれば現在の日本の現状は厳しいですが、希望もあります。あなたの考える希望を3つ挙げ、挙げた理由を説明しなさい。その上で、日本が今後、世界全体に対してどのような理念を持ち行動をすべきかを述べなさい。抽象的な内容ですので他の内容などを参考にして構いません。例えば、「小さくでもキラリと光る国」や「アジアの民主主義の代表となる国」が理念です。

・わたくしが考える日本の希望は、「他国に頼らなくてもエネルギーの供給ができるようになるということ」、「大変なことが起こったときすぐに人のために行動できる人がたくさんいること」だ。
・なぜ調査(メタンハイドレート)のための予算が充分に用意されていないのか、わざわざ他国から資源を買わなくてもよくなるのに、積極的に実行されないのは不思議なはなしである。しかし日本に資源があったということは喜ばしいことである。
・それまで私は日本人は薄情だと思っているところがあった。だから(日本人の東日本大震災に対する奉仕活動の)ニュースや新聞を見て、日本人に情が厚いところがあるのだと知った。日本も捨てたものではないと思った。
・3つ目は「青山さんのような行動力のある人がいること」だ。硫黄島に入るため、尽くしたり、身の危険を冒してまで福島原発の現状を伝えるために現地に行ったりなど、並の行動力ではできないことをやれる人がいる。そういう人が一人でもいるだけで日本は変わっていくと思う。だからこれも日本にとって大きな希望だ。
 以上の3つが私の考える希望だ。

●問2 敗戦後の偏った教育や数々の制度は、現在疑いの目を向けられていません。あなたは「今後どのようになっていくべきか」を論じなさい。それに基づいて、あなた自身の行動はどのようにすべきである、と考えるかを書きなさい。

・世界での普通が、日本では普通ではないということを聞き、はじめて日本の教育や制度が偏っているのだと知った。例えば、他の国では祖国の神話や祖国を敬うことを幼い頃から教えられているのに対し、日本では祖国の神話を教えられることはなく、むしろ他の国のものを読ませることもある。授業では、祖国を悪く言うことが何回もある。それが普通となってしまっているから、日本が偏っていると気がつくのが困難なのだ。おそらく日本が偏っているという事実を知れば、現状がおかしいと気がつくひとは多いだろう。
・私が考える「今後どうなっていくべきか」は、学校でもっと祖国のことを教えるべき、ということだ。やはり学校で教えられることは大きな影響を与えることである。
・わたしはこのゼミで日本の教育や制度が偏っていることを知ることができた。だから、その偏った教育に流されないようにしていきたい。学校で教わったことを違った面から考えたりするなどして、偏った考え方をしないようにしていこうと思う。

・今後の教育は、戦争の事実をしっかり伝えるものになるべきだ。そうすることによって、「戦争=恥」という考え方が変わるだろうし、祖国のために戦った戦士が大勢いたのだということも知ることができる。その事実を知ることで、祖国に誇りを持てるようになるはずだ。
・制度は、安部(安倍)首相が主張しているように、国防軍を持てるものに変えるべきだ。現在の制度では、日本人がテロ組織に捕えられてしまっているのにもかかわらず、助けに行けない、助けに行けたとしても手ぶらで行かなければならない、それか飛行場で待っていないければならない。…(中略)…先月起きたアルジェリア事件では、お偉いさんが政府専用機で現地には行ったらしいが、結局何もできないままだった。その結果、尊い命が奪われてしまった。とは言っても、つらいのは自衛隊員の人達も同じのような気がする。助けたいのに助けることができない。歯がゆい思いに違いない。「人命第一」を掲げている日本だからこそ、国が守られるように自分たちが変えなければいけないはずだ。
・2年後に20歳になったときに、きちんと選挙に行って、自分の意見と一致する候補者に投票することは、1つの手なのではないかと思う。自分の選んだ人が少しでもよい制度にしてくれることに期待する。変わりに(替りに?)今の私自身が行動すべきことは、「ぼくらの祖国」という本を、多くの人に薦めて、周りの人に日本人のすばらしさやこれから替るべきことを訴えることだ。同時に私も、もっと戦争のことや拉致のこと、震災のことを積極的に調べ、本も読んで行こうと思う。
・18年間生きてきて、日本を自分の祖国だ、祖国とは一体何何かなどをまったく考えてたことがなかったから、自分なりの答えをこれからの人生で考えて行動していくように努めようと思う。

●問3 『ぼくらの祖国』の中で最も心に残った個所を挙げ、その理由を説明しなさい。

・「ぼくらの祖国」の中で最も心に残った個所は、硫黄島の章の、栗林中将の声なき声が青山さんに伝わってきた部分だ。“アメリカ軍の硫黄島への爆撃の目的は、もはや本土で女や子供を殺すことだ。すなわち民族を根絶やしにされると日本に恐れさせて降伏に導くのが、アメリカ軍が硫黄島を取る本当に理由である。だから今から穴を掘ろう、穴を掘って立てこもって、やがて、みな死ぬ。みな死に、故郷には帰れない。家族には会えない。しかし穴を掘って立てこもったら1日戦いを引き延ばせるかもしれない。そうしたら本土で女と子供が何日間か生き残れる。だから穴を掘ろう。”ああ、昔の人は、こんなにも日本のために、祖国のために、そして人のために戦えるのか、命を惜しまずにいられるのか、と驚いた。それと同時に、そのようなすばらしい人達と同じ日本人であることを誇りに思った。
・私はこの歌(海鳴りの終章)の中の“海鳴り”を加藤さんが戦争中に一緒に戦った戦友の声ととらえた。どんなにつらいことや悲しく苦しいことがあっても、くじけそうになってしまっても、ともにたたかった戦友のことを思えば、勇気がわいてきてパワーがみなぎるのだ、と私なりに解釈した。…(中略)…その人のことを思うだけで、パワーがみなぎってくる、そんな人に私も生きているうちに出会いたい。もうすでに出会っているのかもしれないが・・・。何かつらくてくじけそうになったとき、誰かのことを考えてみよう。

・『ぼくらの祖国』の中で心に残った個所はいくつもある。そのなかで、一番心に残ったのは、215ページから書かれているドラム缶の水のところだ。
 スコールが降ったときに必死で水を貯めたこと、皮膚や人間の肉が水に混じっているのに甘露のように美味しかったということ、末期の水として浸した水が熱すぎて唇が腫れてしまったということなど、どれも今の自分の生活のなかでは絶対に起こることがない出来事で、想像しながら読んでいて、とても寒気がするものだった。ぞっとした。
・この部分を読んだとき、人の皮膚や肉、髪が入っている水を想像し、とても気持ち悪く感じた。どれほど嫌な思いをして飲んだのだろうと思った。だからそれが甘くて美味しいだなんて信じられなかった。だが、実際に硫黄島で戦った人が言うのだから事実なのだ。きっと疲れた彼らの身体や心を癒してくれたのだろう。辛い戦いのなかで、彼らを癒してくれるものがあったと考えたら少しだけ安心することができた。
・215ページからの場面を読み、とても辛くなるものではあったが、これらのような辛い思いを祖先がしてくれたおかげで今の私たちがあるのだと思えるようになった。もちろんそう思ったのはほかの場面でもあったが、特にこの場面で感じた。
・硫黄島で亡くなった人達に感謝してこれから生きていきたい。

●問4 レポートを書き終わっての感想を(全文掲載します)

 最初に問の問題を読んだとき、とても難しそうだと思いましたが、書きはじめたら自分の意見がすらすらと出てきました。意見の書き方やまとめ方はまだまだ上手くいかないところもありましうが、前よりは文章を考えるのが上達したのではないかと思います。でもやっぱり問1問2は難しかったです。さっき問3まで書き終わって「終わったーーーーーーーーー」とほっとしました。
 問3で、一番心に残ったのはどこかと考えて、今まで読んできたところを思いだし、日本、祖国が前よりもずっと身近なものになったと思いました。拉致問題や硫黄島で起こったこと、日本が持っている資源など様々なことから日本について知り、たくさんんことを学びました。ゼミの宿題のレポートを書く事はとにかく大変なことでしたが、授業とレポート両方やったからこそ日本について深く学ぶことができたし、日本に対する考え方を変えることができたのだと思いました。また、レポートを書ききった時の達成感もあじわえました。
 ゼミの授業を受けていなかったら、今までと同じように日本に対して悪いイメージしかもてなかったし、日本の厳しい現状の中で希望が持てるのだと知らないままだったと思います。だからこの授業をうけられて本当に良かったと思います。
 わたしは日本語教師になることに興味があるので、もし本当に日本語教師になったら外国の人に「日本はとてもいい国だ」と伝えたいです。また、大学に入り留学する機会があったら、日本人であることに自信を持っていきたいと思っています。
 これから、さらに日本にたいする知識を増やしていきたいです。

 今回の内容は難しかった・・・。特に問1は、私の書いた希望が希望と呼べるものかは分からないが、私は自分の挙げた2つの目の希望と3つ目の希望は、日本が誇れるものだと思っている。特に3つ目の人のために行動できる日本人は、戦前から続いてきたことだろう。なんだかちょっとうれしくなる。一緒にゼミを受けたみんなは、どんなことを日本の希望ととらえたのだろう。
 書きやすかったのは問2である。私の持っている「こうなってほしい!」という気持ちを書くからだったからかもしれない。私の「こうなってほしい!」が実現するような社会になるように、私も貢献したい。
 最終回の後の食事会で、私はレポートをまず紙に書いてから、パソコンで打ち込むと言った。それはとても時間がかかり、大変だったし、受験生ということもあったので今回はいきなりパソコンからやってみた。そしたら意外と早くできる。はじめからこの方法をやっていればよかったなーといまさらながら後悔した。問1から問3のレポートを完成させるために使った時間は約4時間!書いてから打ち込む方式に比べたらだいぶ早い!パソコンの打ち込みはいまだに一本指でほとんどやっているけれど、ローマ字を探す時間が早くなった。われながら感動(笑)
 健治郎先生のブログにも書いてあったが、5年後や10年後に自分の書いたレポートを読み返して、高校時代の自分は何を思い、何を「ぼくらの祖国」で学んだのかを振り返るようにしたい。「ぼくらの祖国」も、時間ができたらまた読み返したい。新たな発見がうまれるかもしれない。
 なにか本を読んだ後に自分なりにその筆者の主張を考えたり、自分の考えを記したりするのは、今回の「ぼくらの祖国」が初めてだった。でも、レポートを書いてみると、そのときの自分が何を思ったのかが分かるし、自分の考えが明確になる。とても大切なことを学ぶことができた。そのことを教えてくださって健治郎先生に感謝。そして、健治郎先生やゼミの仲間に出会わせてくれた運命に感謝である。
 感想にまとまりがないが、この感想を打つのに約1時間。800字以上は1時間以上かかってしまうのが、今の私の速さのようだ。(笑)

 以上が第5回提出のレポートの抜粋集です。


付記:最後に少しだけ、感想を。
 
 学生の皆さんのレポートを3回読んだのに、改めて打つと読み込んでいなかったのに気がついた。学生の皆さんの真剣な、率直な、誠実な意見が、ぐわんぐわん、と私の胸を揺さぶった。揺さぶられて何回か涙がこぼれそうになった。日本という素晴らしい祖国に生まれたから、貴重な本、先生方、教え子に恵まれた。これからも、ぼちぼち「1つ1つ積み重ねること」を続けていきたい。書き終えて嬉しい。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

    名前:高木健治郎

書いたもの(平成29年度)
哲学(平成28年度)
科学技術者の倫理(平成28年度)
書いたもの(平成28年)
科学技術者の倫理(平成27年度)
哲学(平成27年度)
書いたもの(平成27年)
哲学(平成26年度)
「科学技術者の倫理(平成26年度)
講義録「哲学」
書いたもの(平成26年)
書いたもの(平成25年)
論文(高木健治郎の)
講義録「科学技術者の倫理」(平成25年度)
高木ゼミ『銃・病原菌・鉄』
高木ゼミ全6回『ぼくらの祖国』
教養講座6回分(平成24年度)   講義録21~
講義録「科学技術者の倫理」(平成24年度)     講義録1~15
最新記事
講義録「科学技術者の倫理」(平成23年度)
石上国語教室で行われた講演のレジュメです。哲学が足りなかったのが、福島原発事故の原因の1つではないか、と考えています。

「哲学のススメ2」レジュメ

最新コメント
カテゴリ