講義録5-2 「軍事のインフォームドコンセント トレード・オフとリスクトレード・オフ」

編集する2011年05月20日15:24

(文意不明、文末の言い回しミス、誤字脱字は沢山あると思います。ご了承下さいませ。また、講義内容に大分加筆しています。)

 残りは、

 「インフォームドコンセントの長所と短所」
   ↓
 「トレードオフとリスクトレードオフ」

 になりました。
インフォームドコンセントで別の例を挙げて、トレードオフとリスクトレードオフに結び付けていきましょう。そして最後に、少しだけコメントを紹介して終わりたいと思います。是非とも終わりたいと思います。消さないように、消さないように。

 別の例は、色々あるのですが、福島原発事故のレポートA4で6枚を来週提出なので少しでも学生の足しになるために、原発にします。福島原発事故以降、マスコミや一部の専門家は「国の対応が悪い」→「国が情報を隠している」という論理に基づいて民主党政権の対応を非難しています。丁度、「メルトダウンが起こっているのを知っていたが、2ヶ月後に発表した」というニュースが出てきました。2ヶ月間、「メルトダウンが起こっているとは思われない」と民主党政権下の原子力安全・保安院などは言い続けてきたわけです。もちろん、一部の専門家は「ある」と言っていましたし、海外のニュースでは流れていました。この情報の隠匿(いんとく)、あるいは隠蔽(いんぺい)を非難する論理は、「インフォームドコンセント=善」という考え方に成り立っています。メルトダウンが起こったことを情報公開して、どういうことが説明責任を負う。その上で日本国民への対応策への同意を得る、がインフォームドコンセントなのです。

 (以下補足)
 私も今回のメルトダウンは情報公開すべきだったと考えます。それと日本国民への対応策は日本の国内法の法律違反ですから支持することはできません。なぜ一時帰宅が2時間なのか、数字に基づく合理的判断からすれば決して支持できません。それは放射線の汚染を計ったデータ(数字)を公開しないからですし、一時帰宅した人々が汚染を除去する必要が誰ひとり、どれ1つなかったからです。全く数字に基づかない対応策です。
 (以上補足終了)

 ですから、筆者は教科書にあるように原発でもインフォームドコンセントを進めるべきであるし、そこから判断すべきである、と主張します(補足も沢山はいりますが、大筋では)。
 対して教員は、原発の特別な要素を考慮して判断します。私はインフォームドコンセントをある程度の所まででとどめ置くべきである、と考えます。

 原発=製造物+軍事

 というものです。この軍事は、現在も継続中です。社名は変わりましたが、福島原発を作ったのはジェネラル・エレクトリック社です。この会社は広島の原爆を作りだした会社でもあります。そして福島原発の最も大切な部分を公開していません。作ってから40年間経っても、日本国民が放射線被害を受けて2カ月経ってもです。何故なら、原子力発電と原子力爆弾は同じもの→製造物+軍事と考えているからです。また、日本の原子力安全委員のメンバーである核セキュリティーの専門家によると北朝鮮の工作員が、現在もある原発に潜入しているそうです。この傍証として北朝鮮が映像で公開した原子炉は日本の原子炉にそっくりでした。このように国家が軍事として原発を捉えている事実があります。もちろん、スパイがいるのが分かっているのですから、捕まえればいい、という意見があるでしょう。しかし、日本は先進国(あるいは殆どの国)にある「スパイ防止法」がありません。成立させようとしてきましたが挫折しつづけています。ですから、

  「日本の原発の技術はスパイで盗まれ放題」
 
 という現状なのです。そしてこの技術は北朝鮮に渡り間接的に、日本に核爆弾が向かうことになりました(パチンコと同じく不思議です。どうして止めないのか)。ですから、原発は軍事という特別な要素がありますから、これを考慮して、インフォームドコンセントは進めるべきである、と教員は考えません。

 ただし、軍事的な側面なら全てインフォームドコンセントを進めてはならない、とも考えていません。個人的な体験から出発しますが、私の父は広島県の尾道市に終戦時いました。親戚が広島市にいて「何か新しい爆弾が落ちた」というのを聞いて、おじいさんと向かったそうです。幸い、親戚が死んだことが直ぐに確認できたそうですで直ぐに戻ったそうです。しかし、もし直ぐに見つからず、ずっといたとしたら私はこの世に存在していなかったと思われます。父は終戦時、まだ子供で放射線の影響をもろに受ける年代だったのです。
 同じような話で有名な話があります(他の先生もされていた、と学生の感想で教えてもらいました)。広島で被爆したある少女は治療してたら治る可能性がありました。しかし、広島の原爆は人体実験の側面が強いですから(もちろん戦争に戦闘員以外をまきこんだ国際法に違反した戦争犯罪です。その中で人体実験をしたのも戦争犯罪です)、その少女は治療されませんでした。アメリカと日本の研究者がゆっくりと少女が放射線で死んで行くのを克明に記録しました。そして息絶えるとその死体を日本の研究者が解剖したそうです。その解剖した臓器などが残っているそうです。今回、福島原発事故対応に米軍の特殊部隊が来ましたが、この時のデータももちろん利用しています(私は、ここで戦争犯罪と国際法上の問題や人道上の問題を指摘しません。大切なのは合理的思考を構築することだからです。そこから観たらどうなるかは言うまでもないからです)
 そのデータをきちんと日本に公開してほしいと考えています。何故なら今、福島では実際に放射線による汚染が起こっています。日本人が被験者となったデータは現在でも役に立つと考えます。
 
 このように軍事であれば情報公開しなくてよい、とは考えていません。もう1度最後にインフォームドコンセントの対立を書いておきましょう。

筆者:インフォームドコンセントは善、パターナリズムは悪  →倫理で判断する
 VS
教員:インフォームドコンセントとパターナリズムはどちらが善や悪では割り切れない。 →それぞれの要素で判断する

 
 さて、インフォームコンセントを対象にしますが、他の幅広い分野で利用できる「トレードオフ」と「リスク・トレードオフ」について説明しましょう。

「トレードオフ」    :利益とリスクを比べること
「リスクトレードオフ」:リスクとリスクを比べること

 ここで問3 原発のインフォームドコンセントをトレードオフをしなさい

 解答の引用例は以下の通りです。

原発のインフォームドコンセントの利益は、「人々の混乱をさけることが出来ること」である。
原発のインフォームドコンセントのリスクは、「人々の危険があること」である。
以上が原発のインフォームドコンセントのトレードオフである。

 学生の中には、「少ない資源で済む」や「事故を起こした場合は甚大な被害」など、「原発のトレードオフ」を書いたものが多かった。次回口頭で指摘する。

 書いてもらっている間に、原発はよくトレードオフで語られるが、実はリスク・トレードオフだったのではないか、という私見を述べる。原発は利益を強調しリスクを言わなかったけれど実は利益のある所にリスクがないことはない。それは問題だけれど、本当は原発を導入したのがGHQの支配が終わってすぐ、正力松太郎という読売新聞を打ち立てた人が率先した。それは日本が経済発展していく時に石油依存するリスクと原発のリスクを比較したのではないか。あるいは、アメリカ支配から抜け出すリスクと原発のリスクを。さらに後になれば、ソ連、中国という核大国が侵略してくるリスクと、ウラン濃縮を持っていて何時でも原発を準備しておいて汚染するリスクの比較だったのではないかな。それがその後、既得権益になってなし崩しになり広がっていたのではないか、と。

 最後に学生の前回のコメントを紹介。
「無知の知」などなど。4-2参照。
 講義録4-2 「科学技術者の倫理」

 以上終了。

 3クラスすべて80分プラスマイナス2分。


 学生のコメントです。全て見ましたが目に付いたものだけです。

・インフォームドコンセントは難しい(多数):(私のコメント)その難しさを受け入れるのが大人ではないか
・原発のインフォームドコンセントと医療のインフォームドコンセントは違う
・スパイ防止法はなぜないの?(多数):自分で調べてみましょう
・世の中の思想に宗教が大きくかかわっているのが面白い
・模範として配ったレポートすごい(多数)
・不安や疑心暗鬼が一番のリスク
・アメリカの医療費の高さに驚いた。(補足:出産費用は1日入院で150万円、健康保険は年間約60万円)
・天使の名前が普通の名前に使われていて驚いた:日本では別のやり方で同じですよ。お盆やお正月
・リスク・トレードオフとトレードオフは日常生活に使える(補足:結婚しないリスクと結婚するリスクを比べること、とか大切です。書きだしてみると頭がすっきりします)
・無知は罪であるが、知りもしないことを付け加えて話す人間はもっと罪である事を再確認した
・どちらにしても放射能(本人の書いた単語です)汚染を止めるのが最優先


 終わりましたー!やった!
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