講義録21-2 中華人民共和国における反日デモについてⅡ

 「講義録21-1 中華人民共和国における反日デモについて」の続きです。

☆3)反日デモ=反共産党デモ

 今回のデモの特徴は、「反日デモ=反共産党デモ」としない分析からも、「毛沢東のプラカードが多かった」とあります。その分析は、「毛沢東なら直ぐに日本と戦争をしていたからだ」や「毛沢東が日本に勝ったと教えてきたからだ(本当は嘘)」とあります。高木は、「毛沢東の共産主義と違う現在の共産党批判」と考えます。

 まず、ざっと、歴史をさらってみます。
 毛沢東に代表される中国共産党は、日中戦争で日和見の態度をとりました。つまり戦ったのは現在台湾にある中華民国を作った蒋介石の国民党です。アメリカはこの国民党に援助をしていました。毛沢東はソ連の言いなりでした。日中戦争が終わり、国民党と共産党は争いましたが、日本がトータルで赤字を出して財産を数十兆円(現在)の資産を放棄した満州国を地盤にした共産党が勝利します。毛沢東は「国民党を倒した日本に感謝」と「満州国を工業化した日本に感謝」と述べています。台湾に国民党を追い込んだ共産党でしたが、主力を朝鮮戦争に向けると、最精鋭の第4軍司令官林彪(りん・ぴょう)は反対し病気でソ連に飛ばされます。朝鮮戦争に介入させることによって、台湾政府を守ることに加担してしまったのです。そして現在の中国共産党、国民党、北朝鮮、南朝鮮(大韓民国)、ソ連という日本の隣国が作られました。

 以上の歴史的経緯と、もう1つは暴君として評判のある毛沢東をもう1度出す意味を考えて「反日デモ=反共産党デモ」と主張します。毛沢東の共産主義とは、冷戦崩壊前の共産主義、つまり、「財産(産)をみんな(共)で平等に分けるのが良いと考える(主義)」という立場です。現在の中国は、インド、メキシコなどと共に最も貧富の差が激しい国です。ちなみに、中国共産党のトップ70人の資産額は、20兆円とも50兆円とも言われています。1人当たり3000億円から1兆円を持っている訳です。通貨水準が10分の1~100分の1を考えると極めて高い貧富の差ではないでしょうか。
 
 しかし、反共産党デモは実行できません。
 何故なら、殺されるか監禁されるからです。
「法輪功(ほうりんこう)」という中国の気功体操をするグループがあります。このグループは反共産党の活動を行っていませんでしたが1億人を超えると、途端に「危険な団体」に指定され現在禁止されています。この団体に所属する人々が刑務所の中で殺され臓器販売されている、と告発がありました。『Bloody Harvest, The killing of Falun Gong for their organs(血まみれの臓器狩り)』では、4万以上の臓器が出所不明であり、その正体が法輪功などの人々だと告発します。中国は独裁国家です。ですから、裁判も例外ではなく権力=中国共産党や地方の知事が決定します。中国漁船尖閣諸島衝突事件で、「中国共産党が即時釈放を日本に求めた」のも権力者が裁判を決定出来る、からなのです。対して、日本は三権分立で司法の独立が認めれています。しかしながら、日本では菅総理と仙石官房長官が、三権分立を壊してしまいました。日本の民主主義と民主制を破壊した行為です。それに対する反省、責任を取るなどは現在まで行われていません。ちなみに、菅元総理、鳩山元総理は日本人拉致実行犯の息子で北朝鮮で反日教育を受け、日本で選挙に立候補した人物の関わる団体に、総額6000万円の寄付をしました。さらに民主党全体でも2億円以上の寄付をしています。これらの行動が、民主主義や民主制から独裁主義、独裁制に歩み寄ろうという行動であることは言うまでもありません。また、さらに法律の上でも独裁制を認めようとする法案が、先日野田総理の下で閣議決定されました。「人権委員会設置法案」と言います。
法律原文:http://www.moj.go.jp/content/000101633.pdf
 問題は数々ありますが、「人権の内容が不明確」と「判断するのが外国人でもよい」点です。日本はこのまま独裁制に近づいていくのでしょうか。選択するのは日本国民である私たちです。

 次に、監禁に行きます。中国では精神病院に収容する際の基準が極めて不明確です。例えば、会社が「精神病だ」と言えば、本人の承諾なしに精神病院に収容されます。精神科の医者が「もう、この人は退院してもよい=治療する必要なし」としても、会社が同意しなければ病院に監禁されます。この人々の実態は不明確ですが、毎年10万人以上いるそうです。人民解放軍や中国共産党などの最高の権力者以外にも、地域で権力や金銭を握る小権力者が、人々の行動を拘束できるのが現状です。このように法律による国家統治、地方政治が行われていないのです。ですから、社会生活は極めて不安定です。私が大学のトップに嫌われれば、明日にでも、精神病院に監禁されてしまうのです。

 また、支那大陸全土(土地)は全て国の物=共産党の私物です。ですから、何十年も何百年も住んできた土地をいきなり共産党や人民解放軍、の他、先ほどの小権力者に取られるという事件が多発しています。NEWSWEEKによると10万件以上でしたが、20万件以上という話も耳に聞いたことがあります。つまり、住む場所の安全確保がされない、ということです。

 こうした現状に対した不満は、中国経済が成長発展すること、反日教育で外に目を向けること、で逸(そ)らされてきました。その中国経済が昨年から陰りを見せ始め、今年に入りインフレが経済成長率を抜いたと言われるほど、落ち込んでいます。不満の先が反日にだけ向けられるのです。これらの不満が高まれば高まるほど、学校で教えられている反日に矛先が向かうように、中国国内では仕向けられいます。今回の毛沢東の写真掲載と合わせて考えてみると、その正体は反共産党デモと考えます。

☆4)最も危険なのは、イスラエルVSイラン戦争で長期的に反日デモに関係する

 戦争が実際に起こりそうなのは、イスラエルVSイランです。イランは中東諸国の中でイスラエルと戦っていない数少ない国であり、現在シリア(「ヨルダン」から訂正します。平成24年10月6日)の民間人虐殺に手を貸していく国の1つです。さらに、北朝鮮から核の技術やミサイル技術を購入している国です。ちなみに、北朝鮮の核の技術は日本から流出したものがあります。これまでの講義録の丁寧に書いてきましたが、

 日本の核セキュリティが甘い(原発は事故を起こさない)→北朝鮮に技術を盗まれる→イラクに売る→戦争の危機→石油価格高騰

 なのです。日本が自らの失敗で石油高騰という自業自得の面があるのです。福島原発事故を受けてやっと発足した原子力規制庁には、この核セキュリティを担当する課がありません。以下が組織図です。
http://www.nsr.go.jp/nra/gaiyou/
 日本の原子力規制庁だけではないでしょうか、「原発にはテロやスパイがこない」と考えているのは。そしてそれは私たち日本国民の1人1人の中に根深く住みついた欠点ではないでしょうか。
 
 現在イスラエルのネタニアフ首相は、アメリカのオバマ大統領に向かって「イラクの核攻撃に期限を切って欲しい」と強く迫っています。つまり、イラクの核開発が止まらなければ、イラクを攻撃してよい、と言ってくれ、と言うのです。過去2度、イスラエルはイラクの核施設を攻撃しました。1度は空爆。その後、施設は地下へ。2度目はサイバーテロ、つまりコンピュータの破壊。その後、施設はサイバーテロ対策が万全に。そして次は、核攻撃を目指しています。現在イスラエルは公式に核爆弾を持っている訳ではありませんが、英国と同じ程度の200発を保持しています。その中に、地上で爆発するのではなく、地下に潜って爆発する核兵器があります。この核兵器は実験後、地上に強い放射線が現れることが確認されています。フクシマ(福島原発事故)以降、世界中に放射線障害に対する強いアレルギーが現れました。それによって核攻撃は控えられています。先週のNEWSWEEKには、特殊部隊投入か?という記事がありました。

 そしてイスラエルとイランの軍事的緊張が高まると、マーケット(証券市場)は不当に高く石油の価格を吊り上げます。そのことによって石油の価値が上がっています。ここ数年世界中で天然ガスが発見され、エネルギーの市場価格が抑えられているのにも関わらずです。もちろん、マーケットの金が余り、投資先を探しているというのもあります。世界同時不況が起こる中日本だけが世界経済の中で唯一、あるいは最も健全な経済である、と認められています。その最も健全な経済体制から金を引き出そうとする圧力がありますが、日本はイタリア、スイス、フランス以外は全ての国で貿易黒字であり、ウィークポイントは石油だけなのです。ちなみに、農作物はエネルギー換算だと40%ですが、商品価格だと70%となり世界有数の農業生産国です。
 この流れの中で、天然ガスよりも石油の価値が上昇しています。そして尖閣諸島には石油が埋蔵されており、中国と日本との間で採掘がされていません。ちなみに、自民党、民主党の両党とも中国の採掘を認めて来ました。日本の領海内で、あるいは近くで石油が取られているのです。
 石油の価値が上昇することは、尖閣諸島の問題を長期的に紛争状態へを導きます。

 尖閣諸島の問題は、なぜか日本では領土の問題(あるいは漁業権)ばかりで報道されますが、単に国土の問題ではなく、日本国の30年、50年先のエネルギーの問題なのです。さらに、尖閣諸島付近には、メタンハイドレートという良質の天然ガスがあります。

 イスラエルVSイラクの戦争が、テロを含めた長期的な戦争になると石油価格が高騰し、価値が上がることで、尖閣諸島がさらに重要となります。速く、早く日本軍(自衛隊)を駐留させて、確保すべきです。

 以上が反日デモについてです。

追記:自民党の新総裁が、過去の例になく安倍新総裁に決まりました。5人の候補者の中で最も領土を守ると主張した候補者でした。また、対中国外交で最もきちんとした態度を取った総理でもありました。領土問題だけを考えるならば、安倍総裁の誕生は大きな一歩です。もちろん、他の視点でも検討しなければなりませんが。

 
 

 

 

 
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