講義録10 福島原発事故視察の温度差 社会背景と地球的視野 『聖書』と『古事記』 宗教による労働観の差

(文意不明、文末の言い回しミス、誤字脱字は沢山あると思います。ご了承下さいませ。また、講義内容に大分加筆しています。)

 週明けが、かみさんの出産予定日です。夏至が出産予定日になるとは偶然ですが、この夏至近辺に、近所の神社では「大祓(おおはらえ)」が6月30日に行われます。草で出来た大きな輪をグルグルとくぐります。「茅(ち)の輪くぐり」とも言います。カレンダーのちょうど反対、12月末に「年越しの大祓」があります。「祓(はら)い」は、「穢(けが)れを祓うこと」で、病気にならず、お腹も壊さず、心も壊さないようにリフレッシュすることです。今回の講義ではお盆やお正月は、日本人の宗教に基づく点をお話しますが、実感する行事です。出産前であれば家族で参加したいです。

 今回の枕話は、講義と関係あり、雑談ではなかったかもしれません。


目標

 :「社会背景」と地球的視野(JABEE)の関係を考える
 :地球的視野からすると、各国のそれぞれバラバラの違いなのか、宗教によるグループの違いなのかを考える
 :宗教と倫理が関係あるのか、ないのかを考える
 :ユダヤ教が出来た時に物語を集めた『聖書』と日本最古の物語を集めた『古事記』の違いを知る
 :物語が規定する人間の存在という視点を知る
 :宗教による規定が、身の回りの世界にあふれていることを知る
 :宗教による規定が、技術者倫理に関係する労働観に関係することを知る
 
紹介した本

 :『創世記 : 旧約聖書』 関根正雄訳 改版 岩波文庫 1967.8 大学図書館所蔵版

配布プリント

 1枚目
 (表)2つの動画
  :平成23年度 講義録10 「福島原発事故での希望 公平な捉え方と見えてくる事実 サラリーマンと覚悟のある人の違い 最大の希望」 にある2つの動画の事実起こした資料 
:http://takagikenziro.blog.fc2.com/blog-entry-34.html
 (裏)同上

 2枚目
 (表)同上
 (裏)耐震不安の無視―毎日新聞
 <米原子力規制委>耐震不安「無視」…福島と同型のマーク1 毎日新聞 6月9日(木)2時31分配信(平成23年)
:http://takagikenziro.blog.fc2.com/blog-entry-16.html

宿題

 題1:福島原発事故原因の技術的原因(なるべく6つの安全を挙げながら)を3つ挙げなさい。

   補足:「6つの安全」は、講義録3-1「六本木ヒルズ回転ドア事件と6つの安全」を参照して下さい。

 題2:現在、原発の安全基準が(6つの安全のどれかの)技術的安全を、満たしている、と論じなさい。

 題3:現在、原発の安全基準が(6つの安全のどれかの)技術的安全を、満たしていない、と論じなさい。

 題4:福島原発事故原因の根本(社会背景)の原因を挙げた上で、考えを述べなさい。

   補足:「社会背景」とは、講義録9-2 技術と社会は相補的 で挙げた内容であり、戦争、歴史、文化、欲望などを指す。

 詳しい内容は、「福島原発事故関係の宿題内容」を。
 :http://takagikenziro.blog.fc2.com/blog-entry-146.html


 -講義内容-

 まず、最初に宿題の説明をしました。題1に関係するのが動画①です。
青山繁晴氏は、株式会社独立総合研究所 代表取締役社長・兼・首席研究員で、原子力委員会(原子力防護専門部会)専門委員など原子力政策やエネルギー政策に詳しい専門家です。また、福島原子力災害などを受けて設置された原子力委員会・原子力防護専門部会・技術検討ワーキンググループ委員に就任しています。
詳しくは:http://www.dokken.co.jp/index_jp.php

 動画①は事故後1か月で、東京電力関係以外の人で福島原発構内に立ち入り、動画を撮影した貴重な映像です。特に海側から映された映像は、「地震による原子炉破壊ではなく、津波による全電源停止である」ことが分かった決定的な動画でした。現在、大災害による安全対策として、津波対策や電源喪失対策が取られているのもこの動画の影響です。

 ちなみに、原子炉建屋内に、担当大臣が入ったのが、平成24年5月26日である。

 つまり、青山繁春氏よりも「1年2カ月」も遅く、初の視察をしたことになる。担当閣僚は、静岡県出身の細野豪志環境大臣、原子力発電所事故収束・再発防止担当大臣、内閣府特命担当大臣(原子力行政)であり、就任は11か月前になる。福島原発事故の構内内部を見ずに「安全です。冷温停止です。収まっています」と言ってきた訳である。その画像が、以下にある。2つは同じ写真。

新潟日報社:http://www.niigata-nippo.co.jp/world/main/2012052601001756.html
北海道新聞社:http://www.hokkaido-np.co.jp/news/politics/375462.html

 また、原子力発電所事故収束・再発防止担当大臣が、福島原発事故近辺に常駐していないのは、大きな問題である。収束作業や数々のトラブルの際に、担当大臣への報告と判断が行われないからである。日本のTVや新聞、はたまた専門家はこの点を指摘しないが、私は明らかに可笑しい、と考える。もし、担当大臣の判断によって行われていないのならば、それは国民の負託を受けていない他者が判断していることになる。例えば、東京電力本社や福島原発所所長、経済産業省の官僚などである。
 日本は民主主義の国家であるから、現在も国民に大災害を与えつづけている福島原発事故災害について、国民の負託を得た原発担当大臣が、現場の情報を得て判断しなければならない。これは、講義では述べなかったが

 「どうして、細野原発担当大臣は、福島原発近辺に常駐しないのであろうか?」

 もう1点、先ほどの画像を見ると、「福島原発が冷温「停止」です」という野田首相の言葉を誰も信じないだろう。「冷温停止」とは安全管理がしっかりされている状態を指す。原発担当大臣はどうして訂正するように求めないのであろうか。あの画像を見て誰でもが感じるのは「壊れた後、燃料が無くなって止まっているだけだ」ということである(これまでの講義でも繰り返してきましたが、細野大臣を個人攻撃する意図や野田首相を引き釣り下ろす意図を込めていません。悪しからずご了解下されば幸いです。明確にしたいのは日本社会の組織的特徴と福島原発事故対応について技術者倫理から考える視点です)

 青山氏は現場を踏まえ、その後福島原発事故について発言している。これらの点を踏まえると、意義多き動画ということが分かるであろう。

 動画②は、題2、題3、題4に関係する。米ソ冷戦という国際政治が原発を導入し、原子力発電がウラン型だけになり、その後、推進されていった理由がはっきりと分かる。また、燃料費が掛からず原発30基分が見込める地熱発電、核廃棄物が1000分の1などウラン型の欠点が少ないトリウム原発の研究を停止する圧力を掛けることが見えてくる。

 「ウラン型の原子力発電は軍事利用できるからアメリカでも日本でも利用されてきた」

 という歴史的事実が見えてくる。これは原発推進も原発停止でも採用できる事実である。
これだけでは支える事実が乏しいので、『原発と日本の未来――原子力は温暖化対策の切り札か』  吉岡斉著  岩波ブックレットを挙げた。

 以上の点は、高木の情報収集の結果であり、見方である。他の見方を禁止しているわけではないことを、付け加えておく。福島原発事故後でも、原子力政策や原子力発電は、非常に神経を使わなければならない問題であるので、敢えて付け加えた。

 宿題については以上である。

 次は、社会背景と地球的視野です。
 
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