米の放射線実測図、政府が放置

引用元:朝日新聞デジタル  2012年6月18日5時0分
http://www.asahi.com/politics/update/0618/TKY201206170453.html

 原発事故避難に生かさず関連トピックス原子力発電所 東京電力
米エネルギー省が昨年3月に航空機モニタリングした結果


 東京電力福島第一原子力発電所の事故直後の昨年3月17~19日、米エネルギー省が米軍機で空から放射線測定(モニタリング)を行って詳細な「汚染地図」を提供したのに、日本政府はこのデータを公表せず、住民の避難に活用していなかったことがわかった。放射性物質が大量に放出される中、北西方向に帯状に広がる高濃度地域が一目でわかるデータが死蔵され、大勢の住民が汚染地域を避難先や避難経路に選んだ。

 政府の初動対応では、汚染の広がりを予測する緊急時迅速放射能影響予測システム(SPEEDI)の試算結果の公表遅れが問題となった。同システムの予測値と決定的に違うのは、米エネルギー省のデータが放射能の拡散方向を示す実測値だったことだ。

 米エネルギー省は原発事故直後の昨年3月17~19日、米軍機2機に、地上の放射線量の分布を電子地図に表示する空中測定システム(AMS)と呼ばれる機材を搭載して、福島第一原発から半径約45キロの地域の線量を計測した。

 その結果、福島県の浪江町や飯舘村などを含む福島第一の北西方向に、30キロ超にわたり1時間当たり125マイクロシーベルトを超える高い線量の地域が帯状に広がっていることが判明。この線量は8時間で一般市民の年間被曝(ひばく)線量の限度を超える数値だった。

 外務省によると、測定結果を基に作製された汚染地図は3月18日と20日の計2回、在日米大使館経由で同省に電子メールで提供され、同省が直後にメールを経済産業省原子力安全・保安院と、線量測定の実務を担っていた文部科学省にそれぞれ転送した。文科省科学技術・学術政策局の渡辺格次長ら複数の関係機関幹部によれば、同省と保安院は、データを公表せず、首相官邸や原子力安全委員会にも伝えなかったという。


 考察

 「講義録10-1 社会背景と地球的視野」で述べた内容(以下に述べる)を裏付ける新聞記事だったので掲載します。
:http://takagikenziro.blog.fc2.com/


また、日本人を集団主義、と言いますが、その集団を動かしているのも日本人なのです。ただし、日本の集団主義の場合はそれを「誰が動かしているかが分かり難いだけ」なのです。今回の福島原発事故後の対応も、誰が指示を出しているのでしょうか? 細野原発担当大臣は現場に常駐せず常に原発作業の情報に触れ判断しているとは、外部から見ていても到底思えません。静岡市だったか浜松市だったか、で大臣自らビラを配っている記事があったと記憶していますが、その時に、緊急の判断が必要になったらどうするのでしょうか?
 これは、「誰が動かしているかが分かり難いだけ」の集団主義が日本の集団主義である、と言う根拠です。過去の原子力政策を振り返ると経済産業省の官僚が実際には動かしているのでしょう。


 上記の内容を裏付ける1つの証左です。
この内容が問題なのは、福島原発事故の対応を誤らせた、被害を拡大させた、ということです。
前から述べているように、日本の官僚たちは日本で最も優秀な(大学卒業まで続く受験戦争を勝ち残ったという意味で)人々です。戦後の日本の奇跡の復興に彼らの貢献があったことは誰も否定できません。しかしながら、「だから官僚に任せておけば大丈夫」が崩れた実例だと考えます。

 優秀な官僚が居なくなり、小粒になったのでしょうか?
 大蔵省を財務省に変えたように、アメリカ支配に屈して卑屈になったのでしょうか?
 民主党政権に絶望した官僚が、政権を信頼していなかったからでしょうか?
 日本の制度は30年を過ぎるとどの制度でも劣化するのでしょうか?
 推進とチェックの両側が一体になった原子力政策特有の毒がまわったからでしょうか?

 高木には、判別がつきません。
 ただ、この記事から判るのは、官僚が「日本国民の放射能汚染から守らなかった」という事実です。
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