講義関係記事「使用済み燃料」と「被爆者並みの医療へ」と「被爆者の軍事利用」

 講義に関連する記事が、静岡新聞に偶然?沢山載っていたので、引用します。

項目は、①「使用済み核燃料」と②「被爆者並みの医療へ」と③「被爆者の軍事利用」です。

 ①「使用済み核燃料」

 静岡新聞平成24年(2012年)4月23日(月曜日) 日刊 (1):最初の頁 の2つの記事(文面は意訳します。責任は高木にあります)

①-A)「続浜岡原発の選択58 貯蔵問題一気に深刻化」と
①-B)「国内原発 燃料返送なら大半停止 原子力委員会 再処理中止で試算」

 ①-A) 
「六ヶ所村再処理工場(の計画)が止まったら、の想定をしているのかしていないのか?」の問いに、「準備していない訳ではないが、本格稼働が前提」と回答。
昨年度の講義でも取り上げ、本年度も述べて来ているように、原発は「トイレの無いマンション」なのです。汚物がマンションの外に出せない、マンションの中の屎尿(しにょう)処理工場も稼働していない、のが現状です。稼働していないのに埋立地の97%が一杯。
 技術者倫理からすると、この廃棄物問題は当初から入れてきたように「予見可能な事態」でした。「進歩する科学ならなんとかしてくれるだろう」という甘い見込みで見切り発車したのです。

 講義と関係するのは、講義録2で「浜岡原発の燃料プール」について述べた所です。使い終わった燃料が安全ではない状態で浜岡原発にある、という箇所です。

 ①-B)
「使用済み核燃料から新しい燃料が得られる」から原発は未来のエネルギーだ、と言ってきました。中止した場合にどうなるか、というと全国50基の内39基が2015年に運転不能になります。
青森県知事は「中止した場合は返送させる」としています。浜岡原発は3機(3,4,5号機でしょうか?)が動いた場合、2015年に運転不能になります。
 マンションの汚物は敷地内の公園で処理出来ないので各部屋に戻す、ということです。すると、各部屋では汚物を管理する体制が出来ていません。私たちの各家庭でも大便、小便は水洗トイレでジャーッと流しておしまいです。その大便、小便を各家庭で処理して下さい、と帰ってくるのです。そもそもそうした廃棄物を管理できるでしょうか? 

 これも「使用済み核燃燃料」の問題で、講義録2で「浜岡原発の燃料プール」の述べた所です。これは、原発推進派、現状維持派、原発停止派、原発廃止派、無関心派によらない全部の人々が考えなければならない問題です。  「原発を勝手にやりやがって! 俺はずっと反対してきたんだ!」
 では済まされない話です。

 
 ②「被爆者並みの医療へ」

 同じく、静岡新聞平成24年(2012年)4月23日(月曜日) 日刊 (3) 総合 B

「「被爆者並み」実現へ壁」 福島県浪江町の医療費無料化要請」の記事です。

前日、日本政府はメコン川流域のインフラ整備に6000億円、ミャンマーの3000億円の借金帳消しとお金を貸すことを約束しました。

福島県の人々は放射性物質が原因で帰宅できないでいます。しかし、

 「被曝線量は高くないから国が医療費を負担する根拠は乏しく、難しい」(関係者):新聞本文引用

だそうです。これは怒りを感じる文章です。線量が高いから帰宅できないけれど、線量が高くないから医療負担しない、というのです。広島長崎で被爆した方々の用語予算は1500億円だそうです。どうして日本国民をまず助けないのでしょう。

 日本国の政策で帰れない人々、避難を余儀なくされている人々にお金を出し惜しみ、メコンの道路などに10倍近いお金を出す。

 どうしてこうなってしまったのでしょう。学生の皆さんと考えていきたいです。


 ③「被爆者の軍事利用」

 静岡新聞平成24年(2012年)4月22日(月曜日) 日刊 (3) 総合 B

 「米の研究利用に1200人 死亡した被爆者赤ちゃん 日本から臓器やカルテ」

 米軍病理学研究所(AFIP)の内部文書を高橋博子先生が発見し、

 「核兵器や放射線研究のために、新生児がモルモット扱いされたと言える。今の放射線の基準は、その上に成り立っている」

 と話した。新生児のほぼ100%で7万7千人が対象、亡くなった場合は全て解剖された。臓器標本やカルテ1000点以上。

 法定基準値1ミリシーベルトの基準が、日本人の赤ちゃんなどを利用していたという事実。そしてそれを公開してこなかったのは軍事利用という名目である。感情が沸き立ちそうな記事なのでポイントをまとめる。

③-A) 臓器標本などの米国移送は日本独立の52年前後。: つまり、占領軍の権力が必要な研究(違法性の高い研究を暗示)

③-B) 放射線研究の基礎は、広島長崎のデータ。: つまり、広島長崎そのものは人体実験(の要素が強い)

③-C) 放射線研究の基礎は、軍事利用で公開しない :原発内の放射線被爆が隠される理由と類似

③-D) 妊婦の所在を食料配給制度を利用して日本側から提供:負けた側は全て聞かなければならない、と思いこんだ戦後日本と共通

③-E) 医師や看護師が新生児が亡くなると通報 :お上の言うことなら違法性が高く人間性に反しても協力するのは日本人の病気なのだろうか

③-F) 2012年になって内部文書で発覚 :高橋博子先生が居なければずっと闇に隠されてきた

 以上で終わり、以下、講義との関係に行きます。 

 昨年度の講義で、広島長崎の原爆は人体実験、核兵器のテストをしたかったら、と述べました。現在から良い悪いを評価するのは控えるべきですが、アメリカでは今でも「原爆を落として良かったのだ。戦争が早く終わったから」という教育をしています。

 その原爆投下後、助かりそうな少女の治療を放棄して、放射線でどのように人間が死んでいくかの記録があり、アメリカ人だけでなく日本人も協力した、というのを学生の皆さんに聞いてもらいました。この点は今回の記事がより広く支えることになります。さらに、こうした日本人への人体実験に基づいたデータで放射線の基準が出来たことも伝えました。この点講義と関係があります。

 しかし、今回の福島原発事故後、放射線の内部被爆のデータが出て来ませんでした。アメリカは膨大な資料を持っているにも関わらず、さらに同じ日本人のデータであるにも関わらず、これらのデータを公開しませんでした。新聞記事では70年前後から日本に一部返還された、とありますが、詳細なデータの公開、考察などが渡されませんでした。
 もう1点、世界で最も多くの核実験(1000回以上)したアメリカは詳細なデータの公開、考察をしませんでした。
 
 「トモダチ作戦」はイメージアップにつながったようですが、最も大切なデータは出しませんでした。現在でも「放射性物質に基づく風評被害があります」が、その理由はどこからが危険で安全なのか、のデータがないからです。そのため東北の人々は苦しみ、赤ちゃんを持つお母さんなども悩んでいます。

 
 まとめます。

 原子力発電が軍事軍事利用の側面があるからです。ですからデータが出てこないのです。現実としてここから出発しなければ事故予防、再発防止につながりません。アメリカの非難、日本政府や東電の非難では問題は解決しません。

 ①~③を見てみましょう。火力発電、水力発電なら放射性被爆がありません。①~③はないのです。これを「エネルギーの安全確保」や「安いから」だけで支持できるでしょうか? どちらの結論でもOKです。しかし、支持できる、と支持できない、の両面から考える必要がある、と講義では伝えていきます。

 以上で終わりです。
 中々長くなりました。明日の講義、この新聞記事のコピーを渡し一緒に考えたいと思います。
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