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講義余談「マクドナルドについて」

 実例として講義内で取り上げた話を書きます。

 マクドナルド、についてです。

 まず、「マクドナルドを食べたことがある人?」、「今年の1月からマクドナルドを食べた人?」と聞いていきました。学生の皆さん、留学生を問わず両方とも50%以上でした。

 マクドナルドは、御存知の通り、駅前など家賃が高い場所で、100円でコーヒーやハンバーガーが食べれるお店です。

 安いハンバーガーには、安い理由がある、のです。

 先に断っておきますが、「マクドナルドを食べるのは止めましょう」という意味を込めて話を書いていきません。安いなら、安いなりの理由があることを、大人ならきちんと自分で考えましょう、という意味を込めて書いていきます。

 映画「スーパーサイズミー」を知っていますか?

 映画の中で世界最高のドキュメンタリー部門賞を受賞した「スーパーサイズミー」です。2004年のサンダンス映画祭ドキュメンタリー部門監督賞を受賞したのは、モーガン・スパーロックです。
 
 スパーロックは、「マクドナルドを1ヶ月間食べつづける」というドキュメンタリーを撮りました。

 「スーパーサイズミー」とは、「私を特大にしよう!」という意味です。水もマックで買う徹底ぶりでした。

 結果は、1ヶ月で11キロ太りました。

 その理由は、以下のようなものです。これには高木の推測も入っていますし、DVDの特典映像の部分も入っています。

 -太った理由-

 マックの肉、は全て肉で出来ていません。食べる時に見れば分かると思いますが、肉ではなく「パテ」です。

 「パテ」は、原価18円です。

 ハンバーガーの「パンは12円」、「野菜は22円!」、「ソースは8円」です。なんとチョコットしか入っていない野菜よりも「パテ」は安いのです。出典は『図解「儲け」のカラクリ』インタービジョン編21です。インタービジョンでは、「利益率の高いドリンクやポテトで儲けている」や「コンピュータによる徹底した食材管理」などで安さが実現出来ている、と述べています。しかし、私は「パテ」の18円、という何気ない数値を見て、自分のこれまでの考えが正しかったことを実感しました。「パテ」は「肉」ではないのです。

 「パテ」の正体は「ごみ」です。

 ハンバーガーのことを「ファーストフード」と言いますが「ジャンクフード」とも言います。「ジャンク」とは「ごみ」のこと。ちなみに私がバスケットを最後まで続けたチーム名は「ジャンクス(ごみたち)」という名前です。余談でした。

 「ごみ」とは、ゴミ箱に入っている「ゴミ」ではありません。「捨てるもの」という意味です。捨てるものなので原価はほぼ0円、それに加工代や他に色々と加えて18円となるのです。「ごみ」も運ぶだけで原価が出てくるのです。

 「捨てるもの」とは、肉を取った後の「捨てるもの」です。

 牛から肉を取る過程は、「命のたべかた」といドキュメンタリー映画で良く分ります。牛1頭から20~30キロしか取れない肉の残りは、内臓や脳みそ、目玉、骨、髄液(ずいえき)、皮などなどです。これらが「捨てるもの」なのです。これらをミンチにする大きな機械に入れてグチャグチャにして「パテ」を作ります。映画「スーパーサイズミー」ではチキンナゲットが、鳥のトサカや羽、内臓、脚などがミンチになっていました。「パテ」を良くみてください「肉」ではなのです。

 「捨てるもの」とは、不味い、と感じます。

 ですから、美味い!と感じるものを入れなければ食べられません。食品栄養では、「砂糖」と「脂肪」は、「あればあるだけ美味い!」と感じる物質だそうです。塩は入れ過ぎると塩辛くなり、胡椒なども同じです。ナッツやお煎餅よりも、砂糖がたっぷり入っているケーキはみんな大好きです。それは「砂糖」が沢山入っているからであって、他のお菓子より好かれるのも食品栄養としては当然なのです。さらに、マグロや松坂牛など高級な食材は、「脂肪」の付き方によります。また、「スーパーサイズミー」の中に合って、私が知らなかったのは、「合法的な麻薬物質が3種類入っている」そうです。ですから、不味い、のを美味い、にするために、砂糖、脂肪、合法麻薬が入っているのです。

 美味い、と感じさせるために、砂糖は1日約450g、脂肪は約180gを取ることになります。

 砂糖450gとは、ペットボトル1本全てが砂糖です。これをガーっと飲むことになる。脂肪はコーヒー缶1本が全て白い脂肪で、プルンプルンとしたものをゴクゴクと飲むことになるのです。ただし、脂肪は、水のような動物から出る脂からミートボール等が作られるように、水のような感じかもしれません。

 砂糖450gと脂肪180gを取るから、太るのです。

 太る原因は2種類考えられています(ここからは講義で話していません)。

 現在、言われているのは、「砂糖や脂肪のカロリーが高いから太る」→「適度な運動と食事制限」→「やせる」です。

 他方、現在殆ど認知されていないのは、「精製された砂糖と精製穀物で太る」→「糖分の入った清涼飲料や食べ物を控える」→「やせる」です。

 この説は、貧しい1930年代でも肥満児が多かったこと、過酷な肉体労働者でも肥満が多いこと、糖類が脂肪になりインシュリンの働きの阻害が実証されたこと(結果としてインシュリンが上がる)、ランニングなどの運動で燃焼するカロリーが低すぎることなどが有力な証拠です。例えば、NEWSWEEK2012.5.30です。この説だと、精製砂糖(白砂糖)と精製穀物(小麦粉等)が太る原因になります。

 2つのどちらの説でも、砂糖は太る、の原因とされます。この砂糖が、大量に入っているのですからマックは太る訳です。

 映画「スーパーサイズミー」の人体実験では体重とコレステロール値、血圧などが図られています。さらに、実際の映像があります。

 18日目:頭痛。目玉の後ろがズキズキする感じ。
 
 21日目:3人の医者全員が「すぐにやめるべき!」と言う。「死ぬぞ!」という言葉も。

 25日以降:マックを食べていない時はベッドから起き上がれない。マックを食べるとハイテンション。その1,2時間後、またベッドから起き上がれない。

 終わってみて:疲労感、情緒不安定、性生活は殆どなくなる、食べるともっと欲しくなり、食べない時は頭痛。11キロ体重増加、砂糖摂取量13キロ、5キロの脂肪。

 回復に14カ月かかる。

 25日以降の症状は、高木の観方では「麻薬中毒」です。

 マックは、72%が週1回以上訪れるヘビー・ユーザー。3~4回訪れるスーパーヘビー・ユーザは22%に当たる。

 21日目に3人の医者全員に中止を言われたスパーロック氏は、30日目まで続け、自分の生命を危機にさらし、体を元にするまでに14カ月掛かりました。しかし、彼は「マックを食べちゃダメだ!」とは言いません。
 
 「マックは、子供には売らないようにすべきだ」

 「マックは、入っているものを表示すべきだ」

 というのです。

 もし、「マックは食べちゃダメだ!」というのなら、アンフェアなので高木は取り上げません。マックを食べますがその選択はスパーロック氏に任されています。さらに、悪い部分だけを持って来て、「ほら見たことかダメだ!」というのは、物事を推進させないばかりが弊害だらけです。最初を思い出して下さい。

 「安いには理由がある、その理由を自分で考えない大人は馬鹿だからしょうがない」
 
 けれども、

 「子供は、安いだけで食べてしまうし、マックで太るし、マックの中の合法的な麻薬に弱いから止めましょう」

 というのです。

 「馬鹿」というのは強い言葉ですが、「馬鹿」は、サンスクリット語から来て「無知」や「迷妄(めいもう:道理のわからない人」という意味です。安い物が悪い、と言っているのではなく、安いには理由があり、それを考えないのが悪い、という意味です。つまり、スパーロック氏は、

 「マックを非難しているのではなく、買う側を非難している」

 のです。私自身、何も考えず、安い!安い!と1日10個のチーズバーガーを20歳の頃食べていました。ただ、その人はどうも、バスケットの調子が悪くなりました。何回も重ねている内に、マックの安い理由は・・・となったのです。
 ですから、駅前という高い家賃を払って、100円で何時間でも居られるマックは、企業努力を重ねた結果が現在なのです。1日約5000万人が世界中でマックに来店しますが、それもこの企業努力の賜物(たまもの)です。

 現在、東京で最もお金が無い人達は、夜マックに行き、ハンバーガーを1品頼み一晩過ごします。1泊100円。

 マンガ喫茶は時間制限がありますが、ソファーなどで寝れて、1泊1000円

 その上のカプセルホテルは、1泊2500円

 ビジネスホテルなどは1泊5000円~

 お金が無い人々を雨や寒さ、暑さから救ってくれているという点でもマックの安さは素晴らしい恩恵を社会に与えてくれています。


 次に、「マックは、入っているものを表示すべきだ」というのは、「マックが、お店で調理(加熱)しているので原材料の表示義務がない」からなのです。

 お祭りの屋台などは売っている食べ物に何が入っているか表示する義務がありません。同じくその場で調理した食べ物は原材料の表示義務はありません。他方、コンビニで売っているハンバーガーはレンジでチン!をして出したとしても、レンジでチン!は調理ではないので、裏に何が入っているか書かなければなりません。
 マックでバイトをしている複数の人から、「パテ」は油を引かないですよ、じわーっと脂が出てくるんです、と教えてもらいました。例え油をひかなくても、加熱は調理なのです。ですから、具体的にマックの食べ物の中に何が入っているかを、食べる側が知らない、というのは問題である、とスパーロック氏は言います。技術者倫理のインフォームドコンセントに通じるものがあります。

 マクドナルドを取りあえげたのは、余談のようで余談ではないのです。

 新聞やTVなどで報じられている情報を、自分で考えないで、そのまま信じてしまうのは危険だからです。

 マックを食べ続けて肉体を危険にさらし続けるよりも危険かもしれません。


 新聞やTVなどで報じられている情報は、多くの情報の中から選び出された情報でしかないのです。選別は各新聞社が行っています。そしてマックと同じように報じられていない情報、報道しない情報が世の中に溢れていることも関係しています。

 情報は選別されていること、情報は報じられないこともあること、この2点は選挙権を持つこの日本国の最終責任者の1人として知っておいて欲しいのです。

 最後に何とか、講義余話らしくまとめてみました。
 


 
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