第5回「希望とは」1

 皆様、明けましておめでとう御座います。今年も宜しくお願い致します。
学生の皆さんが元気な笑顔でしたので、教室に入った時にホッとしました。ああでもない、こうでもない、と考えていたら何時の間にか時間がなくなり、直接教室に向かいました。20分前に着くと学生さんの顔が沢山見えて、嬉しくなりました。ちょっと頑張ったかいがあったなぁ、と講義前に感じました。
 昨年11月から継続している高木ゼミも今月で終わりを迎えます。昨年はどうだった?とかみさんと話し合った時、このゼミの密度の濃さを1つに挙げました。次回で終了ですが、何やらスタートのような、学生の皆さんが力強く旅立っていってくれるような感覚を持ちました。
 そしてそれは今回のゼミでもう1歩深く踏み込めたので、実証されたと思います。来週は終わった後、近くの食堂で直会(なおらい)をします。直会とは神様へのお供え物を神事の後に皆で頂く会のことです。

 第5回

日時:平成25年1月9日 午後6時28分から午後8時5分まで 雑談は6時20分ごろからでした。
人数:5名
最初に読んだ本:菅沼光弘著『この国の権力中枢を握る者は誰か』142-154頁

紹介できなかった本:リチャード・マクレガー著 小谷まさ代訳『中国共産党 支配者たちの秘密の世界』 
:日本の国際情勢を考える時、米中は欠かせません。アメリカは素晴らしい本が出ていますが、中華人民共和国の体制をきちんと知る本が少ないです。この本はその決定版、と言えるでしょう。
      
         :中尾政之著『失敗百選 41の原因から未来の失敗を予測する』
:現在の日本の社会構造を知るための統計データが載っています。独占企業で利用者に代替手段がないほど、事故や事故未遂などの失敗を隠す方が経済的利益を得る構造になっているのです。この本の39頁で一目瞭然です。

 まず、最初に「第5回プリント」を掲載し、次に講義内容をザッと書いていきます。プリントは今回で終了です。最終回に今回のプリントを話し合います。


平成25年1月9日
第5回高木ゼミプリント

 新年明けましておめでとう御座います。冬至が小寒に変わり、さらに大寒を控えております。大分冷え込んできましたが、お日様の有り難さを一層感じる気候にもなっています。今回は第5回です。あと1回となり、終りが見えてきました。そうした寂しさの中でも、お日様の有り難さのような希望が、『ぼくらの祖国』手に取る希望の章と海鳴りの終章にあります。その希望は私達の肉体の死を超える希望ではないでしょうか。お日様がご先祖様からずっと私達を照らしてくれたように。

 -第4回レポート 「英霊とは」- A4で手書き、パソコンOK。各800字以上
問1 「あぁ、硫黄島は、ぼくらの生きるヒントだ」と青山繁晴さんが207頁で述べています。その理由を説明した後、あなたの同意不同意を表明し、その理由を説明しなさい。
問2 あなたが戦争を語る場合に最も気をつけなければならない、と考えるものは何ですか?
問3 レポートをまとめての感想

 では、第5回に入ります。『ぼくらの祖国』の最後の2章、「手にとる希望の章」と「海鳴りの終章」です。前回から問は深い設問になっています。

問1 明治維新後の日本のエネルギー政策から見た大東亜戦争までの道筋を簡潔に述べなさい。

問2 大東亜戦争以降、日本のエネルギー政策の一大転換点は何だと青山繁晴さんは述べていますか?

問3 現在の国際秩序における国際法の限界は何ですか? 例えば254-255頁を参考に。

問4 なぜ、「学者や評論家のなかには、「尖閣諸島の海底には、実際にそんなに埋蔵量がない」と言い、・・・」という客観的事実に反する言動が起こりうるのでしょうか?出来れば身近な例を挙げながら説明しなさい。

問5 266頁「実際は、並記も韓国が仕掛けて久しいアンフェアな作戦である」とあるが、他に韓国が仕掛けてきているアンフェアな作戦を挙げ、説明しなさい。

問6 七の節274―279頁では、日本の支配構造の宿痾(しゅくあ:長い間治らない病気、病根、持病)が書かれているが、では、日本を主導している支配構造はどのようなものであるか書きなさい。(特に色々な答えがあります)

問7 『ぼくらの祖国』には、祖国を甦らせるものとして3つ(以上)の指摘がありました。それぞれを簡潔に説明しなさい。さらに、最も大切だと思うものを挙げなさい。
① [      ]説明:
② [      ]説明:
③ [      ]説明:
最も大切[    ]
問8 「眼つむればつねに海鳴りがきこえ来て清き勇気を清き勇気を」に対する感想を
 
問9 問いを書き終えてからの感想(いくらでもどうぞ)




○講義内容

 10分ちょっと前に教室に入って、大きな机に7つの椅子を並べました。まだ時間がありましたが、一応「明けましておめでとう御座います」と一礼しました。お返事下さり、「お正月に初詣は行きましたか?」と聞きました。4人全員が「いきました」と返事をしてくれ、「初日の出も」という言葉もありました。「家族全員が寝坊したけれどもいきました」との声も。
 ちらほら他の話も出たのですが、「明けましておめでとう御座います」は何時まで使えるか知っていますか?を聞きました。「15日まで」と「7日まで」の2つの正解を答えてくれました。そこから雑談になりました。
 
 お正月は15日まで。ただ、関東は江戸時代にある将軍が死んだこともあり7日までになりました。静岡は7日までが多い気がします。では、「何故おめでとうなのか?」、つまり何故正月はハッピー!なのかを聞きました。
 日本の考え方では、大晦日の日に死にます。肉体的に死ぬ訳ではなく精神的にリセットするのです。面白いことに江戸時代には「借金もリセット」になって年末に借金取りが追いかけまわした、という話が残っています。
 そしてお正月には、歳神様=御先祖様が帰ってきます。私達が気持ちをリセットして御先祖様に逢うのがお正月です。現在も遠くから家族が集まるのは生きている家族のためだけではなく、自分が産まれられた血縁の人々、関わりのある人々に広く感謝するためなのです。私は全てのお祖父ちゃんお祖母ちゃんが死んでいます。ですから、お正月、元旦に神棚に手を合わせて感謝致しました。
 そしてお正月が終わると新しい1年のスタートです。江戸時代までは全員、お正月に1歳、歳を取りました。実際に肉体がこの世に出て来た日(9月)ではなく、自分の産まれられた人々と共に一緒に歳を取るのです。お年玉、お「年」玉は、歳を取ったことに対するお祝いなのです。だからこそ、成人式はお正月の終わる1月15日にお祝いしていました。現在では祝日に関する法律で連休になるようになり、本年は1月13日が日曜日なので1月14日が成人の日の祝日になりましたが本来は、お正月の終わる1月15日なのです。自分の出発点を見つめ直し新しいスタートを切る、日本の習慣はなんとも理屈にあっています。

 1月3日に論文を提出し、その後かみさん側の親類の伊豆旅行に合流して帰る6日の夕暮れ時、「どんど焼き」の用意、長い竹や藁(わら)が高さ5メートル以上のポール状になっていました。冬で空き地になっている田んぼに何本も立てられていました。「どんど焼き」はお正月に使った門松や注連縄(しめなわ)や書き初めなどを集めて焼くお祭りです。お餅を木の先に刺して焼餅にしたり、お汁粉やトン汁を食べたりします。ですから、静岡、特に伊豆ではお正月は7日までなのでしょう。

 実際にみた草束と似た画像あるサイトを見つけました。また、「どんど焼き」の意味や起源についても分かりやすく書いていあります。引用させて頂きました。有り難う御座います。
http://3rd.geocities.jp/localbrandkenkyu/lbk002/dondo.html

 こんな風に日本人の習慣はきちっと体系化されていたのですね。こういう何気ない習慣を知ること、大切にしていくことも「祖国」を大切にすることですし、甦らせることになると思っています。「祖国復活」というと大層な、大変そうなことのようですが、身の回りの何げないことを大切にする、人の意見を鵜呑みにしない、誠実に仕事をする、目の前の仕事に全力で取り組むことが、口先だけではない本物の「祖国復活」に繋がることでしょう。

 ちらっと話をして、半になりましたので、講義を始めました。

 まず最初に予備情報なしで文章「菅沼光弘著『この国の権力中枢を握る者は誰か』142-154頁」を読んでもらいました。15,6分で全員が読み終わりましたので、その後、「最初に読んだ感想」を1人ずつ言ってもらいました。意訳、要約してあります。

「アメリカの世界支配の実態が具体的に分かって怖くなった」
「韓国やメキシコのような小さな国はやられてしまったが、日本がまだやられていないのに救いを感じた」
「アメリカは自分の利益だけしか考えていない。日本の井戸を掘るなどの援助はとっても良いと思う」
「EUのようにまとまってアメリカの支配から脱するのは良いと思う」

 概要

「経団連の会長が徐々に自社の利益で動くようになったこと、その例としてTPP賛成が挙げられています。さらにTPPでアメリカが世界の農業支配を企んでいて、支配されてしまったメキシコや韓国(牛肉)、インド(綿)などの実例がある。さらに、農業支配をするために、ケチャップを子供に与えて好みを変える、パンを与え米を食べなくさせるなどの日本への支配の実例が書いてある。」

 次に、「この著者はどういう立場の人だと思いますか?」を聞きました。

「政治評論家」、「学者」、「大学の先生」などの答えが出ました。

 文章中に、経団連の会長などの実名を書き判断を書いています。「米倉弘昌氏はダメだ」や「慶応大学医学部の林髞さんなどはアメリカの手先だった」、「李明博韓国大統領は危険な米国牛肉を輸入した」などです。判断を明確にしている点から、「政治評論家」や「学者」などではないことが察せられるようになって欲しい、と伝えました。また、具体的で細部まで知っているのは、現場に近いことを窺(うかが)わせます。
 著者の菅沼光弘氏は、「元」公安調査庁調査第2部長です。つまり、日本の対外的な情報が一手に集まる部署の長を務めていたのです。実名を書けるほどの情報の信憑性を持っている人物、判断を下せる程現場に近い人物なのです。ちなみに、日本の情報当局は他にも幾つかありますが、世界レベルにあると言われています。しかし、それを具体的な手段にすることが憲法の制約や先進国で唯一スパイ防止法がないことなどによって出来ないのです。
 この本の中にはさらに、日本が対外関係を考える場合に見逃せない事実が書いてあります。是非ともお読みください。

 さて、次は、ある学生さんのレポートをご本人に読みあげてもらいました。第2回レポートの感想です。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール
科学技術者の倫理(平成29年度)
書いたもの(平成29年度)
哲学(平成28年度)
科学技術者の倫理(平成28年度)
書いたもの(平成28年)
科学技術者の倫理(平成27年度)
哲学(平成27年度)
書いたもの(平成27年)
哲学(平成26年度)
「科学技術者の倫理(平成26年度)
講義録「哲学」
書いたもの(平成26年)
書いたもの(平成25年)
論文(高木健治郎の)
講義録「科学技術者の倫理」(平成25年度)
高木ゼミ『銃・病原菌・鉄』
高木ゼミ全6回『ぼくらの祖国』
教養講座6回分(平成24年度)   講義録21~
講義録「科学技術者の倫理」(平成24年度)     講義録1~15
最新記事
講義録「科学技術者の倫理」(平成23年度)
石上国語教室で行われた講演のレジュメです。哲学が足りなかったのが、福島原発事故の原因の1つではないか、と考えています。

「哲学のススメ2」レジュメ

最新コメント
カテゴリ