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国語教室ゼミ録1 「祖国とは」

 「哲学のススメ」がご縁で、大学入学前の学生の皆さんのゼミを担当することとなりました。
 今後、ゼミの学生さんが増えていく予定もあり、ゼミの講義録を残しておきたいと思います。

 まず最初に、使用本である『ぼくらの祖国』の著者青山繁晴氏に感謝の意を表したいと存じます。また、ゼミの機会を下さった皆様方にお礼申し上げます。一生懸命頑張ります。

第1回

日時:平成24年11月14日 午後6時40分から午後8時10分まで
人数:4名

 まず、最初に配布プリントを、次に講義内容をザッと書いていきます。

 ○配布プリントA4で3枚

平成24年11月14日
第1回高木ゼミプリント
   
 ひと雨ごとに涼しさが寒さに入れ替わり、冬が立ったのを実感する気候です。
このプリントは、6回の予定の高木ゼミを紹介する内容です。

・使用本:『ぼくらの祖国』 青山繁晴著 扶桑社 2011年
・ゼミ方法:予習:使用本などを読みレポートを書いてくる。
     :ゼミ:レポートの発表、議論、質疑、講義
     :復習:感想、考察などのレポート作成
・ゼミ内容:『ぼくらの祖国』を中心にして、数々の分野に踏み込む予定であるが、学生の皆さんとの対話によって決定する。

第1回 祖国とは?  
何も読まないで以下の問いに答えなさい。
何を書いても減点などありません。自分の心の声を書いてください。
問1 「祖国」の言葉のあなたのイメージは?

問2 「祖国」の言葉の現在の日本でのイメージは?

問3 「祖国」の言葉の意味は?

問4 「祖国」という言葉は一般に使われる言葉でしょうか? はい・いいえ

問5 「祖国」とはどういう時に使う言葉でしょうか?

問6 「祖国」と似たような言葉として思い浮かぶ言葉は? 5つくらい

問7 「祖国」と反対の言葉として思い浮かぶ言葉は? 5つくらい

『ぼくらの祖国』 明けの星の章 3の節までを読んで以下の問いに答えなさい。
問8 「祖国」のイメージは変わりましたか? はい・いいえ

問9 「祖国」の意味をどのように筆者青山氏は述べていますか?

問10 「祖国」を語る際に問題になっているのは何だと青山氏は述べていますか?

問11 「祖国」があることで出来ることは何だと青山氏は述べていますか?

問12 「祖国」がないことで出来ないことは何だと考えますか?

問13 「祖国」は英語では何という言葉になるでしょうか?「        」(本に無)

問14 問10についてあなたはどのように考えますか? まず、賛成・反対を示してから
賛成・反対
理由:

問15 問14の反対の立場から述べなさい 問14が賛成なら反対を。反対なら賛成を
賛成・反対
理由:

 明けの星の章を最後まで読んで以下の問いに答えなさい。
問16 「祖国」について青山氏はどの視点から最も強く論じていますか?[     ]
該当ページと行数を挙げなさい[    ]P[          ]

問17 「祖国」について青山氏はどのようであるべきと論じていますか?

問18 問17を受けてあなたはどのようにあるべきと考えますか?

問19 最も印象に残った一文を書きなさい

問20 最も説明のほしい一文を書きなさい

問21 感想

「祖国」という言葉を、他の本でも探してみましょう。

書名 :
著者名:
出版社:
出版年:

問22 「祖国」について著者はどの視点から最も強く論じていますか?[      ]
該当ページと行数を挙げなさい[    ]P[          ]

問23 「祖国」について著者はどのようであるべきと論じていますか?

問24 問23を受けてあなたはどのようにあるべきと考えますか?

問25 著者と青山氏の意見の違う点はどこでしょうか?

問26 著者と青山氏を比較して最も心に残ったのは何ですか?

問27 2冊の本を読んだ後、あなたの「祖国」はどのようなイメージになりました。

問28 これまでの問をもう1度読み返し、感想を書きなさい。



 ○講義内容 (著者青山繁晴氏から色々と引用しております)

 まず、挨拶と一礼から、続いて自己紹介を4名にお願いしました。私については質問を受ける形で自己紹介となりました。「よく聴く音楽は?」、「好きな女優さんは?」などが印象に残っています。4名とも積極的に発言してくれ、またしっかりと質問してくれました。

 次に、プリントを見ての説明です。問7まで、問15まで、問22からの宿題について。また、「祖国」を他の本で探す時に、出版年を書くのは大学では必要とし、実際に本の裏を見て私の2011年1刷と、学生さんの2012年5刷を見てもらいました。

 学問をするのは実際の生活に役立てるため、という話をし、実際高校生の時の勉強は何のためにやっているか疑問に思うのではないか?と聴いた後、例えば、私の蛍光水色のダウンジャケットを見てもらい、気がついたことを言ってもらいました。工事現場のブルーシートは暗がりでも良く見える色、として経験則に基づいて蛍光水色です。ですから、私のダウンジャケットは夜でも事故を起こさないように、との気遣いからです。また、自動車の免許を取らないのは、大学生の時に計算をしたら、1日2000円、ローンで車を買うと2500円と概算で出たので買うのを止めた、という話をしました。こんな感じで導入に入っていきました。

 続けて、問1~問7までをやってもらいました。そして4人全員の発表。発表の際に大切なのは、

①他人の意見を聞いて自分の心の声を確認する=自分を確認する
②他人の意見の良いものをメモする     =自分を増やす (いいな~と思い取り入れるのも自分の心の声なのです)

 発表を聞いた後に、それぞれの感想を。最後に私が感想を。

問1では、「祖国」が戦争と結びついている、という点が見えてきました。その点を否定するのではなくまず受け入れることが大切と伝えました。具体的な例として、橋下徹大阪市長に対するバッシングなどの報道がされていますが、独裁者などの言葉が並びます。これも独裁者だから悪い、という一方的な立場から見ているのです。そしてそれは戦争に結びついてきます。高校生4人も私も戦争を知りません。それでも戦争に対して否定的なイメージがある。それと祖国が結びつく、という点を出発点にしたいと思います。

問2では、大切なものを守る、などの言葉が出てきました。しかし、「祖(そ)」とは「つながり」や「親」などです。ですから、お祖父(じい)ちゃんに「祖」を使います。祖先などもそうです。また、キリスト教やイスラム教では神とのつながりが出発点ですが、日本では親、祖父母、というつながりです。このつながりが最後は神武天皇に、天照大御神にとつながるのです。

問3では少し先の問13から始めました。「祖国」の英語は「My country」です。「home country」が学生さんから出ました。「My country」は戦争や古いなどの意味がありません。それだけ日本の「祖国」とは偏っている、という証拠なのです。その偏りが学生の皆さんの中にあり、私の中にあるのです。

問4では、一般に使われないが3名で使われるが1名でした。1名もよくよく聞いてみると小学校の時に戦争の話をしてくれたお祖父ちゃんお祖母ちゃんたちが使った、とのことでした。

問5では戦争を語るとき、戦前や戦後を語るときなど沢山の意見が出ました。

問6では、母国、地元などが出ました。他方、「日本」が出ませんでした。これも現代まで続く現われかもしれません。

問7では、あまり出ませんでした。外国や異国などです。アメリカ、中国、シンガポール、インドなどが出ませんでした。

 戦争と祖国が結びついていることが学生の皆さんとの話の中で出てきました。私自身、そのように聞いていましたが実際にやってみて出てきたので、なるほど~と確認し納得しました。そこで、その具体例として『新しい歴史教科書』扶桑社を見てもらいました。日本の歴史を勉強する際に「神話」を出さないで来ましたが、この教科書には載っています。その文章を読み、この教科書で異論が出る、というのを知ってもらいました。実際に静岡県でも、教科書を巡って議論が巻き起こっています。これも祖国=自分たちのつながりと戦争が結びついているからでしょう。

 また、プリントのメモの取り方も実際に見てもらい、参考にしてもらいました。『ぼくらの祖国』の読み方もです。私は良い所があると線を引き、さらに良ければ折を上につけます。論文などで引用するのは下に折を、講義で使う場合、一時的にまわす場合などは付箋をつけます。本は私が死ぬまでに後1回読むかどうかです。その情報の整理の方法を自分で決めているのです。そのように読むことも大学では必要になってくるので参考にしてもらいました。

 そのように学問が生活を変えることの他の例として、車の話に戻りました。私の計算では1日2000円のコストがかかります。大学生では時給850円くらい、すると2時間半ぐらい必要になります。車を手に入れるために1日3時間(往復や着替えも考えて)の労働と車を比較する、という思考が大切だとしました。すると「じゃあ車は載らない方がいいのですか」と質問が出ました。例えば時給4000円なら、労働は30分で済みます。これならばまあまあです。医者ならば時給5万円を超えることもあるそうですから、これならば十分ありえます。問題は、1日2000円は変らない、自分の時給を考えて割に合うかどうかを数値だけで比較するという思考です。時給5万円以上に驚きの声が出ましたが、例えば年収3億円のお医者さんは、年間300日働くとして1日100万円の稼ぎです。10時間働いて、時給10万円になります。

 ここから、話が脱線していきました。もちろん、先程の思考からはぶれていません。

 夜の救急車は危ない。なぜなら誤診率が50%を超えるインターンだから。30年前以上の東京大学の名誉教授は誤診率17%だった。日本では誤診率がない、という前提で医療を支えてきた。だから腕のいい医者も悪い医者も同じ手術ならば同じお金がもらえる。他方、最近導入されたセカンドオピニオン制度は誤診がある、という前提である。また、患者への情報公開や説明責任を果たすようになってきており、これによって誤診が明らかになる。そして衣装訴訟などが起こってきており、医療費の増大、患者の負担増が出てきている。アメリカは、非常に高額な医療費、他方、情報公開や説明責任は果たされている。日本では安い医療費だが誤診は見逃されてきた。両方にそれぞれ良い点がある悪い点がある、などを高木の実体験などに基づいて説明した。例えば、アメリカと日本の救急車の違い、医療費の違いなどである。また、ノルマのあるアメリカの医者など周辺問題も絡めた。

 これらが案外時間が掛かったが、質問や意見なども沢山出て楽しくゼミ1回目が終了した。マックの話を今後する、という約束をした。残りの配布プリントの問は次回までの宿題とした。

 以上が、1回目のゼミの概要である。


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