講義録21補足 「情報倫理としての福島健康調査「秘密会」」



福島健康調査:「秘密会」出席者に口止め 配布資料も回収
毎日新聞 2012年10月03日 02時30分(最終更新 10月03日 05時14分)


秘密会のため福島県庁を訪れた検討委員会のメンバーら=2012年9月11日午後1時過ぎ、武本光政撮影
拡大写真
 東京電力福島第1原発事故を受けた福島県の県民健康管理調査について専門家が意見を交わす検討委員会で、事前に見解をすり合わせる「秘密会」の存在が明らかになった。昨年5月の検討委発足に伴い約1年半にわたり開かれた秘密会は、別会場で開いて配布資料は回収し、出席者に県が口止めするほど「保秘」を徹底。県の担当者は調査結果が事前にマスコミに漏れるのを防ぐことも目的の一つだと認めた。信頼を得るための情報公開とほど遠い姿勢に識者から批判の声が上がった。【日野行介、武本光政】

 9月11日午後1時過ぎ。福島県庁西庁舎7階の一室に、検討委のメンバーが相次いで入った。「本番(の検討委)は2時からです。今日の議題は甲状腺です」。司会役が切り出した。委員らの手元には、検討委で傍聴者らにも配布されることになる資料が配られた。


出席メンバー以下の通りだそうです。
URL:[PDF]福島県「県民健康管理調査」検討委員会委員名簿

『明石 真言 独立行政法人放射線医学総合研究所理事
阿部 正文 公立大学法人福島県立医科大学理事兼副学長(医学部病理病態診断学講座主任(教授))
春日 文子 日本学術会議副会長(国立医薬品食品衛生研究所安全情報部長)
神谷 研二 国立大学法人広島大学原爆放射線医科学研究所長・教授(公立大学法人福島県立医科大学副学長)(福島県放射線健康リスク管理アドバイザー)
菅野 裕之 福島県保健福祉部長
児玉 和紀 公益財団法人放射線影響研究所主席研究員
佐藤 敏信 環境省環境保健部長
星 北斗 社団法人福島県医師会常任理事 .
安村 誠司 公立大学法人福島県立医科大学医学部 公衆衛生学講座主任(教授)
山下 俊一 公立大学法人福島県立医科大学副学長(福島県放射線健康リスク管理アドバイザー)

高木コメント

 秘密会の見解のすり合わせが、どれほどか分かりません。この点についてはさらなる情報が必要です。また、資料の質もどの程度のものか分かりません。全ての情報を公開する必要がある、との立場に立ってはおりません。しかしながら、会議の存在を秘密にする、という点については反対です。福島原発事故当初、結果的に国民に虚偽の情報を流した点が何点も明らかになっています。また、情報管理、説明責任についても同様に欠陥がありました。これらに対して責任を取った政治家、官僚、企業人がいない現状、国民は県レベル、市レベルの行政機関に期待していたはずです。その信頼まで裏切ってしまうような行為につながりかねません。
 日本国民はどの情報を信じればいいのでしょうか。新聞社でしょうか? 日本国でしょうか? 県や市でしょうか? そもそも嘘があると言っているインターネットだけが国民の信頼を裏切っていないように思われてなりません。それでは何のためにマスコミ、日本政府、県や市があるのでしょうか。高木は4月からある公的な会議の委員になりました。そこではニュースで流される情報とは全く違う公平で国民を思う視点で会議が行われています。また、これまでの県や市レベルでの行政機関が国民のために運営されているのを考えると、こうした会議の80%以上はしっかりと行われている、と推測します。
 しかし、こうした最も重要な幾つの会議で、このような欠点がボロボロと出てきてしまうこと、ここに日本人の、いえ、敗戦後の日本人の大きな欠陥があるのではないでしょうか。そしてそれを生み出しているのは、昨日ニュースで柔らかいゴルフクラブで30分も殴り続けた母親を報じていましたが、それと共通しているのではないでしょうか。つまり、

 「何のために生きているか」
 「何のために生きていくか」

 を周りの人々と一緒に考えたことがない、ということです。前回の講義録で述べたように考える機会が、敗戦後の教育でなくなってしまったのです。
 危機になった時に保身に走る、自分だけが変なことをいって叩かれないようにしよう(積極的な隠蔽の会議ではなかったのではないか?と推測しています。原子力委員会にも同じく見解のすりあわせなどを行う秘密会がありました)。むかつくけれど自分の虐待は発覚しないようにしよう、という母親の保身です。
 他人ごとではなく、私の中にもそれがあります。その保身ときっちりと向かい合うことが大切だと考えます。それが福島原発事故を考える技術倫理からみえてきたことであり、現在行っている教養講座でも学生の皆さんに伝えたいことです。

 急遽、記事となりました。毎回にもまして、熟考せず書きっぱなし、打ちっぱなし、のまとまらない記事になりました。ご容赦くださいませ。


付記:母親「30分ぐらい殴った」 広島、長女暴行死  2012/10/3 23:49
URL:http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG0305J_T01C12A0CC1000/

 広島県府中町の自宅で小学5年の長女、唯真さん(11)を殴り死亡させたとして、傷害致死容疑で逮捕された母親の無職、堀内亜里容疑者(28)が「30分ぐらい殴った」と供述していることが3日、捜査関係者への取材で分かった。捜査関係者によると、唯真さんの腕などには抵抗したときにできる防御痕はなかった。

 県警は、抵抗せず無防備な状態の唯真さんの腹部や頭部を練習用ゴルフクラブで繰り返し執拗に殴ったとみている。

 事件直前の1日午前、2人は外出しており、そろって帰宅するところを近所の人が目撃。堀内容疑者は唯真さんを叱っている様子だったといい、県警は外出をめぐる2人の間のトラブルが原因になった可能性があるとみて調べている。

 広島県こども家庭課によると、虐待通告を受け2009年2月に職員が面会した際、唯真さんは「無断で外に出たから殴られた」と虐待を受けた理由を説明した。職員が左目の下と腹部に大きなあざがあるのを確認し、保護した。唯真さんは「家に帰りたくない」と話したという。〔共同〕
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

    名前:高木健治郎

書いたもの(平成29年度)
哲学(平成28年度)
科学技術者の倫理(平成28年度)
書いたもの(平成28年)
科学技術者の倫理(平成27年度)
哲学(平成27年度)
書いたもの(平成27年)
哲学(平成26年度)
「科学技術者の倫理(平成26年度)
講義録「哲学」
書いたもの(平成26年)
書いたもの(平成25年)
論文(高木健治郎の)
講義録「科学技術者の倫理」(平成25年度)
高木ゼミ『銃・病原菌・鉄』
高木ゼミ全6回『ぼくらの祖国』
教養講座6回分(平成24年度)   講義録21~
講義録「科学技術者の倫理」(平成24年度)     講義録1~15
最新記事
講義録「科学技術者の倫理」(平成23年度)
石上国語教室で行われた講演のレジュメです。哲学が足りなかったのが、福島原発事故の原因の1つではないか、と考えています。

「哲学のススメ2」レジュメ

最新コメント
カテゴリ