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講義録14-4 モデル計算の問題点 「二酸化炭素による地球温暖化」と「原発」

 「二酸化炭素による地球温暖化モデル」も「原発が発電時で安い」も、「モデル計算」です。

もう1つは、政治的に結論が決まっている、点が共通の問題点です。


・モデル計算は、想定に基づいた計算方法であり、計算方法や採用データをいじることが出来、安くすることが可能なのです。

 実は初期の地球全体の気温をコンピュータシュミレーションで計算した時に、4つのモデルがありました(高木がNEWSWEEKで観たモデルです)。この4つのモデルでは、10度温暖化、3度程度の温暖化、殆ど変わらず、寒冷化の結論でした。この4つのモデルは、後に計算式やデータ処理を通され、全て温暖化となりました。ソ連のゴルバチョフ書記長の右腕シュワルナゼ外相が、「地球温暖化は地球全体の問題だから石油を使わないようにしよう」と言ったのは、米ソ冷戦構造でアメリカに負けないように、つまりアメリカの経済発展を押さえるための発言でした。これに二酸化窒素などの酸性雨で困っていたヨーロッパが飛びつきました。ドイツは緑の党が、この追い風で躍進していきます。つまり、「二酸化炭素による地球温暖化」という問題は、国際政治の問題が出発点なのです。
『地球環境問題とは何か 』 米本 昌平著 岩波新書

 このように政治によって結論が決められました。

「二酸化炭素による地球温暖化がある」→「温暖化は悪い」

 なぜ、温暖化が悪いのでしょうか?

温暖化は人間が住む居住地域を増やします。温暖化は単純に考えれば降雨量が増え、食糧増産になります。温暖化で北極の氷は解けず(水に浮いているので)、南極は中心部が冷えて来ています。ですから海水面は上がりません。

 日本以外の国で環境問題と言えば「人口爆発」や「食糧増産」です。それが解決方向に向かうのですから、なぜ悪いのでしょうか? 

 結論が決められているという点で、これはこれまでの「二酸化炭素による地球温暖化モデル」の会議で専門家から散々指摘されています。専門家の中では温暖化派と寒冷化派と慎重派に分かれていますが(当然ですが)、結論は毎回「温暖化は悪い」なのです。

 具体例を1つだけ挙げましょう。

「地球温暖化→海面上昇」で取り上げられるのは太平洋諸島の島々です。その1つにツバルという国があり、「ツバル水没問題は政治社会問題」という小林泉先生がいる。
『国際開発ジャーナル』「水没国家 スバつの真実 第1回温暖化キャンペーンで沈む島」 AUGUST 2008 36,37P

 1973年871人から5300人へと6倍に増えた人口、さらに警察、消防や行政機関や同トなどの社会インフラが入ってきた現状を述べた後で、

「これだけで(人口6倍)だけで十分に重量オーバーだから、それらが織りなす社会的圧力(行政機関など)でこの島はいまにも沈みそうなのだ」

 と述べる。「社会的圧力」とはツバルのような基本条件の危うい集団をヨーロッパモデルの国民国家に合わせようという圧力である。つまり、行政機関や警察や病院などを指す。さらに、地球温暖化による水没をキーワードに群がる環境団体の問題などに触れていく。次に号では「日本の東京都知事がツバルに視察に来て、この点を指摘したのにも関わらず、相変わらずツバルの水没は温暖化である」という指摘もある。つまり、政治的に結論が決まっているものによる観方で固定化されている、というのである。ツバルの島はサンゴ礁で出来ており、日本国の土地のように岩や土で出来ておらず隙間があいているので容易に地盤沈下するのである。なた、引用文の前文には「大潮の時に水が噴き出すの、わしらの子どもの時からだ」という70歳代の現地の老人の証言が乗っている。原因は「アメリカ軍により地下層が破壊されたからだ」と書かれている。

 政治的な結論ありき、を根本的に批判したのは、科学哲学者のカール・ポパーでこれまでも挙げたように『歴史主義』である。現在は、こうした政治的な結論ありき、にコンピュータによるモデル計算が使われるようになった。その先駆けは「ローマクラブ『成長の限界』」であろうか。

 「二酸化炭素による地球温暖化モデル」に戻る。

 4つの全てが幅あるものの温暖化する、という結論に合うようになった点まで述べた。では、その4つの温暖化のモデルで、日本はどのようになるのであろうか? 1つは温暖化、1つは寒冷化、2つは殆ど変わらず、であった。どのモデル計算が正しい、ということは出来ない。何故なら、地球温暖化の気体の内、諸説あるが90%は水蒸気と言われている。この90%の動きが理解できていないのであるから、どのようになるか分からない。であるから、

 地球温暖化、とは言うが、日本温暖化、とは言わない。

 言えない、のである。4つの計算モデルでどのようになるか、バラバラになってしまうからである。全体の結論を求めるために、計算式とデータ処理を変えることで、下部の結論がバラバラになる、という例は沢山あるが、それは厳密な意味での学問とは言うことはできない。地球全体が共産主義革命が起こる、が日本では何時起こるか判らない、キューバでは直ぐ起こったけど、フランスでは直ぐに起こりそうだかわからない、というのと同じである。政治的に全体の結論ありき、と決めてしまうと下部で不都合が生じるのである。

 ちなみに、人間が二酸化炭素を出す前、現在より海面は100メートル以上低かったし、平均気温も10度以上上下している。本当に二酸化炭素だけ、と結論付けることが自然科学的合理性があると言えるのだろうか?

 高木は、自然科学の合理性の誤解、あるいは政治要因による偏向と「二酸化炭素による地球温暖化モデル」を考えている。そして、そこにモデル計算が使われている、と考える。最後に、それが「原発は発電時は安い」という結論にも使われている、と考えている。

 以上が、モデル計算にある問題点です。もちろん、モデル計算は有効な方法であることは間違いありません。しかし、実測計算との違いが明確にされないまま、あるいは恣意的に隠されるのならば、弊害が大きくなる、と考えます。
 この点で、「二酸化炭素による地球温暖化」と「原発」は共通していると考えます。

 次は、国会事故調の報告書と技術者倫理です。
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