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講義録8-4 学生コメント集

 学生コメント集と高木の返信です。

 一部抜粋している場合があります。誤字脱字の変更、漢字への変換はありますが、本文変更はありません。タイプミスはあるかもしれません。「○」は学生のコメント、「返信」は高木の記入コメント、「考察」は記入していないが高木の付け足したいこと、考えたこと、です。「考察」はない場合もあります。今回は申し訳ないですが、プリントの方に返信を書き込むのをお休みします。ここに書かないコメント返信もプリントに書く場合もあります。

 全体の傾向:「考えてみようと思いました」というコメントが増えた。
      :内部告発はなぜするのだろう?自分なら出来ない、しない、という戸惑いが多かった。
      :公益通報者保護法をもっと強化した方が良い、も多かった。
      :震災がれきについて知れてよかった、も多かった。
      :神、は出てこなかった、もありました。

○義務とは結局何なのか

返信:何なのでしょう。色んな人が色んな答えを出しています。私も考え中ですし、一緒に考えていきましょう。

○内部告発することは自分の中の覚悟がなければ出来ないことである。ボクの場合は言いたいことがあっても、後が怖くて一歩手前で踏みとどまるため出来ない。自分の中で葛藤し、どのような答えを導くの(か)がまさに難しいです。

返信:どこまで言うか、どこを言わないか。講義でもそうです。限られた時間の中でどのように伝えるか。私はヲタクなので人と話すのが本当に苦手だった面があります。講義をしているから何とかなりますが、普段は殆ど外出もしない会話も苦手です。ですから仕事だけは頑張ろうとしています。ご参考下さい。

○自分の意見を考えるのは凄く大変です。頭の中でいろんなキーワードや他人の意見が巡っていて、どれが正しいとかはないんだけど、正しいことを書きたいとか、正論を考えたいとか思ってしまう。矛盾することもいっぱいあるけど、そうやって考えることで、自分が出来ていくんだと思いますけど…。

返信:オー! 思わずオー!です。素晴らしいです。一緒に自分を作っていきましょう。

○匿名希望ってできるときと出来ない時があるのか、と疑問に思った。

返信:講義録8-2、8-3に書きました。疑問をぶつけてくれたお陰で丁寧に書きました。匿名で受けられるメリットとデメリットがある、という方が実態に近いと思います。参考になりましたか。

○問1の時の悪いことをしたら地獄に落ちると説明してくれましたが、それは仏教的な考えのものではないのですか。例えばキリスト教なら生きているうちの罪は清めてくれるので、そういった義務が他の宗教観で発生するのは何故ですか?

返信:素晴らしい質問を有り難う御座います。
 まず、最初の仏教では、心の迷いが悪い、と説明しました。それが時代を経て普通の人に分かりやすいように、また他の考え方がくっついて、日本では神道などとくっついて、悪いことをすれば地獄に落ちる、というようになりました。最初の仏教では「生きていることが苦しみ」と言います。つまり、私たちが生きている世の中が既に苦しみに満ちている、と考えます。誤解を恐れずに言えば、この世も地獄なのです。その地獄に何度も何度も生まれ変わる。そのサイクル(輪廻)から出ていくのを「解脱(げだつ)」といいます。ですから、「心の迷いを断ち切ろう」という訳です。言い方を換えればこの世もあの世も自分の心次第、という訳です。
 次に、キリスト教なら生きているうちの罪は清めてくれる、というのは、ローマ・カトリックの「懺悔(ざんげ)」のことを指すのでしょうか。この「懺悔」は後から作ったもので、キリスト教の正統な宗派「オーソドックス(日本ではギリシャ正教)」にはありません。ですから、生きているうちの罪を清める、ということは元々のキリスト教ではなく、後からくっついたものです。これを中世のローマ・カトリックが「お金を払えば清められる」と言いました。お金を払えば人を殺しても天国に行けることになってしまったのです。もちろん、これに似たものが世界中の宗教教団にあり、日本でも似たものがあります。
 さて、最後です。「そういった義務が他の宗教観で発生するのは何故ですか?」については、「普通の人を正しい生活を送らせるため」というのが高木の解釈です。日本人は比較的倫理的行動をとります。日本人の心のあり方が似ているからです。しかし、世界中では全く違う心のあり方の人々がいます。そういう人々と一緒にやっていくために、一定のルールを課さなければならないでしょう。それが人間の作った法律、人間が変えられる法律ではなく、決して変えられない「神からの義務」として課すことにしました。さらに、その神が凄いんだぞ、従わないと不利益を得るぞ!と脅すことで説得力を増すのです。以上は高木の解釈です。他にも色んな解釈があります。良かったら調べてみて下さい。導入で分かりやすいのは、前にも書きましたが「ひろさちや」さんでしょう。新潮選書で色々と出しています。

○日本人は無宗教の人が多いのにも関わらず、倫理観を持っている人が大勢いることは不思議だと思った。

返信:なぜでしょうね。調べたり考えたりして下さいね。ちなみに、日本人は無宗教である、というのは誤解ですよ。お正月やお盆は神道という宗教に基づくお休みです。また、神社仏閣などは世界で一番ある国が日本です。無宗教ではなく、宗教に日常生活を縛られていない、つまり、十戒のように「神からの義務」がないだけです。江戸時代はありましたが、明治期以降捨て去りました。

○話を聞いていると眠くなる。黒板の字を綺麗に書いてくれることを望みます(他に1名あり)

返信:話を聞いていると眠くなる、とは少し驚きました。次の文字を見ると、もっと手を動かして眠気をとりたい、ということでしょうか。つまり、もっと板書して欲しいという意味でしょうか? 板書の字の汚さは申し訳ないです。毎回1~9人くらいの人が書いてくれます。気をつけていますが、量が多いので汚くなります。もし見えない、分からない時は聴いて下さい。そのためもあって必ず毎回教室内を回っているのですから。

○法律が出てくるとビックリするくらい自分の倫理が前に出てこなくなる。

返信:自分の心の動きをよく気がついてくれました。まず、その自分を受け入れて対応を考えていきましょう。

○内部告発はメリットが少ないと思った。

返信:絶望的な場合でも内部告発をする人がいますね。自分のメリットでは絶対に出来ない場合でもいます。どうしてそういう人がいるのでしょうか。考えてみて下さいね。

○内部告発がよいことであるか悪いことであるかの判断が未だ(いまだ)に難しい。だが自分の人生を捨ててまですることなのかとは感じた。

返信:実は人生を拾う、という考え方もあります。

○私の考えでは「義務」というのは無いと思う脳ですがどうですか? 本当に「義務」というのは存在しますか?

返信:人の義務と神からの義務を分けて考える方法と存在するかどうかで考える方法があると思います。まず、人の義務ですが納税や教育などの義務はあります。罰則が決められている強制力があります。これに対して神からの義務は、各個人の信仰によって変るかもしれません。もちろん、宗教の立場からすると個人の自由ではありませんが。また、私の個人的な考え方を「関連エッセイ 「義務」の限界」」として講義録一覧(平成24年度)に載せました。素晴らしい質問のお陰で考えることが出来ました。有り難う御座います。

○義務感から神についての価値観や内部告発について講義していたが神についてなぜ両極端な意見(全てを作ったか否か)しかないのか。「基盤」を作った上で「人間」が勝手に増え、創設した、というような中間的意見が出ないのだろうか。

返信:「基盤」が何を指すのか推測になりますが、深い質問だと感じました。まず、両極端の意見以外にも沢山あります。仏教は「全てを作ったか否か」の問題に介入しませんし、儒教も同じです。例えば、孔子の「怪力乱神を語らず」という言葉があります。また、神が不完全に創った後、人間が世界をさらに作っていった、という考え方は古代の日本人の考え方で『古事記』にあります。『古事記』は、神の世界、神と人の世界、最後に人の世界、という構成です。世界の物語の中で唯一の構成です。聖書は神と人の世界だけ、中国の古典である史記は、人の世界だけです。

○内部告発をする人を支援する機構みたいなものがあると、しやすくなるか?

返信:しやすくなるでしょうね。講義録に書いておいたように「公衆の福利」に貢献したと判断した人は「公務員」として途中採用するシステムを作れば、内部告発は増える、と考えてました。

○私は絶対的な悪について何であろうか疑問である。

返信:まず、悪=倫理的悪とすると2つが考えられます。人の悪と神への悪です。○くんが前述しているように人の悪では、相対的な悪になってしまいます。神への悪はモーセの十戒に違反することが絶対的な悪となります。これは揺るぎません。しかし、人間世界での制裁が課されることがないのも実態です。絶対的悪と人間世界での制裁を区別すると、見えてくるのではないでしょうか。素晴らしい質問を有り難う御座いました。

○生活保護の不正受給についてどう思いますか?私は正直、働くのがバカらしく思えました。

返信:生活保護の不正受給はあってはならない悪い行為です。ただ、芸能人の母が不正受給をしていた、とは現在のところ言い切れないと思います。というのも「不正」であるかどうか、が判別する基準がしっかりしていないからです。母親の問題ではなく法律の運用の問題です。
 次に働くのがバカらしく思えました、という点ですが、正直、私も一瞬バカらしくなりました。バカらしくなりましたが、そうではない、という想いが沸いてきました。貧乏でも汗水たらして働く人間には、誇りがあります。この誇りは人生を豊かにしてくれます。そして金や土地よりも子供に残せるものではないでしょうか。○○くんの親は汗水たらして一生懸命働いていますか? 働いていたとしたら親に感謝しませんか? 他方、不正受給をしていたら感謝するでしょうか? そういう親を尊敬するでしょうか。不正受給の場合は「国がバカだから」という智慧しか出てこないのではないでしょうか。智慧では幸せにはなれません。いい質問を有り難う御座いました。

○1万件の未処理の内部告発はどうなったのでしょうか?

返信:1万件の通報の未処理で、内部告発ではありません。誤解を与えたようで申し訳ないです。誤解を解くためにも講義録8-3で最新の情報を詳しく書いておきました。参考にして下さい。

○テレビのニュース等で芸能の話題が多く取り上げられている時は裏で重大な法律が決められていることは本当だと思いますか?

返信:これまでの経緯を見ると、私の狭い情報の中でなら、そういう場合が本当にあった、と思います。しかし、民主党になって国民が厳しい目を持ってチェックしているので、大分減ってきたと思います。ただ、民主党政権が過去最低の法案成立なので、少ないのもあるのでしょう。まあ、質問があればしてくださいね。

○被災地の現状には驚いた。国は何をやっているのかと思った。1つ質問があります。日本の債務?(借金)はどうして解決させていこうとしてるのか、分かりやすく教えて頂きたいです。

返信:まず、日本全体では借金がありません。日本国政府の借金よりも個人の貯金や企業の海外資産などを合わせると、資産の方が圧倒的に大きいのです。世界で一番海外にお金を貸して利益を得ている国が日本なのです。ですから、アメリカ、ヨーロッパが経済危機になってドル安、ユーロ安になっても円だけは人気があります。つまり円高になっています。また、日本国政府の借金は日本人から95%を借りていて、さらに300兆円くらい借りられます。
 1人の人間に例えると、借金が1000万円あるけれど、貯金などが1400万円くらいある、という状態です。それと毎年20万円くらい貯金できている人になります。
 どうでしょうか。わかりやすかったでしょうか?

○問1の義務の所で、神が義務を課している人がいないのは、なんでなんですか?詳しく知りたいです。

返信:まず、神を人間が作った、と考える人からすれば、神からの義務は人間社会が円滑にいくための方便(手段)になります。そうすると、義務を課していない人がいない、のは社会全体として円滑にいくためになります。1人でも課していない人がいると、義務を守ることで不利益が明らかになってしまうからです。
 次に、神が人間を作った、と考える人からすれば、世界の全てを作ったのが神だからです。人間が道具を作ります。その道具は人間のために使われるのが当然で、使えなくなれば捨てられるのが当然です。これと同じ関係を人間と神に当てはめます。その人間は神のために使われる(従う)のが当然で、使われなくなれば(従わなくなれば)捨てられるのが当然になるのです。神と人の関係に注目するとこんな感じになります。如何でしょうか。また、講義録の中で『神の歴史』などを薦めました。是非どうぞ。

○内部告発が悪いわけではないが、告発した本人がプラスになることはないのに何故内部告発するのだろうか

返信:いい疑問ですね。いいひっかかりです。解雇や会社の廃業となったとしても、プラスになる、という視点があるのです。そのプラスは、銭金(ぜにかね)のプラスではないのは明らかです。今後やっていきますね。

○レポートを書いていて、日本政府は色々なことを隠しすぎていると思った。市民団体は真実を沢山教えてくれるので面白かった。

返信:マスコミやTVで報道されている情報が偏っていることを自分で調べて気がついたことは何より嬉しいです。日本の民主主義の素晴らしい所は、そうした市民団体が社会を良くしてくれている点です。他にも中々出てきませんが素晴らしい市民団体が沢山ありますよ。浜松にも静岡にもあることを私自身の日常生活の中で知っています。是非とも今後も調べていってくださいね。


 以上となります。素晴らしい質問や意見が多く出てきました。教師冥利につきます。本人も気づかぬうちに成長していって欲しいですねぇ~。
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